(・8・)「”ことほの”だとありがたいちゅん」
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
私、かしこいかわいい生徒会長だと思います。
我が音ノ木坂学院は地元でも有名な百合高校であり、
当然入学してくる人はみな百合愛好家の生徒ばかり。
そして、私たち生徒会はそんな生徒のために仕事をする毎日なのです。 絵里「今週は”うみまき”よ」
希「おっけー」
にこ「今回もにこにー先生が傑作を届けるわよ」
凛「頑張るにゃー」 ガリガリガリ
絵里「まずはこのシチュでいきましょう」カキカキ
にこ「それ、先週の”のぞぱな”でも使ったじゃない」
希「絵里ちは相変わらず好きやなー」
絵里「い、いいじゃない別に///」 私たち生徒会の仕事というのは、カプSSをつくり、生徒に届けること。
中にはこれを生きがいに通学している子もいるって聞くから、とてもやり甲斐のある仕事よ。 希「ふんふんふ〜ん♪」カキカキ
この子は希。見ての通りのスピリチュアルガール。
希には1つの特徴があるの。
それは、午前と午後とではまったく異なる人格になること。 希「ウチは今日も絶好調! さすがのぞみんやん、ブイっ!」
午前はこのようにおちゃらけた性格なんだけど、午後になれば落ち着いたお姉さんキャラになるの。
でもスピリチュアルガールな点は変わらないから、きっとそれが彼女の核なんだと思うわ。 にこ「希、ちょっと静かにしてよ!」
この子はにこ。彼女も生徒会のメンバーよ。
小さい頃からアイドルを目指してて、そのための戦略や努力も欠かさない。
とっても頑張り屋さんな女の子。
なんだけど、実は彼女も希と同じで、午前と午後では人格が違うの。 にこ「ほら凛、だらけてないでちゃんと書きなさい」
凛「はーい」
今のように、午前中は頼れる先輩って感じなんだけど、午後になると―― カチ
キーンコーンカーンコーン
希「あ、午後の始まりのチャイムやな」
にこ「にっこにっこにー。にこはぁ、今日もみんなのために頑張るにこ!」 こんなふうに、テレビでよくあるアイドルな口調や性格になっちゃうの。
ホント、午前の希と午後のにこが一緒に出てこなくて助かるわ。 凛「おやつタイムにゃー」
そして最後に、この子は凛。今年から新しく生徒会に入ったメンバーで、
とっても元気いっぱいなピカピカの一年生。
今だって、お昼を食べた後なのにもうお腹が減ったみたい。
育ち盛りだから仕方ないわね。 希「凛ちゃん、おやつは1個書き上げてから」
凛「ええ〜」
にこ「にっこにっこにー。にこはこのSSで学校中を笑顔にするにこ」
希「にこっち、ちょっと静かにしよう」
このメンバーで生徒会の仕事を回しているのです。 その子に初めて出会ったのは、春から夏にかわる季節の、ある昼下がりのことでした。 絵里「生徒会役員希望者?」
希「うん! ウチにそう言ってきた子がいたんよ」
絵里「それは嬉しいわ。生徒会はいつも人手不足だから」
希「今日の放課後、生徒会室に来るらしいよ」
果たして、その子は生徒会室にやって来たのです。 絵里「さ、みんな、今週は”ことほの”よ」
コンコン
にこ「噂の新人ちゃんニコ」
凛「凛の後輩にゃー」
希「凛ちゃん、その子は二年生だよ」
凛「にゃあ…」
絵里「はいどうぞ」 第一印象は、お人形のように可愛らしい鳥さんって感じです。
その子の名前はトッリ。
愛くるしい外見に不釣り合いで、砂漠を飛ぶ一匹の鳥というほど孤独な雰囲気でした。 絵里「トッリさん。早速だけどSSを書いてくれるかしら」
希「絵里ち、いくら何でも即戦力を期待しすぎ――」
φ(・8・)「……」ガリガリガリガリガリ
えりのぞにこりん「!」 驚きました。トッリはまるでSSに飢えてでもいたように次々と作品を完成させていくのです。
絵里「これはすごい新人が入ってきたわ」 私たちの闘争心にも火が付きました。
この場にいる誰もがトッリに負けぬよう、ことほのSSを完成させていったのです。
そしてこの”ことほの”週間は、生徒会史上かつてないほどの作品数を届けることができました。 ところが、事態は思わぬ方向へと進んでいったのです。 絵里「今週は”にこりん”よ」
にこ「よーし、今週はトッリに負けないわよ」
希「ウチも負けんよー」
凛「今回は凛の得意分野にゃー」
絵里「ふふ、みんな気合入ってるわね」
絵里「さ、執筆よ」
(・8・)「……」 絵里「どうしたのトッリ」
(・8・)「……」カリカリ
(・8・)つ
絵里「あら、もうできたのね。どれどれ…」
絵里「……」
絵里「トッリ、これはどういうこと?」
(・8・)「……」
絵里「あなたが書いたのは”ことほの”」
絵里「”ことほの”は先週で終わったのよ」
(・8・)「”ことほの”だとありがたいちゅん」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています