真姫「とうとう私も働くのね……」ハァ
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〜都内 某事務所〜
テクテク…
ピタ
真姫(ここが……芸能事務所 nico.s……)
真姫(紹介で面接を受けて…つい先日、社員兼事務所専属の作曲家としての内定を頂いたわけだけれど、)
真姫 (うーん、なんだか思ってたより)
真姫「……小さい事務所ね」
ウィーン
真姫「!」ビク
??「ん?」チラ
真姫「……」
??「あれ?お客さんかな?」テクテク
真姫 (誰かでてきた…っ)
真姫「あ…えっと」クルクル
??「もしかしてにこちゃんが言ってた、新しく入るって…」ジッ
真姫「あっ」
真姫「そう!…だと思うわ、じゃなくて……思います」
??「そっか」ニコ ことり「はじめまして、私は南ことりって言いますっ♡」ギュ
真姫「ヴェッ…ッ」ビク
真姫 (い、いきなり握手……)
真姫 (人とこんなに近いのは久しぶりね) ハァ
ことり「実は私もにこちゃん…あ、ここの社長なんだけど。呼び出されてて……」
ことり「でも多分でかけちゃってるみたいなの。ごめんね」
真姫「にこ…」
真姫 (だから社名がnico.sなのね)
真姫「で、あなたも社員なの?……なんですか?」
ことり「私は社長のにこちゃんとお友だちで、よくお仕事引き受けたりしてるの。社員ってわけじゃないよ」
ことり「それより……ふふ♡ もしかして、敬語苦手なの?」ニコ
真姫「ヴェ…」
真姫「別に、そうじゃないけど」ギク
真姫「長く社会から遠のいていたから…慣れないだけよ」ハァ
ことり「そっかそっか♪ 」
ことり「うん、ことりには別に敬語じゃなくて大丈夫だよ〜♡」 ことり「それに、ここ別にそう言うのきびしくないし、とってもアットホームだから」ニコ
真姫「……」
真姫「なら遠慮なく」
ことり「えーと、気軽にことりって呼んでね」ニコリ
真姫 (いきなり名前って、ハードルあげてくるわね……)
真姫「こ、ことり…」ボソ
ことり「わあ♡」
ことり「お名前、聞いてもいいですか?」ニコリ
真姫「…」ス
ことり「わ、名刺ありがとう♡」
ことり「西木野 真姫? 真姫ちゃん」チラ
ことり(名前の漢字とか見た目とピッタリだなあ…綺麗だし♡)
真姫 「ちゃん付け…もう26なんだけど私」ムス
ことり (それより、あれ……?この名前どこかで……)
真姫「まあいいわ。それより」チラ
真姫「社長がいないなら話にならないじゃない…私、住み込みで寮も借りる予定なのだけど」クルクル
真姫 (どうすんのよ…) ことり「あっ」
ことり「うん、だから私が今から寮まで案内することになってるの」
真姫「え?」
ことり「ほらほら、結構近くだから♪歩いても10分かからないよ」グッ
真姫 (え、え? 10分も歩くの?)
真姫「ちょ、ちょっと…」
真姫「引っ張らないでって」
ことり「みんなきっと仲良くできるよ♪」
ことり「また、賑やかになりそうだなぁ…♡」
真姫「……」
真姫 (賑やかしいのは苦手なのだけど)
ことり「よろしくね、真姫ちゃん♪」ニコリ
〜〜 〜nico.s専用女子寮〜
凛「まだかなまだかな〜〜〜」グルグル
凛「真姫ちゃんまだかな〜〜!!!」
花陽「り、凛ちゃん落ち着いて…」
凛「だぁって!」バンッ
凛「真姫ちゃん、凛が紹介したのに面接受けるって連絡来てからそれっきりなんだもん!」
凛「今日からここに住み込みに来るのだって、にこちゃんから聞いたんだよ?」
花陽「うーん、携帯とか連絡ベタだからね、真姫ちゃん」
凛「うんうん」
凛「高校の頃からそうだったよねぇ…もう、困ったちゃんだにゃあ」
花陽「ふふ、凛ちゃんは真姫ちゃんが心配なんだよね」
凛「だって!真姫ちゃん、ちょっと世間ずれしてるから」
凛「にこちゃん社長とウマが合うか心配だよ」 花陽「あ、あはは」
花陽 (それは確かにちょっと心配…かも)
ガラッ
凛「!」ピク
凛「きた?!」
凛「……って、なーんだ。海未ちゃんか…」
海未「ただいま戻りました」
海未「いきなり……なんだとは何ですか」ジロ
花陽「おかえり、海未ちゃん」ニコ
海未「ええ」
花陽「実は今、今日から入る新しい子を待ってたんです」
海未「ああ…凛が話してましたね」
海未「確か……凛と花陽の知り合いでしたか」カタ
凛「うん!高校から一緒だよ!真姫ちゃんって言うの」ニコニコ 海未「そうですか。また賑やかになりそうですね、ここも」
花陽「そうだね」ニコ
凛「あーでも、真姫ちゃんはねぇ、どちらかって言うとクールぶってる感じだから」
凛「賑やかと言うよりは海未ちゃんに近いかにゃ〜〜」
海未「ぶってるって何ですかっ」
海未「凛、あなたはこの前のスタジオ収録でもまた派手にやらかしたようですね」ジロ
凛「ええ?!あ、あれは〜……」
花陽「あ、あはは」
花陽 (社員採用になった真姫ちゃんは、海未ちゃんの部下と言うか後輩になるってことだよね)
花陽 (真姫ちゃん……大丈夫かなあ…)
花陽「あ、そ、それより…海未ちゃん」
海未「?」
花陽「希ちゃんは…?一緒じゃなかったんですか?」
凛「希ちゃんの撮影の付き添いで一緒だったんじゃないの?」
海未「…いや、それが」 海未「途中で良い飲み屋を見つけたから軽く飲んでくると……」
海未「ふらっとどこかへ行ってしまいました」ハァ
凛「あらら…」
海未「まったく……いつもいつも。マネージャーの私の身にもなって欲しいものです…」ハァ
海未「希は自分が有名人と言う立場であることを自覚しているのかいないのか……」
花陽「そ、そうだったんだ」ハハ…
凛「凛は希ちゃんのそういうところ好きだけどにゃあ」
花陽「う、うーん。何もなければいいけど、希ちゃんそこのところは上手だと思うから」
海未「……まあ、そうですね」
海未「それより、あなた達も同じ立場なのですから。のんきなことを言っていると、にこにどやされますよ」
海未 (ただでさえあのパパラッチ達に目をつけられていると言うのに……心配です)ハァ
凛「にゃ〜〜……海未ちゃんすぐ怒る!」
花陽「と、とりあえずお茶でも入れよっか」
花陽「多分、真姫ちゃんとことりちゃん。それに希ちゃんもそのうち帰ってくるだろうし」ニコ
凛「そうしようそうしよう!♪」
〜〜 〜出版社 事務所〜
ドタドタ…
ガチャ!!
穂乃果「たいへんだ〜〜!たいへんだ!」
穂乃果「ぅ絵里ちゃん!!!!たいへん!!」ガバ
絵里「……う」ドッ
絵里「ほ、穂乃果…」
絵里「おねがい、あと30分は寝かせて……徹夜張り込み明けなの…」
穂乃果「知ってるよ〜!穂乃果も一緒だったもん!」ユサユサ
穂乃果「それよりっ」
穂乃果「さっきね!コンビニ行ってきたんだけど、通り道の横丁のきったない居酒屋に、いたんだよ!」
絵里「……」
絵里「誰が?」ハァ 穂乃果「お姉さんアイドルの東條希ちゃん!!」ニコニコ
絵里「……」
絵里 (すごい笑顔ね……もう、犬みたい)
絵里「まあ、あの人はよくここらで飲んでるからね」ポリポリ
絵里「眠い…」
穂乃果「えっ!?そうなの?!絵里ちゃん見たことあるの?!」ギョ
絵里「ええ」ムクリ
絵里「穂乃果は報道から移動してきたばかりだから知らないと思うけど、そうよ」
絵里「私もしょっちゅう見かけるし、何ならもはや顔見知りで、あっちは私たちをビビってもいないわ」
絵里「だから、なんのスクープでもないの」クス
穂乃果「ぅえ〜〜〜〜っ!!」ガーン
穂乃果「なぁんだ…すっごく興奮しちゃったよぉ」 穂乃果「話しかけたかったのに、ぐっと堪えて我慢しちゃった」シュン
絵里「はは……」
絵里 (ああ、そう言えば穂乃果はもともとアイドルが好きなんだったっけ)
穂乃果「私もなんかスクープ見つけたいなぁ」
絵里「んー、そこまで焦らなくていいんじゃない?」
穂乃果 (……ここに来てまだ三ヶ月。絵里ちゃんの部下としてやってるけど)
穂乃果 (あんまり役に立ててないような気がするんだよねぇ)
穂乃果(絵里ちゃんとはちっちゃい頃からの仲だけど……)
穂乃果(絵里ちゃんに迷惑ばかりはかけられないよ!)
絵里「…ふゎぁ」
絵里「と言うわけで、寝ていい? 私夜から予定あるのよ」
穂乃果「あれ?そうなの?」
絵里「んーまあ、取材と言うか、ね」
穂乃果「やっぱりまたnico.s関連なの?」
絵里「まあね」 絵里「最近あそこのアイドルやタレントの伸びが凄いから…」
絵里「まあ、狙いどころよね」
穂乃果「ふぅん」
穂乃果「でも、事務所小さいのに凄いよねえ」ニコニコ
穂乃果「あそこの社長さんがまさかあの矢沢にこちゃんだったなんて、すごいよっ」
絵里「…まだまだ好きなのね、アイドル」
穂乃果「うん!それに、にこちゃんはリアルタイムで見てたよ!」グッ
絵里「へえ、そうなの」
絵里 (あそこの社長は中々食えないのよねぇ…)
穂乃果「今は引退してアイドル事務所の社長してるって、すごいなぁ」 絵里「そうね、中々やり手みたいだし」
穂乃果「うんうん♪それに、あそこの事務所には専属の──────」
コンコン
絵里「……?」
穂乃果「ん?」
穂乃果「誰だろう?」テクテク
絵里 (やな予感……)
穂乃果「はーい。どうぞ〜?」
ガチャ
あんじゅ「お疲れ様♡」ニコ
あんじゅ「ちゃーんと仕事してる〜?」
穂乃果「わ!編集長!……お疲れ様です!」
穂乃果 (社長兼編集長の優木あんじゅさん。忙しいから頻繁にはここへ来ないんだけど)
穂乃果(この人もまたやり手なんだよねぇ) あんじゅ「お疲れ様、穂乃果ちゃん♡」
あんじゅ「どう?こっちは慣れた?全然報道と色が違うけど…」
あんじゅ「穂乃果ちゃんにはパパラッチ、案外向いてそうよね♡」クス
穂乃果「あーどうかな?でも、はいっ、おかげさまで」エヘヘ
絵里「……はあ」
絵里 (もう少し……寝たかったのに)
あんじゅ「ん?」チラ
あんじゅ「ちょっと〜絵里はそこでなに寝てるのよ」
絵里「いやいや、徹夜明けなのよっ」
あんじゅ「あらそうなの?お疲れ様」ニコ
絵里「……もう。で、わざわざこっちまで何か用?」 あんじゅ「もう、結構な言いようねぇ。カリカリして睡眠足りてないんじゃない?」ハァ
絵里「だから足りてないんだってば…」
あんじゅ「せっかくちょっとしたネタ仕入れて来たのに♡」フフ
穂乃果「えっ!」
絵里「ネタ?」
あんじゅ「そうそう、小耳に挟んだ程度なんだけど、今のりに乗ってるnico.sの話題よ♡」ニコニコ
穂乃果「!」
絵里「nico.sの誰の話?」
あんじゅ「えーと、ほら、あの…なんて言ったかしら」
絵里「東條希?」
あんじゅ「じゃなくて元超トップアイドルで、今はあそこのデザイン会社の社長やってる」ンー
絵里「……」
穂乃果「!」ハッ 穂乃果「南ことりちゃんだ!」
あんじゅ「そうそう♪」
あんじゅ「なんだか人気俳優と不倫の影ありらしいから、張っておいてもいいかもねって話♡」
穂乃果「えー!そうなの?!」
穂乃果「ことりちゃん……ぴゅあアイドルだったのに……」シュン
あんじゅ「こらこら、私情挟んじゃだめよ〜〜?」
穂乃果「はあい」エヘヘ
あんじゅ「じゃあ、よろしくね♡」ニコリ
穂乃果「絵里ちゃん、いかなきゃ!」チラ
穂乃果「ほらほら、私車出すから!」
絵里「ええ〜……今から行くの?」
絵里「……」
絵里(どうせ私は夜から会う予定だったんだけどね…)
〜〜 〜〜
〜某オフィス街 車内〜
穂乃果「はあ…」
穂乃果「ずっと車で張ってて、もう日も暮れちゃったけど……」モグモグ
穂乃果「南ことりちゃん、でてこないね」
絵里「…」ズコッ
絵里 (のんきにパン食べながら…)
絵里「だから、何のあてもナシに突っ込んだってだめよ」
穂乃果「うう…」
絵里「まず彼女が会社に常駐してるかなんて分からないじゃない」
穂乃果「うーん…確かに」
絵里「だから言ったのに…まあ、可能性がゼロと言うわけでもないんだけどね」
絵里「ま、あんまり怪しいと通報されちゃうから…そろそろ撤収かしら」
穂乃果「そうだよねぇ」シュン
絵里(そもそも穂乃果が張り班を率先してやらなくても…)ハハ 穂乃果「だって、じっとしてるよりは良いのかなって!」グッ
絵里「うーん…」
絵里「確かにそう言うケースもあるけど、無駄足踏むくらいなら少しはあてがあることをした方が建設的じゃない?」クス
絵里「この時間で他のことが出来たかもしれないでしょう?」
絵里(例えば、睡眠とか……ね) ハハ
穂乃果「うーん、そっかあ……だよね」
穂乃果「でも、絵里ちゃんの言うとおりパソコン持ってきておいて良かったよ〜」
絵里「別件、調べられた?記事、まとめられそう?」
穂乃果「うん!!」ニコ
穂乃果 (絵里ちゃんが譲ってくれた仕事なんだよね)
穂乃果 (前の部署だと下調べやデータ集めみたいな雑用しかやらせてもらえなかったから…)
穂乃果(頑張らなきゃなあ…!) 絵里「そう」ニコリ
絵里「穂乃果は明るくて前向きなところが取り柄ねぇ」
絵里「穂乃果が来てからうちの部署もかなり活気がでた気がするし」フフ
穂乃果「えへへ」テレ
穂乃果「……あ、ねえねえ、絵里ちゃん」
絵里「?」
穂乃果「絵里ちゃんは入社してから何年もずっとこの週刊誌の芸能の部署なんだよね」
穂乃果 (芸能ってやりたがる人ほとんどいないんだよね)
穂乃果 (まず大変だし、きついし、人の弱みを追っかけて、人からよく思われない…)
絵里「そうねぇ」ハハ
穂乃果「それって、元々ここを志望してたの?」
絵里「まさか。私は元々文芸をやりたかったのよ」
穂乃果「そうなんだ!…じゃあなんで?」
絵里「……ふふ。さあ、それはあんじゅに聞いてよ」 絵里「……まあでも、誰かがやらなきゃいけないものだしね。それに案外ここまでやってると、それなりにやってて面白いことも見つかるものよ」
穂乃果「そっかぁ」
穂乃果 (なんかすごいなぁ…)
絵里「……だからね、南ことりはまだ穂乃果じゃ手におえる案件じゃない、かな?」
穂乃果「ええ〜…?」
絵里「うーん、彼女は一筋縄じゃいかないからね」クス
穂乃果「え、そうなの?てことは絵里ちゃんくわしいの?」
絵里「ええまあ、もはや本人に直接聞いた方が早いわ。だから、この案件はデビュー当時から張ってる私に任せておきなさい」
穂乃果「おお…直接!……って、じゃあ言ってよ!無駄足だったじゃんほんとに!」
絵里「いや、だって穂乃果が行くって聞かなかったから…」
穂乃果「……うう」
穂乃果 (早まりすぎちゃうクセ、なんとかしなきゃなあ…)
絵里「で、穂乃果は今やらなきゃいけない自分の仕事だけを見ること!」ジッ
穂乃果「ほ、ほい!!」
絵里「うんうん」ニコリ
穂乃果「えへへ」
絵里「……じゃあそろそろ私は時間だから、駅のあたりまで走って、そこ下ろしてもらえる?」
穂乃果「うん、わかったよ」カチャ ブロロロ…
〜〜 〜nico.s専用女子寮前〜
真姫「ここが、寮?」
ことり「うん♪」ニコ
真姫「ふうん…」
真姫 (あの事務所よりは綺麗な建物だし、思ってたよりちゃんとしてる)
真姫 (寮なんて入ったことも見たこともなかったし……)ハァ
ことり「じゃあ入ろっか♪」テクテク
ことり「真姫ちゃんは三階ね。凛ちゃんと花陽ちゃんの部屋もそのフロアだから安心じゃないかな」ガチャ
真姫「あれ? 私が凛たちの知り合いだって、あなた知ってるの?」
ことり「そうだよ〜知ってるよ〜」ニコ
ことり「わたしはここの責任者でもあるから♡」エヘヘ
真姫「そ、そうなの」
真姫 (この人デザイナーだったりなんだかよく分からないわね…何者?) ことり「あ、居間にちらほらいるみたいだね」チラ
ガチャ
凛「あーー!!!!」バタバタ
凛「真姫ちゃん来た!真姫ちゃん!真姫ちゃん真姫ちゃん〜〜!」
凛「久しぶり〜〜」ギュ
真姫「ヴェェ…」ギュウウゥ
真姫「ちょ、ちょっと!」
テクテク
花陽「真姫ちゃん久しぶり」ニコニコ
真姫「は、はなよ……久しぶり……」
ことり「わあ、仲良しだねぇ〜〜♡♡」
ワイワイ
海未「ん?」
海未「何事ですか?」ヒョコ
海未 (ああ、あれが新人の……) 真姫「わ、分かったから、離れなさいっ」
凛「にゃ〜〜…」
凛「だって久しぶりなんだもーん」パッ
凛「真姫ちゃん全然会ってくれなかったし〜」ムス
花陽「まあまあ」アハハ
真姫「……」ハァ ハァ
真姫「と、とりあえず今日からここに世話になるわ」
真姫「……よろしく」
凛「うんうん!」
花陽「よろしくね、真姫ちゃん」ニコ
ことり「うんうん♡」
ことり「あ、それで。こっちがnico.s社員の海未ちゃんだよ」スッ
海未「初めまして、園田海未です。アイドル部門でアイドル東條希のマネージャー担当をしています。宜しくお願い致します」ピシ
海未「明日事務所であなたへ諸々の説明や軽い研修など担当させて頂きますので、何卒」ニコ
真姫「……よ、よろしく。西木野真姫……です」
真姫 (え、この人だけめちゃくちゃ丁寧なんだけど…) ことり「海未ちゃん堅いよ〜」クスクス
ことり「ここはそんなに堅苦しい場所じゃないんだから。そもそも事務所でもないんだしね」ニコ
海未「あ…す、すみません。つい」ペコ
凛「悪い人じゃないから大丈夫だよ真姫ちゃん!粗相すると厳しいけど!」ニャー
海未「それは普通です」
真姫「…」
ことり「ふふ、真姫ちゃんもリラックスリラックス♡」ギュ
真姫「ヴェ、別に緊張とかしてないからっ…//」フイッ
ことり「海未ちゃん♡って読んであげてね」
真姫「ェ……」
真姫 (ここ職場の人間関係フランク過ぎない?)
海未「はい。では私は、真姫で」ニコ
真姫「…」 ことり「あとはみんなで真姫ちゃんに色々寮の説明してあげてね♡」
凛「するする〜〜!真姫ちゃん凛の部屋来てきて〜〜!」
海未「まずは寮の案内ですよ」
花陽「はぁい」ニコ
ことり「あとご飯の時間とか、禁止事項とかもね♪」
真姫 (禁止事項…なんてあるのね)
花陽「あ、ご飯長は私花陽です!」シャキ
凛「かよちんのご飯おいしんだよ〜〜」ニコニコ
真姫「そう」
真姫 (ご飯は当番制ってわけでもないのね…良かった) ホッ
ことり「えーっと…」
ことり「ことりはもう出なきゃなんだけど、他に何か聞きたいことはある?真姫ちゃん」ニコ
真姫「……」
真姫「大丈夫。ありがと」フル
ことり「うんうん♡」
ことり「明日からお仕事も頑張ってね」ニコニコ 海未「まだ仕事ですか?ことりは」
ことり「うん〜そんな感じかなぁ」
ことり (会社の前に怪しい車がいるって連絡が来てたから、うちの会社には戻らない方がいいかなぁ)フム
ことり (それにそろそろ時間だし)
海未「…」
海未 (ことりはちゃんと休めているのでしょうか…)
凛「いそがしそうだにゃぁ…ことりちゃん。久しぶりにことりちゃんもここで食べていけばいいのに!」
花陽「そうだねぇ…」
花陽(アイドルを引退してことりちゃんが寮を出てからもう何年だろう。早いなあ…)
ことり「ごめんね。また、来るね」ニコリ
ことり「それじゃあ、皆よろしくね♡」
〜〜 〜裏通り 横丁 〜
テクテク
穂乃果 (さて、絵里ちゃんを送ってから私も車を置いてきたはいいけど、どうしようかな)
穂乃果「職場戻ると泊まりこんじゃいそうだしなぁ」ウーン
穂乃果「やっぱり家に持ち帰ってやろうかな……」ブツブツ
ガヤガヤ
ワイワイ
穂乃果 (ここ、通る度に焼き鳥やらなんやらで良い匂いするんだよね〜)
穂乃果 (仕切られてないから飲んでる人も見えるえかげで……つい一杯飲みたくなっちゃうし)
穂乃果「って……」
穂乃果「あれ?」ピタ 『ったく、あんた飲み過ぎでしょ!何杯目よそれ』
『だって〜にこっちが来るの遅いからぁ〜〜!』
『仕事だったのよ!あんたにこを何だと思ってんの? すんませんお兄さん、梅割りひとつ』
穂乃果「……」ジーーー
穂乃果「あ……」
穂乃果 (やっぱり!あれって東條希ちゃん?!?!)ビクリ
穂乃果 (穂乃果がさっき見たの夕方だったけど…まだのんでたの…?!?)
テクテク…
穂乃果 (や、やっぱり…綺麗だなぁ。周りのおじさん達はみんな気付いてないみたいだし)
穂乃果 (あれ?しかも隣の人……変装してるけど)
穂乃果「……」
穂乃果「……ま、まさか」ブル
穂乃果(よ、よしっ。入っちゃえ!)
穂乃果 (多分スクープでもなんでもないけど、突撃取材だ!!!) ダッ ガラ
店員「おひとりですかー?奥カウンター大丈夫ですよー」
穂乃果「あ、は、はーい」
穂乃果 (希ちゃんたちと、隣だ……) ドキドキ
にこ「あんたねぇ、いい加減うだうだ悩むのやめなさいよ…ったく」
希「悩んでなんかないもん。もう、やめよっかなあって、ぼやいてるだけ」
にこ「そのあんたの一言がわりと多くの人に影響を与えるんだっての」
希「……」
希「だって…ウチ、もう28やし……こないだ一回り下の後輩アイドルの子に……干支が同じって、言われて……ううううううぅ」グス
にこ「はっ、今更なによ」カタン
にこ「あんたそんなことカケラも気にしてないくせに」
にこ「バレバレだっつーの」ニヤ
希「……」
希「あ、バレた?」ニヤリ
希「おにいさーん!富乃宝山ロックで!!」
店員「はーい!ただいま」 穂乃果(……やっぱり隣にいるのって)
穂乃果(nico.s社長で元アイドルの矢沢にこちゃんだ!!)ドキドキ
穂乃果 (ふわ〜〜…変装してるからわからなかったけど…本物だ、凄い)ドキドキ
穂乃果「…っじゃなくて」コホン
穂乃果(せめてちょっとでも良い情報転がってこないか、耳そばだてておかなきゃ) ススッ
にこ「───アスリートならまだしも、その歳でアイドルを引退する理由にはなんないわね」
にこ「やり直し!」グビ
希「ぷっ。もう〜!いけずやなぁ、にこっちは♡♡」フフフ
にこ「大体やめるやめるっつって何年よ〜?」
希「……むー」
にこ「あんたのいつものやめるやめる詐欺なんじゃないの?」ハァ
希「ちゃうもん」ムス 希「……」
にこ「はあ…」
にこ「あんたは演技も喋りもいけるんだから、にこに任せてくれれば他で生きていく方法だって色々あんのよ?」
希「あらっ、そんな褒めたってなんもでんよ〜♡」ニタ
穂乃果 (辞めるって、引退ってこと?)
穂乃果(今テレビやCMで見ない日はないし、それって結構なネタなんじゃ…)
希「おにいさーん、おかわり下さいっ」
店員「はいはーい」
にこ (ったく何杯目よ!どーせにこに奢らせるくせに…)
にこ「あーもう面倒だからずばり言うけど」グビ
希「…」 にこ「海未ちゃんでしょ」カラン
希「……」グス
希「〜〜!!」
希「もぉ〜〜あの唐変木!!!!」ガタッ
穂乃果 (うぇ?!) ビク
穂乃果 (び、ビックリした……)ハァ
希「ほんっまイヤやぁ〜〜!海未ちゃんっ。にこっちなんとかしてよー!」ギュ
にこ「しらんがな」グビ
希「何年うちが言っても全然気付いてくれへんねんけどなんなん?!あの人!?」
希「好き好きって言うても、『ふざけてないで少しは寝て下さい』とか『私もあなたの楽観的な姿勢は好きですよ』言うんよ?! 信じられるっっ?」
にこ「ぶっ…………たははは!!!」ブッ
希「もう〜〜……」グビ
にこ「はー……笑った」フゥ
にこ「まあ、ジャーマネとアイドルで恋愛されたらそれはそれでこっちも面倒だけど……」
にこ「確かに5年もそんな感じって、心中お察しするわ」ハハ 希「だからな、もういいん」グス
希「うち、アイドル辞めてどっか遠くの島に移り住もうとおもって」グビ
にこ「……あほか」
希「うち、モルディブいく」グビ
にこ「そんなんこっちだって行きたいわ」グビ
にこ(恋愛はご法度……なんて時代でもないし、基本的ににことはアイドルとしての考え方が違うからね)
にこ (面倒な話よね……)ハァ
にこ「とにかく今日はそれ飲んだら帰るわよー」
希「いやや〜〜!」ワー
穂乃果「……」ゴクリ
穂乃果(と、東條希ちゃんの好きな人って、マネージャーさん……なのかな)
穂乃果(良いこと聞いたのかな、これ)
〜〜 〜某高級ホテル 一室〜
絵里「────で、してるの?」
ことり「ん〜?」
ことり「……なにが?♡」ニコ
絵里「……」
絵里「例の俳優と不倫してるんじゃないかって、ネタまわってきてますけど? お嬢さん」クス
ことり「ふふ」クス
ことり「そうだなぁ…来年うちの看板商品のCM起用に、ってお話をさせてもらって」
ことり「ご飯は行ったかな?」ニコ
絵里「へえ」カチャ…
ことり「あー、煙草やめてよぅ」
絵里「ええ…? 一本だけよ」
ことり「じゃあ窓際〜。ベッドではやめて」グイ
絵里「はいはい」ムクリ 絵里「ふうん。ご飯ねぇ……」カチャ
ことり「ふふ♡♡」
ことり「絵里ちゃん、なぁんか不服そうだねぇ」ニコニコ
絵里「…」チラ
絵里「そんな私を見てことりは嬉しそうね」クス
ことり「うん♡」
絵里「……」フーッ
絵里「ま、ことりがそんなのと不倫するメリットもないか」ハァ
ことり「そうだね♡ 商談相手としては見てたけど、不倫相手としては見てなかったかなぁ」クスクス
絵里「ドライねぇ……」
絵里「まあ、そんな小物との不倫ですっぱ抜いても拍子抜けしちゃうから良いんだけど」 絵里「じゃあ、今回のも差し止めってことね」ハァ
ことり「ありがとう絵里ちゃん♡」
ことり「絵里ちゃん、ことりのこと記者になってからずーっと追いかけてきてくれてるもんね♡♡」
絵里「ほんとにね。もう専属パパラッチみたいになっちゃってるわよね」
絵里「なのに全然尻尾すらつかませてくれないから困っちゃうわ」ハァ
ことり「ふふ♡ だって、ことり別にわるいことしてないもん」
ことり「絵里ちゃんみたいに、こうやって何人も一緒にホテルに泊まるお友達がいるってわけでもないしね?」ニコ
絵里「……」フー
絵里「心外ね。もうそんなに遊ぶ気力もなくなってるって言うのに」
ことり「ふうん……♡」
ことり「ことりは別にいいよ? ことりたち、恋人ってわけじゃないんだから」クス
絵里「ふふ」クス 絵里「まあ、私のことはどうでもいいわ。あなたからは色々情報もらえてるし」スッ
ことり「ことりも、色々絵里ちゃんにはお世話になってるしね♡♡」
絵里「……そうね」ジッ
ことり「……」ジッ
ことり「……煙草吸った人とはちゅーしない」グイ
絵里「え?そうなの?」クス
ことり「うん、でも横になら来てもいいよ。おいで絵里ちゃん♡♡」トントン
絵里「……」
絵里「分かったわよ」ハァ
絵里「ことりが一回で満足するなんて珍しいわねぇ」ガサ
ことり「もう、そんな性欲的なこと絵里ちゃんに言われたくないよぅ」ムゥ
絵里「そうね」クスクス ことり「……」ジッ
ことり「絵里ちゃん、最近よく笑うようになったねぇ」
絵里「そう?」
ことり「うん。前より最近、たのしそうだよ」ニコ
絵里「へぇ……」
絵里「そう言えば、最近ひとりで仕事をしなくなったから、かしら」
ことり「そうなの?」
絵里「ええ。楽しいし、笑うことは確かに増えたかもね」
ことり「……」
ことり「ふうん、そっかぁ」
絵里「まあ、相変わらず人に恨まれるようなことしかしてないけどね」ハハ
ことり「うーん、でも。だからこうしてことりは絵里ちゃんと出逢えたんだよ?」ニコ
絵里「ふふ、今日は何だかことりも機嫌がいいわね?」
ことり「そうかな?」ニコ
ことり「ことりも今日、かわいい仲間がひとり増えたからかなぁ♡♡」フフ
絵里「なるほど、私たち記者の獲物が一匹増えたと言う話ね」ニコリ
ことり「ふふふ」
ことり「そうはさせないけどね〜〜♡♡」ギュ
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