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善子「愛しの黒澤ルビィ」 [無断転載禁止]©2ch.net
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2017/09/20(水) 23:57:37.14ID:Ncwylyg80
9月中旬

ルビィ「……」

ルビィ「善子ちゃん……」

ルビィ「(好き……)」

ルビィの大切で大好きなお友達、津島善子ちゃん。

そんな善子ちゃんにルビィは―――お友達としてではなく別の、もう一つの「大好き」って気持ちを抱いてしまっています。
善子ちゃんのお誕生日をお祝いした頃はまだほんのりしたものだったもう一つの「大好き」
でも、最近はそっちの想いばかり大きくなっちゃって……。
善子ちゃんの隣に居ると、ドキドキしちゃってばっかり―――。


ルビィ、どうすればいいのかな……?
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2017/09/20(水) 23:58:16.41ID:Ncwylyg80
◆ルビーに込められたルビィの想い◆

善子「……」

善子「(もうすぐ梨子の誕生日)」

善子「(つまり、ルビィの誕生日もすぐそこ)」

善子「(プレゼントの準備はバッチリ。でも―――)」


ヨハネの誕生日にルビィがくれた指輪を嵌めて眺める。
外出の際につけるのは失くしちゃうのが怖くて、こうしてたまに自室1人で眺めてるの。
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2017/09/20(水) 23:58:47.90ID:Ncwylyg80
鮮やかな紅―――ルビー。

初めてルビーだと認識した時は結構ドキッとしちゃった。どういう意味なのかしら――って。
でも、ルビーは7月の誕生石だということを知って割とアッサリ納得していたの。

けれど、この間気まぐれでルビーの宝石に込められた意味を調べたら―――。
情熱的な愛。美しさをもたらす。その情熱の力で持ち主を危険や災難から守るetc……。

まぁ次々と出てくる意味深な言葉。
宝石にある意味なんて大体こんなものだと思いつつも、ルビィはそこまで考えてこの宝石の指輪をくれたのかなって、嬉しくなっちゃった。
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2017/09/20(水) 23:59:29.15ID:Ncwylyg80
善子「(―――もっと、しっかり祝福してあげたい。ルビィがヨハネにそうしてくれたように)」

ヨハネの大事なリトルデーモン。同時に、大切にしたい盟友。愛しい存在。
そんなルビィに最上級の堕天の祝福を―――って、愛しいって何よ。

待って。今のは言葉の綾。

と、とにかく!ルビィの祝福は人一倍気合い入れてやっちゃうんだから!
そういう話!!
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2017/09/20(水) 23:59:55.41ID:Ncwylyg80
善子「……」

======

ルビィ『―――よっちゃんにありがとうって言って貰えるとね、ルビィのハート、ポカポカするの♡』

======

ヨハネもここ最近ずっと―――ルビィが隣に居ると、胸が暖かくなる。
何なのかしらね。コレ……。
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2017/09/21(木) 00:00:56.70ID:6aOKEVts0
◆誕生日当日◆

ルビィへの謎の感情を整理し切れないまま、あっという間に日にちは過ぎて―――。

9月20日 PM23:57

善子「さ、いよいよね……」

善子「(まずは一番に祝福の電報よ!)」スマホッ

善子「――って、アレ?」

スマホ「……」シーン

善子「は!?何で電源落ちてんの!?いやいや勘弁してってばぁもう!!」
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2017/09/21(木) 00:01:32.37ID:6aOKEVts0
慌てて充電ケーブルを刺しながら電源を入れ直す。

善子「あーーー!!待って!これっ……ルビィの誕生日になっちゃ―――」


21日 AM0:00

善子「あああ〜〜〜〜!!!」


―――
――
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2017/09/21(木) 00:02:06.49ID:6aOKEVts0
AM0:02

善子「(いきなり出端を挫かれたわ……)」

善子「でもま、取り敢えずおめでとうのメッセージ送ろうっと」


ヨハネ『ルビィ、誕生日おめでとう。祝福の言葉を贈るわ!』


善子「……」

―――
――
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2017/09/21(木) 00:02:32.68ID:6aOKEVts0
AM0:15

善子「あははは!コレ寝てるわあの子!」

善子「トーゼンよね!あの子寝るの早いもの!まったく、いい子ちゃんなんだからぁ!もぉ!!」

善子「ヨハネも寝よーっと!」ガバッ

善子「……」

善子「(――ってことはルビィ。ヨハネの誕生日の時は、頑張って起きていてくれたのかな……)」



善子「ルビィ……」

――――――

――――

――
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2017/09/21(木) 00:04:07.30ID:6aOKEVts0
◆翌朝◆

善子「あああああん!!!」トタバタ

善子母「そんなに慌てないの善子。まだ学校に間に合うバスあるでしょう?」

善子「そうだけどっ!そうじゃないのー!!」

何で!?何故!?どうして目覚まし時計の電池が切れてるのよ!?
今日は早めに学校に行って―――せめてルビィより早く到着して、待ち構えていたかったのにぃ!!
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2017/09/21(木) 00:04:29.91ID:6aOKEVts0
善子母「ハイお弁当」

善子「ありがと!行ってきまーす!」ガチャッ

善子母「気を付けて行ってらっしゃいね!」

善子「はーい!」


もう……!もう!待ってなさいよルビィ!!
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2017/09/21(木) 00:06:59.63ID:6aOKEVts0
===

浦の星 1年生教室

ルビィ「……」ソワソワ

花丸「善子ちゃん遅いね」

ルビィ「っ!う、うん……!今日も遅刻ギリギリなのかな?よっちゃんってば仕方ないんだから」

花丸「ふふ。きっとルビィちゃんのお誕生日をお祝いする準備をしているんだよ」

ルビィ「そう、かな……///」
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2017/09/21(木) 00:07:31.92ID:6aOKEVts0
ガラッ

ルビィ「!!」

善子「ハァ……ハァ……!」

ルビィ「よっちゃん……!」パァッ


ルビィ「よっちゃ〜ん!おはよしこっ♡」トテトテ

善子「はー、はー……。ヨハネよぉ!!!」ホッペグサー

ルビィ「むゅー♡」

善子「はぁ〜〜……」
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2017/09/21(木) 00:08:08.56ID:6aOKEVts0
善子「(よしっ――)」


善子「――ルビィ、誕生日おめでとう」

ルビィ「……うんっ!ありがとう!」

ルビィ「メッセージもありがとねっ。朝起きて、とっても幸せだった♡」

善子「そう。なら、良かったわ……」
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2017/09/21(木) 00:08:47.21ID:6aOKEVts0
善子「そうだ。はい、プレゼント。ヘアアクセよ。あなたにきっと似合うと思う」

ルビィ「ふあああっ……!ありがとう。大切にします♡」

善子「えぇ。今度出掛ける時、早速つけて見せて頂戴」

ルビィ「はぁーい♡」


善子「(やっと、決まった……。でも、まだまだこれからよ!)」
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2017/09/21(木) 00:09:20.80ID:6aOKEVts0
◆アンラッキー津島◆

体育

善子「ソフトボールの時間よ!」

ルビィ「千歌ちゃんがものすっごく羨ましそうにこっち見てるねぇ」

花丸「2学期になっても同じ種目だなんて、浦の星はソフトボールが強化科目なのかな……?」


善子「ルビィ見てなさい!あなたにバースデーアーチを贈るわ!」

ルビィ「わぁ、よっちゃん頑張って!がんばルビィ!」

花丸「がんばルビィずら〜」

善子「任せときなさい!」
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2017/09/21(木) 00:10:03.50ID:6aOKEVts0
1打席目 カキーン!

クラスメイト『わぁっ!』パシィ
クラスメイト『あぁっ!津島さん惜しい!ショート真正面!』

善子「くっ……!」


2打席目 キャァァン!!

クラスメイト『行ったー!レフトスタンド――』
クラスメイト『あぁっ!でも、凄い逆風に押し返されて……!』ビュー
クラスメイト『ほっ!』パシッ

善子「ぐぅっ……!」
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2017/09/21(木) 00:10:53.53ID:6aOKEVts0
3打席目 ドカーン!!!!

クラスメイト『真芯で捉えたぁぁ!!文句なーし!!!』
クラスメイト『でもポール際ー!』

体育教師(球審)「あー。際どいけどあれはファールね」

善子「えー!!?」ガーン


ルビィ「よっちゃーん!打ち直し!がんばれー!」

花丸「津島善子の夏はまだ終わらないずらー!」

善子「――!えぇ!見てなさい!!」


カキィン!!

クラスメイト『ひゃあああ!』バシィッ!

善子「」


津島ヨハネ 本日の成績 遊直 左飛 三直
また、守備では飛んでくる打球全てがイレギュラーして、ヨハネはその全てを身体で受け止め処理したわ……。
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2017/09/21(木) 00:11:30.04ID:6aOKEVts0
善子「くぅ……」ボロボロ

ルビィ「よっちゃん大丈夫っ?!しょ、消毒液あるよ?」

善子「悪いわね……。それじゃあ、ここにお願――あいったぁっ!」

ルビィ「あぁっ、ごめんね……。ちょっとガマンしてね」

善子「ぐぅぅ。滲みるぅ……」


善子「(はぁ、何かもう最悪。ヨハネ格好悪……)」シュン…

ルビィ「……」
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2017/09/21(木) 00:12:00.50ID:6aOKEVts0
ルビィ「――ヒットにはならなかったけど、よっちゃん凄い打球ばっかりだったね」

善子「でも、アウトになっちゃ意味無いわよ」

善子「ルビィ、ごめんね。ホームラン打つって宣言したのに……」

ルビィ「気にしなくていいよ。打った時の音なんて、物凄くてビックリしちゃったもん!」

善子「そうかしら……」

ルビィ「そうだよっ。だから、元気出して!」

善子「うん……」



ルビィ「(それに、捕る方だって(痛そうだったけど……)全部アウトにしちゃって―――とっても格好良かったよ。よっちゃん♡)」
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2017/09/21(木) 00:13:04.81ID:6aOKEVts0
◆ランチの使者◆

昼休み

善子「(さぁ昼食の時間よ!)」

善子「(昨日の夜作っておいたアレを――!)」ガサゴソ

善子「(アレ、を……)」ガサゴソ

善子「……」


ルビィ「よっちゃん?」

花丸「ま、まさか……」

善子「うえぇぇ……」グスッ

ルビィ「ああっ!泣かないでよっちゃん!」

花丸「オラののっぽパンをあげるずら!」


善子「違うの……そうじゃないの……(ヨハネの昼食なんてどうでもいい……)」グシグシ

ルビマル「??」

善子「(ルビィにあげたくて作ったのに……何で忘れちゃうのよ……)」
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2017/09/21(木) 00:14:02.05ID:6aOKEVts0
コンコン

善子母「失礼しまぁーす。こんにちは〜」

クラスメイト『えっ?こ、こんにちは……』
クラスメイト『誰かのお母さん?凄い美人』ザワザワ


善子「……えっ!?お母さん!?」

善子母「あ、居た。善子〜」


クラスメイト『津島さんのお母さん!?』
クラスメイト『わー。すっごい納得』
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2017/09/21(木) 00:14:57.90ID:6aOKEVts0
善子「は?え?何で学校来てんの?」タタッ

善子母「はい。これ♪」つタッパー

善子「嘘……どうして?」


クラスメイト『津島さんお弁当忘れちゃってた感じ?』
クラスメイト『よかったねー』


善子母「普段料理しない善子が本を見ながら料理だなんて――まさか自分で食べるためではないだろうし――」

善子母「今日誰か家に呼ぶのかなー?とも思ったけど、タッパーに入っているじゃない?学校に持っていこうとしていたのかしら――って。完全に勘だったけど、どうやら大当たりだったみたいね」

善子「あ、ありがとう……」
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2017/09/21(木) 00:15:39.31ID:6aOKEVts0
善子「でもっ!スマホに連絡くれれば下まで行ったのに!もぉ!!///」

善子母「連絡したわよ?返事無いんだもの」

善子「へっ……?」スマホッ

スマホ「……」シーン

善子「また落ちてた……調子悪いのかしらね……」


善子「とにかくっ!ありがと!本当にありがとう!だからもう帰って!!///」

善子母「はいはい。美味しく食べて貰えるといいわね♪」

善子「うん!!///」
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2017/09/21(木) 00:16:35.96ID:6aOKEVts0
ルビィ「よっちゃん――お弁当、持ってきてもらえたの?」

善子「いやその、お弁当は元々忘れてなかったのよ。忘れちゃっていたのはコレ」

花丸「美味しそうな気配がするずら!なになに〜?」


善子「ルビィ、おめでとう」パカッ

ルビィ「わぁ……!スイートポテトと――」

善子「ニョッキって奴よ。芋料理」

ルビィ「ルビィ、に……?」

善子「勿論。あなたへのプレゼントだもの」

ルビィ「ありがとう……♡」
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2017/09/21(木) 00:17:15.80ID:6aOKEVts0
善子「ほら、食べてみて」

ルビィ「うんっ!」パクッ


ルビィ「〜〜っ!美味しい!」

善子「よかった……。スイポテはデザートでね」

ルビィ「はーい♡」



善子「――で、そこでヨダレ垂らしてるずら丸。あげないなんて言ってないからヨダレを拭きなさい」

花丸「じゅらっ!?」

ルビィ「ふふっ♡」モグモグ


ルビィ「(本当に、とっても美味しい)」

ルビィ「(よっちゃん。ありがとう……♡♡)」
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2017/09/21(木) 00:18:10.86ID:6aOKEVts0
◆自然と不幸に立ち向かえ◆

その後もお祝いしようとするんだけど色々上手く行かなかったりしつつ、気がつけば放課後になっていた―――。


善子「る、ルビィ……。この後の用事は?」ヨロヨロ…

ルビィ「え、えっと……。普通にお家に帰ってご飯かな?お母さんが美味しいお料理作ってくれるって言ってた」

善子「そう。なら、それまでの時間をヨハネにくれない?」

善子「ちょっとだけヨハネの家の近くまで来られないかしら?」

ルビィ「うんっ。もちろんいいよ」
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2017/09/21(木) 00:19:11.08ID:6aOKEVts0
===

バス車内

ルビィ「何かな何かな〜♪」

善子「フフ。決して大したものじゃないけど――楽しみにしてなさい」

ルビィ「はーい」


ポツ……ポツ……バラバラッ

ルビィ「あ、夕立――」

善子「えぇっ!?嘘……困る……」

ルビィ「……雨だと、困っちゃうの?」

善子「……うん」

善子「何でよ……。さっきまで雲こそあったけど、晴れていたじゃない……」

ルビィ「……」
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2017/09/21(木) 00:20:06.72ID:6aOKEVts0
ルビィ「――雨さん。止んでください」キュッ

善子「……。ルビィ……」

ルビィ「大丈夫ですヨハネ様。ここにヨハネ様の幸運のリトルデーモンがおります」

ルビィ「必ずこの雨、ルビィのパワーで止ませてみせますっ」

ルビィ「――なんてね♪」

善子「……」
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2017/09/21(木) 00:20:34.29ID:6aOKEVts0
善子「――ありがとね」ナデナデ

ルビィ「んっ♡」ドキッ

ルビィ「えへへ♡」


善子「――でも、ルビィだけに頼ってはいけないわ。雨よ……止みなさい。止みなさい!」キッ

善子「(お願い、止んで……。それに止むだけじゃダメ……。雲も晴れて……!)」


ヨハネの祈りと、ルビィの幸運の力が通じたのか―――。
夕立はすぐに止み、みるみるうちに雲も晴れていった。

まぁ、比重はルビィの方が9割方って所でしょうけど。
いいのよ、そんなことはどうでも。これなら―――。
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2017/09/21(木) 00:21:20.77ID:6aOKEVts0
◆不意◆

善子「着いた――」

ルビィ「わあぁぁ!綺麗な夕陽……」

善子「ヨハネの家からは近所だから、別に珍しくもないけど――綺麗な夕焼けスポットでしょう?」

ルビィ「うん――。ありがとう、よっちゃん……」
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2017/09/21(木) 00:22:00.22ID:6aOKEVts0
そのまま暫く夕陽を眺める2人。

ルビィ「(……。こんな綺麗な夕陽を、よっちゃんの隣で見られるなんて――)」

ルビィ「(うぅ…。心臓がドキドキしちゃって止まらない……///)」



善子「(どうしてだろう)」

善子「(何故ルビィが隣に居ると、こんなに胸が暖かくなるんだろう)」

善子「(落ち着くのに、落ち着かない……)」
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2017/09/21(木) 00:22:28.64ID:6aOKEVts0
ルビィ「――何だか、よっちゃんのお誕生日を思い出しちゃうね」

善子「そうね……。今日はあの時のルビィみたいに、もっとスマートにお祝いしてあげたかったのだけど――」

ルビィ「えへへっ。一生懸命よっちゃんがお祝いしてくれて――ルビィすごく、すっごく嬉しかったよ!!」

善子「そっか。なら、まぁ……よかったかな……」


善子「ホッ……」
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2017/09/21(木) 00:35:39.00ID:bhM4RArqd
そう一息つき、夕陽を浴びるよっちゃんの横顔が、とても綺麗で、格好良くてーーー。

頑張ってルビィのことをお祝いしてくれたことが本当に嬉しくてーーー。

ルビィは、そんなよっちゃんのことがーーー。
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2017/09/21(木) 00:40:12.58ID:bhM4RArqd
ルビィ「好きだよ。よっちゃん」




善子「……」

ルビィ「……ぁ」

善子「……」

ルビィ「あの、ぇっと……今のは……あ、あぁっ……」
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2017/09/21(木) 00:42:08.28ID:bhM4RArqd
◆溢れる想いと涙◆

ルビィからの「好き」だなんて言葉、今までいくらでも受けてきた。

でも、今の「好き」は―――まるで愛の告白のような想いが込められているようにしか聞こえなくて……。


善子「ルビィ……」

ルビィ「あっ、あのっ!今のはちが……わない!!違わないんだけど、その……」
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2017/09/21(木) 00:50:40.69ID:bhM4RArqd
ルビィ「う、ううぅ……」

ルビィ「ふえっ……。う……あぁ……」ポロポロ…
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2017/09/21(木) 00:51:59.32ID:bhM4RArqd
ルビィ「(このままでよかったのに……)」

ルビィ「(お友達のままでーーマルちゃんと一緒に3人で、よっちゃんの隣に居られれば、それだけで十分幸せだったのに……)」
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2017/09/21(木) 00:54:17.17ID:bhM4RArqd
ルビィ「(言っちゃいけなかったのに……言っちゃった……)」

ルビィ「(止められ、なかった……)」

ルビィ「(どうしよう。どうしよぉ……)」




ルビィ「うぅ……。うううぅぅ……!!」

善子「ルビィ……」
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2017/09/21(木) 00:56:37.46ID:bhM4RArqd
◆問いかけと自覚◆

大切な盟友が、リトルデーモンが泣いている。
ヨハネに「好き」と言う言葉を投げかけて、泣いている……。
身体をうずくまらせてしまい、今はもう表情も伺えない。返事も、とても出来なさそう―――。


ねぇ。その涙は、何の涙なの?後悔の涙?
今の言葉は、あなたの中に永遠に秘めておかなければならなかった言葉だとでも言うの?

つまり、そういうことなの?
あなたはヨハネに、そういう想いを抱いてしまっていたの……?
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2017/09/21(木) 00:58:43.89ID:bhM4RArqd
善子「ルビィ……」

ルビィ「ひっぐ……うっ、うぅぅ……」


泣かないでよ……。

あなたの泣き顔なんて、見たくない。あなたは笑顔が一番可愛くて、素敵なのよ?
眉毛を下げて困ったような表情も好きだけど―――って、今はそうじゃなくて……。

あなたの泣き顔ほど、見ていて辛いものなんて無いわ。

だからーーー。
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2017/09/21(木) 01:01:40.87ID:bhM4RArqd
……。

どうして、こんなに辛いと感じてしまうの……。
ヨハネにとって、ルビィが大切な存在だから?


―――そもそも、ヨハネにとってルビィって何よ。

大切な友、でしょう?盟友でしょう?

だから、今日この子の誕生日を最高のものにしてあげたかった。
笑って欲しかった。
ヨハネの不幸のせいで、上手く行かなかったり、全然格好付かなかったけど―――。
それでも嬉しそうな顔を見せてくれたのが、ヨハネも同じようにとても嬉しかった。
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2017/09/21(木) 01:03:10.44ID:bhM4RArqd
今だってこうして、ルビィと並んで夕陽を眺めていて凄くドキドキして―――。

違う。ドキドキじゃないわ。胸が暖かくなったの。
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2017/09/21(木) 01:04:10.82ID:bhM4RArqd
そうよ。最近はルビィと一緒に居るのが最高に楽しくて、安心出来て……。


ちょっとだけでいいから、手を繋ぎたいって思ったり―――。
してない。そんなこと思ってないわ。


ずっと隣に居てくれたらいいのになって思っただけよ。
……あれ?
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2017/09/21(木) 01:07:25.85ID:bhM4RArqd
と、とにかくっ!
最高の誕生日のために、あともう一つプレゼントだって用意してあるの。

これは少しだけお金が必要なものだったから、色々頑張ったわ。
両親に頼んで、自分の身の回りのものも売って、皆には内緒にしていたけど―――アルバイトだってこの2ヶ月間頑張ったの。


……。

―――何で、こんなに頑張ったの?
頑張ることが出来たの……?
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2017/09/21(木) 01:14:04.21ID:bhM4RArqd
……。

これじゃ、まるで―――。



善子ちゃん。

待って。待ってよルビィ。
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2017/09/21(木) 01:14:53.18ID:bhM4RArqd
ヨハネちゃん。

嘘でしょう。そうなの……?
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2017/09/21(木) 01:15:48.48ID:bhM4RArqd
ヨハネ様♡

ヨハネも……ルビィと同じ……。
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2017/09/21(木) 01:17:55.32ID:bhM4RArqd
よっちゃん。

同じ、気持ちだって言うの……?
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2017/09/21(木) 01:18:44.73ID:bhM4RArqd
善子ちゃん。

……。


善子ちゃんっ♡
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2017/09/21(木) 01:20:03.77ID:bhM4RArqd
善子「――そっか。そうだわ。そうだったんだ……」


善子「何てことよ……///」


自分の気持ちを理解したその瞬間―――。
一気に顔が火照り、全身が熱くなった……。
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2017/09/21(木) 01:23:19.87ID:bhM4RArqd
◆答え◆

ルビィ「すん……。はぁ、はぁっ……!」

ルビィ「(泣いて、ばっかりじゃ……ダメっ!)」

ルビィ「(このまま泣いてたら、よっちゃんとお友達のままでもいられなくなっちゃう……!)」


ルビィ「よっちゃ……!」

善子「る、ルビィ……///」ジッ

ルビィ「うっ。うぅ……」タジ…

ルビィ「(でも、どうしたら―――)」
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2017/09/21(木) 01:25:02.09ID:bhM4RArqd
善子「(ルビィ……)」


どうしよう。ルビィの顔から、目が離せない。
さっきまでとは全く違う子のように見える。勿論ルビィの顔が変化した訳は無くて―――。
ヨハネの、見る目が完全に変わってしまっただけ……。
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2017/09/21(木) 01:27:13.48ID:bhM4RArqd
善子「ルビィ」

ルビィ「は、はい……」


―――しなくちゃ。
さっきのルビィの言葉に、返事をするのよ。ヨハネ。
未だに泣いているこの子の求めている返事を、今のヨハネはしようとしている。
なのに……。こんなに緊張するものなのね……。

不意に漏れてしまった言葉だったのかもしれないけど、それでも言葉に出すことが出来たルビィーーーあなたは凄いわ。
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2017/09/21(木) 01:30:20.81ID:bhM4RArqd
善子「さっきの言葉への返事、してもいい?」

ルビィ「――っ!!」

ルビィ「は、はい……」


ルビィ「あの、よっちゃん……」

ルビィ「す、き……です。だいすき……ですっ……!!」


最後の勇気を振り絞ったルビィの改めての告白。

唇が震えてしまってこそいるけれど……。
やっぱりあなたはここ一番、芯の強さを見せる勇気のある子ね―――。
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2017/09/21(木) 01:31:00.42ID:6aOKEVts0
善子「……///」スゥ、ハァ…


ルビィの顔を見つめ、改めて想う。

ルビィ……。
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2017/09/21(木) 01:31:34.36ID:6aOKEVts0
ヨハネは、ルビィのことが―――。

不幸な堕天使ヨハネを格好良いと言ってくれたルビィ。
私を受け入れてくれたルビィ。
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2017/09/21(木) 01:32:03.74ID:6aOKEVts0
津島ヨハネは、黒澤ルビィのことが―――。

怖がりで苦手なものも多いけど、ヨハネと一緒ならと付き合ってくれるルビィ。
私と一緒に居て楽しいと言ってくれるルビィ。
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2017/09/21(木) 01:32:33.83ID:6aOKEVts0
私は、あなたのことが―――。

私とは好みが一致する所もあれば、全然正反対だったり。
でも、それが妙に心地よくて―――。
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2017/09/21(木) 01:33:11.78ID:6aOKEVts0
私は―――。

女の子らしく可愛くて、守ってあげたくなっちゃって。
かと思えばハッとさせられる強さも持っていて、隣に居てくれると……愛おしくて堪らないと思ってしまうあなたのことを―――。



津島善子は―――!
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2017/09/21(木) 01:33:44.63ID:6aOKEVts0
善子「私も、あなたのことが好き」


善子「ルビィ。どうか私と、恋人になって欲しい」
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2017/09/21(木) 01:34:17.15ID:6aOKEVts0
ルビィ「……」

ルビィ「ふぇ」

ルビィ「えっ、えぇっ……。あっ……ふあ、あぁっ」ポロッ


私の言葉を理解したルビィは、大粒の涙を零しながら―――。


ルビィ「ふぇっ。えへっ……えへへ」


顔を真っ赤にして、笑ってくれた―――。
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2017/09/21(木) 01:35:19.40ID:6aOKEVts0
ルビィ「いい、の……?本当にルビィでいいのっ……?」

善子「あなただからいいの。あなたじゃなきゃ、駄目なの」


ルビィ「よっちゃ……!うっ……善子ちゃあああん!!!」


私の胸に飛び込み、喜びの涙を流すルビィ。
彼女の背中を撫でるように、彼女を包み込むように、そっと、抱きしめた―――。

―――

――

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2017/09/21(木) 01:36:09.19ID:6aOKEVts0
◆最後のプレゼント◆

善子「――落ち着いた?」

ルビィ「うん」

善子「……」ナデナデ


善子「それじゃあ……。はい、最後のプレゼント」

ルビィ「あ、入れ物……」

善子「真似っこでごめんなさいね」

善子「開けてみて」


ルビィ「……」コクリ
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2017/09/21(木) 01:37:12.96ID:6aOKEVts0
ルビィに入れ物の箱を開けてもらう。
姿を現したのは、グリーンサファイアの指輪。

9月の誕生石であるサファイアと、あなたの瞳の色にかけて―――。
意味はとても深い愛の強さ。それとあなただけの力を引き出す。夢を叶える。まぁその他色々よ。
とにかく素敵な宝石でしょう?絶対に効果あるんだからっ!


善子「綺麗でしょう?」

ルビィ「うん……。感激しちゃって、なんか、なにも言葉が出せないよぉ……」

ルビィ「た、高かったよね……?この指輪……」

善子「ん゛ん゛っ。それについては答えないわ。言うに及ぶ所じゃないもの。触れないで」

ルビィ「よっちゃぁぁん……」

ルビィ「ありがとう。本当にありがとう……」
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2017/09/21(木) 01:39:14.41ID:6aOKEVts0
善子「嵌めてみて、いい?」

ルビィ「……///」コクン


ルビィの了承を得て、指輪を彼女の薬指に嵌める。
え?どっちの手かって?フフ。ナイショ♡

そして、普段は失くすのが怖くて仕方ないのだけど、今日だけはと持ってきた―――ルビィから貰った大切な指輪も取り出して、自分の薬指に嵌める―――。


ルビィ「ピッタリ……」

善子「あなたがくれたこの指輪もね、薬指にサイズがピッタリだったのよ。でも、偶然だったかしら?」

ルビィ「うん……。ごめんね?」

善子「フフッ、いいのよ」

善子「でも、ヨハネの方はバッチリ調べさせて貰ったわ」

ルビィ「えぇっ。いつの間に……」

善子「フフ、なーいしょ♡」
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2017/09/21(木) 01:40:19.23ID:6aOKEVts0
善子「それとね。グリーンサファイアって悪運を祓ってくれる効果もあるんだって」

善子「だから、その……。これからも私のこと、隣に居て守ってくれる?」


照れ臭くて、ちょっとだけ悪戯っぽく笑いながらそんなことを口走る。
でも、そんな言葉に対しても彼女は当たり前のように―――

ルビィ「もちろんっ!!!」

―――そう答えてくれた。


ルビィ「えへへ……♡」ギュッ

善子「ルビィ……♡」ギュッ


自然とお互いに手を繋ぎ、肩を寄せ合い、暫く夕陽を眺めていた―――。
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2017/09/21(木) 01:41:50.81ID:6aOKEVts0
◆全部◆

善子「……そろそろ帰らないと夕食の時間になってしまうわね」

ルビィ「お別れ、寂しいなぁ……」

善子「また、明日会えるわ」

ルビィ「うん……♡」


善子「あー……。あの、さ」

ルビィ「なぁに?」

善子「ヨハネの、どこを好きになってくれたの……?」

ルビィ「全部」

善子「全部って……」

ルビィ「あのね、ルビィは善子ちゃんも、ヨハネちゃんも、よっちゃんも――どんな津島善子ちゃんのことも全部、ぜーんぶ!大好きっ!」

ルビィ「ぜんぶなの。全部、大好きなんだぁ……♡」ギュッ…

善子「……」

善子「そっか……。ありがとう」ギュッ

ルビィ「えへへ……♡」


善子「(全部、か――)」

善子「(不幸な私も含めて、全部……)」
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2017/09/21(木) 01:43:34.34ID:6aOKEVts0
善子「ルビィ!」

ルビィ「は、はいっ!」


善子「今日からヨハネとルビィは!愛の契約を結ん――」

ルビィ「……?」

善子「……ゴメン。ついクセで出ちゃったわ」コホン


善子「今日から私――津島善子――とあなた――黒澤ルビィ――は、恋人同士」

善子「えっと、その……。こ、これからもよろしくねっ!///」ズイッ


そんな最後まで締まらない私の、不格好な台詞と共に差し出した手を―――。


ルビィ「はい。よろしくお願いします……♡」ギュ…


両手で優しく包んでくれる、ルビィだった。
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2017/09/21(木) 01:44:19.32ID:6aOKEVts0
◆最後の最後◆

ルビィ「あっ――。バス、見えてきちゃった」

ルビィ「あれに乗れるといい感じだから、ルビィ行くね……」

善子「……」

ルビィ「よっちゃん。ばいば――」


善子「ね、ねえっ!!!」

ルビィ「!」

ルビィ「なぁに?」
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2017/09/21(木) 01:44:56.40ID:6aOKEVts0
善子「いいの!?これだけで、本当にいいの!?」

ルビィ「う、うん……」

ルビィ「想いが伝わって、通じ合って。抱きしめて貰って。指輪もつけて貰って――」

ルビィ「ルビィもう幸せ過ぎて、死んじゃいそう♡♡♡」


善子「で、でもねっ!今日はあなたの16歳の誕生日っ。私とあなたの関係が新しいものになった日!それは今日だけで、今だけなのっ!」

善子「ほ、本当にこれ以上何も要らないの!?やり残したこと、何もない!?」
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2017/09/21(木) 01:46:43.06ID:6aOKEVts0
ルビィ「……っ///」


思わず呼び止めてしまい、気が付いたら口にしていた言葉。
それを耳にしたルビィの顔に再び、紅みが帯びた―――。


ルビィ「……」トテトテ

バスに向かっていた歩みを止め、踵を返すルビィ。
トテトテと、効果音が聞こえるかのような可愛い足取りでこちらに向かってくる。


ルビィ「……///」

ルビィ「今日の最後にお願い……」

ルビィ「善子ちゃんに、して欲しいことがあるの」

ルビィ「ワガママ、言っていい……?」

善子「えぇ、勿論」
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2017/09/21(木) 01:48:09.60ID:6aOKEVts0
ルビィ「キス、して……?」


善子「……」

善子「分かったわ――」


そう答えると、自分でも驚くほどスムーズにルビィの顔へ手が伸びた。
そっと、壊れないようにルビィの頬に手を添え、少しずつ顔を近付けて―――。

ルビィ「――っ///」

キュッと目を瞑ってしまった彼女を愛しく思いながら、ゆっくりと―――。


人生初めての、キスをした。


―――

――

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2017/09/21(木) 01:49:01.86ID:6aOKEVts0
◆その夜◆

ピロン

ヨハネ『明日、早く来る?』

ルビィ『わかんない。今日眠れそうにないもん……』

ヨハネ『フフ、遅刻はダメよ?』

ルビィ『うんっ。がんばる!』

ヨハネ『目を閉じていれば自然と眠れるわ。お休み』

ルビィ『おやすみ〜』
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2017/09/21(木) 01:50:50.46ID:6aOKEVts0
ルビィ『あっ』

ヨハネ『?』


ルビィ『あのね。今日は本当にありがとう♡』

ルビィ『ルビィ、よっちゃんのことだーいすきだよっ♡♡』

ルビィ『明日からも、よろしくねっ♡♡♡』


ヨハネ『フフフ♡ 私も愛してるわルビィ♡』

ヨハネ『こちらこそ、ありがとう。改めて、お休みなさい♡』

ルビィ『はーい。おやすみなさい♡』
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2017/09/21(木) 01:52:12.33ID:6aOKEVts0
よしルビ「……」

よしルビ「ふふっ。えへへ……♡」ゴロゴロ

よしルビ「幸せ……♡♡」


善子「あ――そう言えばスマホの調子、すっかり良くなったわね。何のよ、まったく……」クスッ


善子「……」


===

そんな幸せな気分に浸りながら―――でも同時に、目まぐるしく胸の中を巡る思いがあった。
ルビィと恋人として付き合うことの意味。

その夜は――幸せな気持ちと、そのことで一杯になってしまった。

そして、次にするべきことを少しずつ整理しながら考えて……夜は更けていった―――。
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2017/09/21(木) 01:53:14.72ID:6aOKEVts0
◆もう1人の盟友へ◆

翌朝 浦の星 屋上


善子「――来たわね。おはよう」

花丸「おはよう善子ちゃん」

花丸「何だか練習以外で屋上に呼び出されるなんて――さながら決闘のようずら。覚悟は出来てるずらぁぁ……!」コォォォ

善子「まぁ、あながち間違ってはいないかもね……」

花丸「ほう」
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2017/09/21(木) 01:54:19.21ID:6aOKEVts0
善子「あのね――」

善子「ルビィと私、付き合うことになった。恋人に、なったの」

花丸「……」

善子「まずアンタにだけは、言っておこうと思って……」

花丸「……そっか」

花丸「おめでとう」ニコッ
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2017/09/21(木) 01:55:22.73ID:6aOKEVts0
善子「……怒ったり、しないの?」

花丸「善子ちゃんにはマルの器はそんなに小さいと思われてしまっているのかな?心外ずら」

善子「だって……」

花丸「2人のこと、一番近くで見てたんだよ?何となくだけど、2人がそういう関係になるかもって、ずっと思ってたずら」

善子「ずら丸……」

花丸「だからオラはお祝いするよ。ふふ、2人はとってもお似合いだもん」

花丸「性格?相性?波長?とにかく妙に良いもんね〜♪」

善子「ありがとう……」
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2017/09/21(木) 01:56:18.34ID:6aOKEVts0
花丸「でもね――」

善子「――えぇ。アンタが言いたいこと位、分かってる」

花丸「……そうだね。きっと、永遠にその関係ではいられないと思うよ」

花丸「長女であるダイヤちゃんが居るとは言え、ルビィちゃんも黒澤家の大切な一員ずら」

花丸「女の子同士でお付き合いと言うのは――認めて貰えるか……」

善子「やっぱり、そう、よね……。昨晩もそんなことばっかり考えちゃった」

善子「いざ自分以外の口から言われると、実感が湧くと言うか――」

善子「永遠なんて、無理よね……」

花丸「だからこそだよ。今この瞬間を全力で臨んで、ルビィちゃんに最高の笑顔で過ごして欲しい」

善子「分かっているわ」
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2017/09/21(木) 01:57:16.11ID:6aOKEVts0
善子「勿論、そこにはずら丸。アンタにも居て欲しいわよ?」

花丸「はー。なーに綺麗事言ってるでぇー?」

善子「(ガチ甲州弁……)」

花丸「イチャイチャしたい時は好きにすればいいずら。お邪魔虫は空気を読みますよーだ」

善子「言い方……」

花丸「と言うかね。マルもルビィちゃんのこと大好きだよ。勿論友達としてだけど。善子ちゃんに取られちゃって悔しいずら」

善子「ぐぬ……」

花丸「だから、1分間だけ善子ちゃんのこと好きにさせて欲しい」

善子「――えぇ、元よりそのつもりで呼び出したのよ。何でも来なさい。受け止めてやるわ」

花丸「ふむ。それでは――」
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2017/09/21(木) 01:58:54.37ID:6aOKEVts0
花丸「えいっ」


ワシッ


善子「へ」

花丸「うりゃああああああああああ!!!」モミモミワシワシモミモミモミミモリン

善子「ひゃああああああああ!!む、胸ええええええ!?」

花丸「くーらーえーーーー!!!」

善子「ぎゃー!!!ああっ!やめっ、ひゃああん!!いいっ!あうぅ……にゃあああああ!!!」

―――

――

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2017/09/21(木) 02:01:24.18ID:6aOKEVts0
花丸「はぁ……はぁ……」

善子「はっ、ハァ……ハァ……///」

善子「う……ううううぅぅぅ///」

善子「ルビィ……ごめん。ごめんんん……!!///」


花丸「はー……触り甲斐の無いお胸だったずら……」

善子「なぁっ!?」ガビーン

花丸「でも、ちょっとだけスッキリしたずら。満足」

善子「くぅぅ……!でも、これで、認めてくれる……?」

花丸「マルは、ね。――ダイヤちゃんとか、どうするの?」

善子「馬鹿正直に話そうものならどうなってしまうやら……」

花丸「ルビィちゃんは勿論、ダイヤちゃんのことも泣かせたりしたらマルは承知しないずら」

善子「分かってるわよぉ……もぉ……」
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2017/09/21(木) 02:03:37.91ID:6aOKEVts0
花丸「ふふふ。なんてね。マルも相談に乗るし、協力もするよ♪」

善子「ずら丸……。ありがとね」

花丸「ルビィちゃんも善子ちゃんも、大切な親友だもの。当然だよっ!」

善子「うん……」


花丸「善子ちゃんは、ルビィちゃんのことを笑顔に出来るように一生懸命でいればいいんだよ!」

善子「えぇ――。時間が許す限り、あの子の隣に居て……。例え関係が変わったって、あの子には笑っていて欲しい」

善子「それだけよ……」

花丸「それでいいと思うよ。正しく愛ずら」


善子「愛、か……」

善子「(私の誕生日の時に、自分でルビィに言ったんだっけ――)」

善子「(でも、シンプルで良いわよね。愛……)」
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2017/09/21(木) 02:07:15.14ID:6aOKEVts0
◆再会と誓い◆

花丸「さて、と。もう少しで朝の会の時間ずら」

善子「ダサいからホームルームって言いなさいよ……」

花丸「マルは横文字になんて呑まれないずら。――ルビィちゃんも来ていると思うし、早く教室行こう?」

善子「そうね」

ガチャン

ルビィ「あっ!マルちゃんとよっちゃん居た〜!」

善子「ルビィ……!」

花丸「ルビィちゃんおはよう〜!そしておめでとう〜♪」

ルビィ「おはよう……/// うん……♡」

花丸「ふふふ。オラは先に行ってるね。2人はごゆっくりどうぞ〜♪」タタタ
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2017/09/21(木) 02:10:14.80ID:6aOKEVts0
ルビィ「気を遣われちゃったね……///」

善子「まったく、ずら丸の奴……」


善子「――おはよ。ルビィ」

ルビィ「おはよう。よっちゃん♡」


善子「……ルビィのこと言えないけど、流石に指輪はつけてきてないわね」

ルビィ「うん。大切にお部屋に置いてあります。それに――」

善子「?」

ルビィ「指輪を眺めていて思ったんだけど……。どっちの瞳の中にも、贈られた宝石があるから――大丈夫かなって♡」

善子「――あぁ、お互いの瞳の色……。上手いこと言うじゃない」

ルビィ「えへへ♡」
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2017/09/21(木) 02:11:30.07ID:6aOKEVts0
善子「それに、学校でつけたりしたら思いっ切りバレちゃうものね」

ルビィ「やっぱり、皆に気付かれちゃうのは、ダメ……?」

善子「もう暫くは、ナイショにしておきましょうか」

ルビィ「うん……」


善子「でもね――」スッ

ルビィ「あ……♡」

善子「ま、手を繋ぐ位なら、ねっ?」

ルビィ「うん……♡」ギュー

善子「ってコラコラ!腕に抱きつかない!」

ルビィ「ダメ……?」ジィッ…

善子「コラコラコラ!可愛いからそんな目で見ないで!!」

ルビィ「ふふっ♡」

善子「もぉ……♡」
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2017/09/21(木) 02:12:14.74ID:6aOKEVts0
ルビィ「善子ちゃん。だーいすき♡」

善子「ヨハ――私も、ルビィのこと大好きよ♡」

ルビィ「ルビィの方が大好きだもん!」

善子「あら、負けられないわね♪」

ルビィ「負けないよー?」

善子「ふふっ……♡」

ルビィ「えへへっ♡」
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2017/09/21(木) 02:14:01.94ID:6aOKEVts0
この子と一緒に居たい。隣に居たい。その想いだけで過ごせるのは―――きっと、今この瞬間だけ。
何だか、スクールアイドルに通じるものがあるわね。

でもね、例えこの関係でいられる時間に終わりが来ても、私とルビィの絆は切れないわ。
関係が変わってしまおうと、この子の可愛い笑顔だけは永遠に守ってみせる。
そんなの、いくらでもやりようがあるでしょう?

そうね、これこそヨハネとルビィの、愛の契約ってところかしら?
―――なんてね。
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2017/09/21(木) 02:17:58.57ID:6aOKEVts0
これはただの、津島善子から黒澤ルビィへの―――愛。
ただ、それだけ。
でも、この愛は、ルビィからも返してくれるもので―――そうそうヤワなものではないんだからっ!
フフッ♡ これからのルビィと私の愛、見ていて頂戴ねっ♡


だから、これからもよろしくね―――。

愛しの黒澤ルビィ。


―終―
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2017/09/21(木) 02:18:29.85ID:6aOKEVts0
おまけ

部室

千歌「――あのさ。ルビィちゃんと善子ちゃんって何?お付き合いでも始めたの?」

善子「えっ」 `¶cリ;˘ヮ˚ル

ルビィ「え」 ⌒°(;・ω・)° ⌒

|c||^.-^|| !?
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2017/09/21(木) 02:19:04.77ID:6aOKEVts0
善子「なななななな何を言ってるのよ千歌」

ルビィ「そっ、そそそそうだよ千歌ちゃんっ」

梨子「んー……でも、その……」

曜「2人とも最近明らかに距離が近いって言うか、イチャイチャしてると言うか――」

果南「ちょいちょいハグしてるのを見かけるね。もう少し場所を選ぶ必要があるかな〜?」

鞠莉「もう〜♡ 2人ともダイタンなんだから〜♡」

花丸「はぁ……」



よしルビ「……。あはは……」

あっという間に、バレちゃった♡
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2017/09/21(木) 02:21:34.37ID:6aOKEVts0
ダイヤ「ふふふ……。ルビィ。善子さん。今の話は本当なのかしら……?」ユラァ…

善子「ぎゃー」

ルビィ「おねぃちゃぁ……!そ、そのっ……!」

ダイヤ「今!すぐ!!説明なさあああああい!!!!」 |c||>.□<||

よしルビ「きゃあああああ!」

善子「ルビィ!一旦逃げるわよ!!」

ルビィ「は、はいっ!ヨハネ様ぁ!!」
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2017/09/21(木) 02:22:43.53ID:6aOKEVts0
善子「善子でいいわよっ!!」

ルビィ「え、えええっ!!?」

善子「ふふっ♡ 勿論ルビィ限定なんだからっ!」

ルビィ「……!うんっ!善子ちゃんっ♡」

善子「さあっ!逃げるわよー!走れー!」

ルビィ「はーい!」

ダイヤ「コラァ!説明なさいって言っているでしょう!?廊下を走らない!!」


よしルビ「きゃー♡」`¶cリ>ヮ<ル ⌒°( >ω<)° ⌒


フフ♡
早速前途多難じゃない!もうやんなっちゃう!

でも、
善子ちゃんと―――
ルビィと一緒なら―――!!


―Fin―
0100|c||σ.-σ||(家)@無断転載は禁止 (ワッチョイ a72f-UCJm)
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2017/09/21(木) 02:25:00.34ID:6aOKEVts0
|c||σ.-σ|| まず初めに、途中規制されてしまったことでgdgdしてしまいました。申し訳ございません。

|c||σ.-σ|| それでも読んで下さった方、お礼申し上げますわ。失礼致します。


|c||σ.-σ|| ルビィ。お誕生日、おめでとう。
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