穂乃果「今回は「夏休み」かぁ…」 [無断転載禁止]©2ch.net
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穂乃果「う〜ん…うう〜ん…」
ガチャ
希「お疲れさん――ってあれ?穂乃果ちゃんだけ?」
にこ「珍しいわね、アンタがひとりなんて」
穂乃果「うう〜ん…」
希「…穂乃果ちゃんどうしたん?」
穂乃果「あ!希ちゃん、にこちゃん。いつの間に?」
にこ「今よ、い・ま。そんなことよりどうしたのよ?さっきからうんうん唸ってるけど」
希「何か困ってるなら相談のるよ〜?」
穂乃果「いやぁ、困ってるってわけじゃないんだけど…ちょっとだけ悩んでて…」エヘヘ… にこ「悩みぃ〜?穂乃果がぁ〜?」
穂乃果「あー!にこちゃん、穂乃果のことバカにしてない?!」
にこ「…いい?穂乃果。この世には「バカの考え休みにまったり」という言葉があってね?」
にこ「アタマの悪いヤツはどんなに考えても休みの日にまったりしてる程度にしか頭が働かないのよ」
にこ「だからアンタみたいなのは考えるだけムダムダなの!」
穂乃果「うっ…!なんかにこちゃんが賢そうなこと言ってる…!」
にこ「ほーっほっほっほ!見直したかしら?崇めなさい崇めなさい!にこは最上級生なのよ!ほーっほっほっほ!」
穂乃果「くぅ〜っ!おバカの仲間だと思ってたのに…このうらぎりものー!」
希「……正しくは「下手の考え休むに似たり」やね」 希「まあまあにこっち、とりあえず何を悩んでるのか聞いてみようやん?」
にこ「そうね。「三人寄れば官女の知恵」っていうし、穂乃果ひとりで考えるよりずっとマシよねー?」フフン
穂乃果「むぅ〜!なんで今日のにこちゃんはそんなに賢いのさー!」
希「それをいうなら文珠の知恵やろ…官女ってお世話係やん」
にこ「!!」
穂乃果「へぇ〜そうなんだぁ〜ふぅ〜ん」チラッ
にこ「」メソラシ
穂乃果「にーこちゃん♪」
にこ「な、なによ…?」
穂乃果「知ったかって…恥ずかしいよねー♪」ププー
にこ「う、うるさいっ!」///
希「まだ本題に入らんの…?」 穂乃果「さーって、にこちゃんの化けの皮がはがれたところで!」
にこ「化けの皮ってなによ!」
希「まあまあにこっち、そろそろ穂乃果ちゃんの話をきいてみようやん?」ワキワキ
にこ「ぅ…わ、わかったわよ…」
希「それで、穂乃果ちゃんの悩みってなんなん?」
穂乃果「…二人はさ、「夏休み」って聞いたら何が思い浮かぶ?」
のぞにこ「夏休み?」
穂乃果「うんそう、夏休み。二人の夏休みのイメージってどんなのかな?って」
にこ「そりゃあもっちろん♪夏といえばぁーにこにーセンター曲のぉー「夏色えがおで――」
穂乃果「あ、そういうのいいから」
にこ「ぬぁんでよ!」 希「マジメに、ってこと?」
穂乃果「うん、まじめに」
にこ「っしょーがないわねー。夏休み、だっけ?」
穂乃果「うん」
にこ「夏休みかぁ…やっぱりお昼ごはん、かなぁ…」
穂乃果「お昼ごはん?」
希「あー、わかるかも」
穂乃果「え?なんでなんで?」
希「うちは楽になるけど、にこっちは大変やもんね」
にこ「そーなのよー、もう毎年毎年大変なのよね」
穂乃果「??」 穂乃果「どういうこと?」
にこ「わからない?夏休みは学校がないから、家族全員のお昼を家で用意しなくちゃいけないってことよ」
穂乃果「なるほど…じゃあ希ちゃんはなんで楽になるの?」
希「うちはひとりやからね。自分だけならどこまでも手を抜けるやん?」
にこ「そうやってうどんとかそうめんばっかり食べてたら栄養が偏るっていつも言ってるでしょー?」
希「だからたまにがっつり焼き肉食べるんよ!」グッ
にこ「野菜を摂りなさいよ!野菜を!」
希「もーにこっちお母さんみたいやん。こんなにちっこいのに」
にこ「ぬぁんですって?!」
穂乃果「なんで夏休みの話なのにこんな話してるの…?」 穂乃果「じ、じゃあ希ちゃんは?希ちゃんは夏休みといえばどんなことを思い浮かべるの?」
希「うち?…う〜ん、うちは…」
穂乃果「うんうん」
希「電気代、かなぁ?」
穂乃果「へ?」
にこ「わ か る !」
希「やんな!」
にこ「もーたまんないわよねーずっと家にいるからテレビつけっぱなしだったり――」
希「そうそう!テレビもエアコンもつけっぱなしで電気代が――」
にこ「何言ってんのよ。エアコンなんてつけないわよ」
希「ええ??」 にこ「あんなもん電気代の一番の敵じゃない!よっぽど眠れない夜にしか使わないわよ」
希「いや、だって…」
にこ「どうしてもって言うなら扇風機くらいはつけても良いけど、そうじゃなきゃうちわで我慢しなさい、うちわで!」
希「ええ…」
にこ「うちわ濡らしてからあおぐと案外涼しいわよ。やってみなさい?」
希「…もう完全に昭和のおかんやん…」
にこ「アンタがずぼらなだけでしょー!だいたいこの間だって――」
穂乃果「」ススー
カチャ
――― ―――
穂乃果「ふぅ、まさかあの二人の夏休みがあんなに所帯染みてるとは…あれじゃさすがに参考にはできないなぁ…」
穂乃果「どうしよっかな〜」
穂乃果「そうだ!たしか絵里ちゃんが次のミニライブの打ち合わせしに音楽室に行くって言ってた!」
穂乃果「μ'sの中でも1,2を争うほど生活臭のしない絵里ちゃんと真姫ちゃんならさっきみたいにはならないよね!」
穂乃果「そうと決まれば…いっそげぇ〜〜!!」
――― ガラッ!
穂乃果「絵里ちゃん!真姫ちゃん!!」
絵里「きゃっ!?……って穂乃果?!」
真姫「なによ、騒々しいわね」
穂乃果「うんっ!穂乃果だよっ!」
真姫「見ればわかるわよ…」
絵里「こ〜ら、穂乃果?廊下は走っちゃ駄目だし、人が居る部屋のドアを開けるときはノックしなくちゃ駄目じゃない」
穂乃果「あ…ごめんなさい…」シュン
絵里「そ、そんなに落ち込まなくても…次から気をつけてくれればいいから、ね?」
穂乃果「うんっ!わかったよ!」
絵里「ふふ、わかってもらえて嬉しいわ♪」ナデナデ
真姫(ちょろいわね) 真姫「それで?穂乃果は何をしに来たの?見ての通り、私達はそんなに暇じゃないんだけど」
穂乃果「それはね……かくかくしかじかだよっ!」
真姫「ふぅん…夏休み、ねえ」
絵里「え?なに?どういうこと?」
真姫「絵里、聞いてなかったの?」
絵里「いや聞いてたわよ?聞いてたけど……」
穂乃果「かくかくしかじかだよっ!絵里ちゃん!」
絵里「ほらそれ!「かくかくしかじか」としか言ってないじゃない!それじゃ何を言いたいのかさっぱりわからないわよ…」
真姫「ハァ…いい絵里?誰かが「かくかくしかじか」って言ったらそれはもう必要な説明は成されてるの。だからその体で話を進めなさいよ」
絵里「ええ…なによそれ…」 穂乃果「もう!絵里ちゃんってば!本来ならこういう余計なレスをなくすためのものなんだからちゃんとやってよー!」
絵里「れ、れす…?」
穂乃果「だからそういうメタいところに疑問を感じちゃダメなんだってばぁ!」
絵里「ご、ごめんなさい…でも、私、何がなんだか…」
真姫「見てられないわね」
穂乃果「だってぇ…」
真姫「もういいわ、私が説明するから」
穂乃果「真姫ちゃん…でもこの絵里ちゃんに合わせてたらあと何レスかかるか…」
真姫「大丈夫、この真姫ちゃんに任せなさい」
絵里「なんだか散々な言われようね…」
真姫「いい?絵里、あのね――」
――― ―――
真姫「――ってわけ、わかった?」
絵里「そういうことだったのね」
穂乃果「すごい真姫ちゃん!そうか、時間を飛ばせばいいんだ…」
真姫「そういうことよ」フフン
絵里「それで…夏休みといえば、でいいの?」
穂乃果「うん」
絵里「そうねぇ…やっぱり宿題かしら?」
穂乃果「えぇ〜…」
真姫「そう?」
絵里「え?そうじゃないの?ほら、夏休みに毎日やる事で、それなりに時間を費やすものだから…」 真姫「え??宿題を毎日なんてしないでしょ?」
穂乃果「おお!真姫ちゃんと同意見とは!気が合うねぇ〜♪」
絵里「するわよ。ちゃんと夏休みの1週間前に終わるようにって、日割りで計画を立てたりしない?」
穂乃果「ま、まじめすぎる…」
真姫「あきれた…どれだけ几帳面なのよ」
穂乃果「だよねだよね!真姫ちゃん言ってやってよ!」
真姫「だいたい、夏休みの宿題なんて七月中には終らせるものじゃない」
穂乃果「ん?」
絵里「そんなことしたら8月はほとんど勉強しない事になっちゃうじゃない。勉強する習慣を維持する為にも、ペース配分は必要だわ」
真姫「そんなの、宿題じゃなくても他の勉強をやればいいのよ。ひょっとして絵里って家では勉強しないタイプ?」
穂乃果(な、なんか風向きが…) 絵里「家での勉強は宿題以外では授業の予習復習くらいかしら?だから夏休みって宿題以外やることないのよ」
真姫「へぇ…それでよくあの成績を維持出来るわね」
絵里「だって予習、授業、復習で同じ内容を3回やるのよ?それだけやれば大抵のことは頭に入るじゃない」
穂乃果(まずい…なんとか勉強の話から話題を…)
真姫「なるほどね…私とはやり方が――」
穂乃果「そーいえばさ!」
真姫「な、なによ急に!」
穂乃果「真姫ちゃんはどうなの?夏休みといえば」
真姫「夏休み?そうね…」
穂乃果(よし、これで…) 真姫「受験勉強、ね」
穂乃果「…え"?」
真姫「去年は受験生だったから当然集中的に受験対策をやったし、今年だって医学部に行くためには今から受験勉強やらなきゃならないもの」
絵里「さすが真姫ね」
穂乃果(しまったー!墓穴ほったー!っていうか夏休みのイメージが宿題と受験勉強って何この優等生たち?!)
絵里「そういえば…穂乃果はもう進路決めてる?」
穂乃果「ぅ…(まずい!この流れはひじょーにまずいよ!)」
絵里「?決めてないの?」
穂乃果「ラ、ラブライブで優勝する!するったらする!」
真姫「なんでそうなるのよ…この流れでそんな話なわけないじゃない。高校卒業後の話よ」
穂乃果「だ、だよねぇ〜…はは…」 絵里「穂乃果、確かにラブライブは大切よ?だけど学生の本分は勉強なの。少しでいいから学業にも意識を向けなきゃダメよ?」
穂乃果「ぅ…なんだか海未ちゃんみたい…」
真姫「ま、普段の穂乃果を見てたら海未が言いたくなるのもわかるわよね」
絵里「そうよ、特に高校二年の夏は大事な時期なんだから。その夏の過ごし方で受験の成否が決まると言っても過言ではないのよ?」
真姫「…」
穂乃果「は、はい…」
真姫「…言ってることは間違いじゃないけど…宿題と予習復習くらいしかやらない絵里がそれを言うの?」
絵里「えっ!?」
真姫「だってそうじゃない?絵里は去年、そういう意識をもって過ごしたわけじゃないんでしょ?」
絵里「そ、それは…」
穂乃果「!」 絵里「私は、あくまで一般論として――」
真姫「だとしても、よ。自分が実践してもいないことを人に薦めるのは違うと思うけど?」
絵里「…そう、ね。そうかもしれないわね」
真姫「でしょ?だから私は人に勉強を教えるときは私のやり方を教えるわ」
絵里「真姫のやり方って…?」
真姫「まずは教科書のテスト範囲の部分を暗記するところからね」
絵里「ええっ!?」
絵里(なんだか凛がかわいそうになってきたわ…)
真姫「だから穂乃果も…ってあれ?穂乃果は?」
絵里「あら?そういえば…」
――― ―――
穂乃果「こちらHOMU-1、脱出に成功した」キリッ
穂乃果「な〜んてね♪」
穂乃果「ハァ…考えてみたら、夏休みだからって浮かれて遊ばなそうな人に聞いても意味なかったよね…聞くならもっと普通の人じゃないと」
穂乃果「そう考えるとμ'sに普通の家の子ってほとんどいないなぁ…」
穂乃果「誰か――」
コツン
穂乃果「あたっ!…ん?シャトル?」
花陽「ご、ごめん穂乃果ちゃん…!大丈夫?」
凛「にゃははは…ちょっと飛びすぎちゃったにゃ」
穂乃果「おおっ!普通っ子はっけーん!」
りんぱな「?」
――― ―――
穂乃果「――っていうわけなんだけど…」
花陽「へぇ…夏休みかぁ」
穂乃果「二人はどう?夏休みといえば」
凛「夏休みといえば!」
穂乃果「うん!」
凛「海水浴にゃ!」
穂乃果「うあー海かー」
花陽「?」
凛「凛とかよちんは毎年一緒に海に行くんだよ!ね?」
花陽「うん、そうだね」 穂乃果「へぇ、そうなんだ。どんなことして遊んでるの?」
凛「えっとね、まず沖に向かってにゃにゃにゃー!って泳ぐでしょ」
穂乃果「うん」
凛「それで振り返るとかよちんがちょっと後ろの方で「凛ちゃん速いよぉ〜」って少し涙目になってるからまた泳ぐでしょ」
穂乃果「うん?」
凛「しばらくして振り返ると今度はかよちんがずっと後ろの方で「ダレカタスケテー」ってなってるから戻るでしょ」
穂乃果「う、うん」
凛「それからかよちんを助けて浜に戻るの」
穂乃果「……それ花陽ちゃんは楽しいの…?」
凛「でも毎年やってると少しずつかよちんの泳ぎが上手になっていくんだよ!」
穂乃果「花陽ちゃん…」
花陽「いいんです…上手になってるのも本当だし…」 穂乃果「じゃあ花陽ちゃんの夏休みといえば?」
花陽「夏休み、とはちょっと違うんだけど…」
穂乃果「いいよいいよ、もうこの際夏っぽければなんでもいいよ」
花陽「そう?じゃあ…台風、とか」
穂乃果「うあー、雨かー!」
花陽「あ、ご、ごめんなさい…」
凛「さっきからどうしたの穂乃果ちゃん?」
穂乃果「いや、ごめんごめん、こっちの話だから気にしないで…」
凛「でも台風でテンション上がるのはわかるにゃ」
穂乃果「うん!わかるわかる!大人たちが慌ててれば慌ててるほどテンション上がるよねっ!」
凛「非日常のイベント感がたまんねーにゃ!」
花陽「違いますっ!!」
ほのりん「?!」 穂乃果「あの、花陽ちゃん…?」
花陽「台風は!」
穂乃果「は、はいっ!?」
花陽「いいですか!?台風は!決して!楽しいイベントではありませんっ!」
穂乃果「はいっ!」
穂乃果(花陽ちゃん、どうしたの?)ヒソヒソ
凛(わかんない。たぶんなんかのスイッチが入ったんだと思うけど…)ヒソヒソ
花陽「そこ!聞いてますか!?」
ほのりん「はいっ!!」 花陽「もしも台風で田んぼが駄目になってしまったら、収穫間際まで頑張って育てた農家さんたちの苦労が無駄になってしまうだけでなく!」
穂乃果(あ、お米の話だったんだ…)
凛(納得にゃ)
花陽「当然その年の収入は0だし、それまでにかかった経費で大赤字だし、私たちは新米が食べられないし、まさに踏んだり蹴ったりなんです!」
凛「なるほどなー」
穂乃果「た、台風って大変なんだね…」
花陽「わかってくれたかな?」
穂乃果「うん!もうばっちりだよ!」
花陽「うん、なら良かった♪」 穂乃果「あ、でもさー台風といえば…あれなんでだろうね?「田んぼの様子を…」ってやつ」
凛「あ…」
穂乃果「もうさ、危ないってわかってるんだからわざわざ見に行かなきゃいいのにね」
花陽「」
穂乃果「でも毎年のように見に行って亡くなる人いるんだよねー?あれ不思議じゃない?」
凛(ほ、穂乃果ちゃん…!)
穂乃果「ん?」
花陽「穂乃果ちゃん…?」ゆらり
穂乃果「ひっ…!」
花陽「まさか、田んぼの様子を見てくるって、ただ見に行ってるだけだとか思ってないよねえ…?」ズイッ
穂乃果「ち、違うの…?」
花陽「全然違うよぉ?!」 花陽「風で稲が倒れちゃったら駄目になっちゃうから補強しなきゃだし、雨で田んぼが増水して穂が浸かっちゃったら駄目になっちゃうから水を抜かなきゃだし…」
穂乃果「う、うん…」
花陽「そりゃあ補強したり水を抜いたりはあらかじめやっておくことも出来るけど、用水路にゴミが詰まってたら掃除しなきゃだとか予想以上に水が溜まってたらまた抜かなきゃだとか、直接見なきゃわからないこともあるんだよ?」
穂乃果「あ、あの…」
花陽「わかるよ?それでも毎年のように亡くなる農家さんがいるのにって言いたいんだよね?でもね、農家さんはそれこそ毎年のように当たり前にやってることなんだよ!」
穂乃果「えっと…」
花陽「穂乃果ちゃんだってお正月にはお餅を食べるよね?毎年毎年お餅を喉に詰まらせる人がいるって知ってても食べるよね?それとおんなじなんだよ!」
花陽「穂乃果ちゃんはそれを知ってても今まで問題なかったから食べる。農家さんだって知ってても今まで何十年ってやってきたことだからやる。私だってたくさん食べる」
花陽「むしろ命の危険があるってわかっていながら、それでも田んぼを、お米を守ろうと戦った証なんじゃないのかな?!ねえ穂乃果ちゃん?」
穂乃果「ソ、ソウデスネ…」 花陽「最近ではそんな農家さんの行動を死亡フラグだの風物死だのと――」ブツブツ
穂乃果「あ、あー!そういえば穂乃果行かなくちゃいけないところがあったんだー!ごめんね花陽ちゃん、それじゃあ…」
花陽「待ってください!話はまだ途中で――」
凛「そうだよかよちん!途中といえば、凛とのバドミントン勝負がまだ途中だよ?」
花陽「え?でも今は…」
凛「凛に勝てたらおにぎり奢ってあげるよ?」
花陽「本当?!」
凛「もちろんにゃ!」
穂乃果(ありがとう凛ちゃん!)
凛(いいってことにゃ)
穂乃果(今年海に行くときは穂乃果にも声かけてね。みんなで行こう!)
凛(了解にゃ!) 穂乃果「じゃあね二人とも」
凛「まったねー」
花陽「凛ちゃん!勝負再開ですっ!」
凛「よーし、まっけないよー!」
―――
穂乃果「うふふ♪みんなで海に行けたらきっと楽しいよね!楽しみだなぁ♪」
穂乃果「って違ぁぁう!!」
穂乃果「そこそこ面白い話は聞けたけどまさかのテーマ被りなんて…さすがに使えないよ!」
穂乃果「あ〜あ、どうしよっかなー」
ことり「……穂乃果ちゃん?」 穂乃果「あれ?ことりちゃん、どうしたの?こんなところで」
ことり「それはこっちのセリフだよ〜 穂乃果ちゃん今日は先に帰るって言ってなかった?」
穂乃果「えへへ…なんだかんだ残ってたんだよね」
ことり「だったら弓道場に行かない?海未ちゃんもさっき終わったみたいだから、一緒に帰ろうと思ってたんだ♪」
穂乃果「そうなの?いくいくー♪」
――― ―――
テクテク
海未「夏休みといえば、ですか?」
穂乃果「そう、ふたりはどう?何を思い浮かべる?」
ことり「う〜ん…夏休みかぁ…」
海未「私は…ラジオ体操、ですね」
ことり「!」
穂乃果「ラジオ体操?たしかに夏休み感はあるけど…」
ことり「だったら私はスイカ、かな♪」
海未「ふふ、そうですね」
穂乃果「夏っぽくはあるけど…そんなに夏休み感ある?」
ことり「あるよぉ。ね?海未ちゃん」
海未「はい。夏休みといえば、スイカとラジオ体操です」
穂乃果「そうかなぁ〜?」 海未「穂乃果は覚えていませんか?私達がまだ小さかった頃の夏休みを」
穂乃果「…?」
ことり「携帯電話もなかったあの頃、私たちは毎朝ラジオ体操で会って約束してたよね」
穂乃果「あっ!!」
ことほのうみ「今日も9時にことりちゃん家!」
穂乃果「そういえばそうだったね。うわーなつかしいなー」
ことり「電話で約束出来れば良かったんだけど…あの頃は穂乃果ちゃん家も海未ちゃん家もお父さんが怖くって…」
海未「ことりの家もですよ?物腰が柔らかくてもやはり先生と呼ばれる方と話をするのは緊張しました」
穂乃果「えー?そうかなー?」
ことり「穂乃果ちゃんはむしろ話しすぎて電話禁止になっちゃってたもんね」フフッ 海未「そうやって自然とラジオ体操の時にその日の約束をするのが私達の決まり事になっていって…」
穂乃果「そうそう、でも遊んでばっかりだとお母さんに怒られるから午前中はことりちゃん家で宿題やるようになったんだよね」
ことり「うん♪」
穂乃果「あれ?でもなんでことりちゃん家だったんだろ?」
ことり「覚えてないの?穂乃果ちゃんが「家だとお母さんがうるさいし海未ちゃん家だとエアコン無いからことりちゃん家がいい」って聞かなかったんだよ?」
穂乃果「そ、そうだっけ…?あはは…」 海未「そうですよ。それに「ことりちゃん家だったら10時におやつ出るし」とかも言ってたじゃないですか」
ことり「ええっ!?そんなこと言ってたの?!」
穂乃果「だ、だってぇ…ことりちゃん家のおやつは海未ちゃん家と違って洋菓子がたくさん出るから…」
海未「失礼な。私の家だって由緒正しきお菓子屋さんのお菓子を出していたじゃないですか」
穂乃果「それウチの和菓子じゃん!!」
海未「いけませんか?」
穂乃果「もう飽きたのー!」 ことり「ふふっ♪でもことりは海未ちゃん家で食べたスイカの方がおいしかったな♪」
穂乃果「そっか、それでことりちゃんはスイカなんだ?」
ことり「うん♪」
穂乃果「たしか…いつも午前中の宿題が終わった後、一旦帰ってお昼食べてから、海未ちゃん家にもう一回集合だったよね?」
海未「はい。私にはお昼の稽古があってどうしても集合が少し遅れるからそれならいっそ私の家で待とう、という感じでしたね」
ことり「その待ってる間におばさまが冷えたスイカを切ってくれて…」
穂乃果「そうそう、海未ちゃん家のスイカって井戸水で冷やしてるからすっごい冷たくて美味しいんだよねー」
ことり「稽古が終わった海未ちゃんも一緒に3人で縁側に並んでスイカを食べながら種飛ばししたり種を並べて絵を描いたり…楽しかったなぁ」 穂乃果「でもさ、それだとラジオ体操やスイカっていうより3人で遊んだこと、なんじゃない?」
海未「いえ、私にとってはあのラジオ体操でのひとコマがとても特別に感じられたんです。だから私の夏休みの象徴はラジオ体操なんです」
ことり「ことりも…あの縁側でのひとときは他の場所とは違うとっても素敵な時間だと思ったよ。だからことりの夏休みはあの縁側でのスイカなの♪」
穂乃果「…そっか、おなじ経験してても受ける印象はみんな違うんだね」
海未「穂乃果はどうせことりのお家のケーキなのでしょう?」
穂乃果「違うよ!穂乃果は…穂乃果の夏休みは…」
穂乃果「海未ちゃんとことりちゃんと1日中遊んだこと!」
海未「1日中一緒にいるのは今でもあまり変わらないのでは?」
穂乃果「ううん、全然違うよ。朝早くからラジオ体操で会って約束して、一緒に宿題やって、一緒にスイカ食べて…」
穂乃果「それから一緒に虫取りしたりプールに行ったり…夕立にあって駄菓子屋さんで雨宿りしたり…」
ことり「うん…」
穂乃果「そうやって晩ごはんの時間まで遊んで「また明日ね」ってバイバイするの…こんなに1日中遊べるのなんて夏休みだけだよね?」
海未「…そうですね」
穂乃果「だから、穂乃果にとっては一緒に遊んだ全部が特別で、夏休みなんだよ!」
ことり「全部って…夏休み全部が穂乃果ちゃんの夏休みってこと?」
穂乃果「うん!」
海未「穂乃果らしいといえば、らしいですね」クスクス
――― ―――
穂乃果(そうだよ、なにも1つに絞らなくていいんだ)カタカタ
穂乃果(それぞれが大切で、全部が特別なら、全部書いちゃえばいいんだよ)カタカタ
穂乃果(それが穂乃果の「夏休み」なんだから)カタカタ
穂乃果「これでよし、っと…」ッターン
―
穂乃果「今回は「夏休み」かぁ…」
1 名無しで叶える物語(家)@無断転載は禁止2017/08/11(金) 12:23:38.50 ID:1rRuRkV3
第三回SS祭りスレ
http://fate.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1502420293
の企画SSです
テーマは「夏休み」です
おしまい 悠生のクソ犬うるさい
野犬や猛獣の生き餌にしてこい ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています