0001名無しで叶える物語(家)@無断転載は禁止2017/08/11(金) 12:23:38.50ID:1rRuRkV3
穂乃果「あの、花陽ちゃん…?」
花陽「台風は!」
穂乃果「は、はいっ!?」
花陽「いいですか!?台風は!決して!楽しいイベントではありませんっ!」
穂乃果「はいっ!」
穂乃果(花陽ちゃん、どうしたの?)ヒソヒソ
凛(わかんない。たぶんなんかのスイッチが入ったんだと思うけど…)ヒソヒソ
花陽「そこ!聞いてますか!?」
ほのりん「はいっ!!」
花陽「もしも台風で田んぼが駄目になってしまったら、収穫間際まで頑張って育てた農家さんたちの苦労が無駄になってしまうだけでなく!」
穂乃果(あ、お米の話だったんだ…)
凛(納得にゃ)
花陽「当然その年の収入は0だし、それまでにかかった経費で大赤字だし、私たちは新米が食べられないし、まさに踏んだり蹴ったりなんです!」
凛「なるほどなー」
穂乃果「た、台風って大変なんだね…」
花陽「わかってくれたかな?」
穂乃果「うん!もうばっちりだよ!」
花陽「うん、なら良かった♪」
穂乃果「あ、でもさー台風といえば…あれなんでだろうね?「田んぼの様子を…」ってやつ」
凛「あ…」
穂乃果「もうさ、危ないってわかってるんだからわざわざ見に行かなきゃいいのにね」
花陽「」
穂乃果「でも毎年のように見に行って亡くなる人いるんだよねー?あれ不思議じゃない?」
凛(ほ、穂乃果ちゃん…!)
穂乃果「ん?」
花陽「穂乃果ちゃん…?」ゆらり
穂乃果「ひっ…!」
花陽「まさか、田んぼの様子を見てくるって、ただ見に行ってるだけだとか思ってないよねえ…?」ズイッ
穂乃果「ち、違うの…?」
花陽「全然違うよぉ?!」
花陽「風で稲が倒れちゃったら駄目になっちゃうから補強しなきゃだし、雨で田んぼが増水して穂が浸かっちゃったら駄目になっちゃうから水を抜かなきゃだし…」
穂乃果「う、うん…」
花陽「そりゃあ補強したり水を抜いたりはあらかじめやっておくことも出来るけど、用水路にゴミが詰まってたら掃除しなきゃだとか予想以上に水が溜まってたらまた抜かなきゃだとか、直接見なきゃわからないこともあるんだよ?」
穂乃果「あ、あの…」
花陽「わかるよ?それでも毎年のように亡くなる農家さんがいるのにって言いたいんだよね?でもね、農家さんはそれこそ毎年のように当たり前にやってることなんだよ!」
穂乃果「えっと…」
花陽「穂乃果ちゃんだってお正月にはお餅を食べるよね?毎年毎年お餅を喉に詰まらせる人がいるって知ってても食べるよね?それとおんなじなんだよ!」
花陽「穂乃果ちゃんはそれを知ってても今まで問題なかったから食べる。農家さんだって知ってても今まで何十年ってやってきたことだからやる。私だってたくさん食べる」
花陽「むしろ命の危険があるってわかっていながら、それでも田んぼを、お米を守ろうと戦った証なんじゃないのかな?!ねえ穂乃果ちゃん?」
穂乃果「ソ、ソウデスネ…」
花陽「最近ではそんな農家さんの行動を死亡フラグだの風物死だのと――」ブツブツ
穂乃果「あ、あー!そういえば穂乃果行かなくちゃいけないところがあったんだー!ごめんね花陽ちゃん、それじゃあ…」
花陽「待ってください!話はまだ途中で――」
凛「そうだよかよちん!途中といえば、凛とのバドミントン勝負がまだ途中だよ?」
花陽「え?でも今は…」
凛「凛に勝てたらおにぎり奢ってあげるよ?」
花陽「本当?!」
凛「もちろんにゃ!」
穂乃果(ありがとう凛ちゃん!)
凛(いいってことにゃ)
穂乃果(今年海に行くときは穂乃果にも声かけてね。みんなで行こう!)
凛(了解にゃ!)
穂乃果「じゃあね二人とも」
凛「まったねー」
花陽「凛ちゃん!勝負再開ですっ!」
凛「よーし、まっけないよー!」
―――
穂乃果「うふふ♪みんなで海に行けたらきっと楽しいよね!楽しみだなぁ♪」
穂乃果「って違ぁぁう!!」
穂乃果「そこそこ面白い話は聞けたけどまさかのテーマ被りなんて…さすがに使えないよ!」
穂乃果「あ〜あ、どうしよっかなー」
ことり「……穂乃果ちゃん?」
穂乃果「あれ?ことりちゃん、どうしたの?こんなところで」
ことり「それはこっちのセリフだよ〜 穂乃果ちゃん今日は先に帰るって言ってなかった?」
穂乃果「えへへ…なんだかんだ残ってたんだよね」
ことり「だったら弓道場に行かない?海未ちゃんもさっき終わったみたいだから、一緒に帰ろうと思ってたんだ♪」
穂乃果「そうなの?いくいくー♪」
―――
―――
テクテク
海未「夏休みといえば、ですか?」
穂乃果「そう、ふたりはどう?何を思い浮かべる?」
ことり「う〜ん…夏休みかぁ…」
海未「私は…ラジオ体操、ですね」
ことり「!」
穂乃果「ラジオ体操?たしかに夏休み感はあるけど…」
ことり「だったら私はスイカ、かな♪」
海未「ふふ、そうですね」
穂乃果「夏っぽくはあるけど…そんなに夏休み感ある?」
ことり「あるよぉ。ね?海未ちゃん」
海未「はい。夏休みといえば、スイカとラジオ体操です」
穂乃果「そうかなぁ〜?」
海未「穂乃果は覚えていませんか?私達がまだ小さかった頃の夏休みを」
穂乃果「…?」
ことり「携帯電話もなかったあの頃、私たちは毎朝ラジオ体操で会って約束してたよね」
穂乃果「あっ!!」
ことほのうみ「今日も9時にことりちゃん家!」
穂乃果「そういえばそうだったね。うわーなつかしいなー」
ことり「電話で約束出来れば良かったんだけど…あの頃は穂乃果ちゃん家も海未ちゃん家もお父さんが怖くって…」
海未「ことりの家もですよ?物腰が柔らかくてもやはり先生と呼ばれる方と話をするのは緊張しました」
穂乃果「えー?そうかなー?」
ことり「穂乃果ちゃんはむしろ話しすぎて電話禁止になっちゃってたもんね」フフッ
海未「そうやって自然とラジオ体操の時にその日の約束をするのが私達の決まり事になっていって…」
穂乃果「そうそう、でも遊んでばっかりだとお母さんに怒られるから午前中はことりちゃん家で宿題やるようになったんだよね」
ことり「うん♪」
穂乃果「あれ?でもなんでことりちゃん家だったんだろ?」
ことり「覚えてないの?穂乃果ちゃんが「家だとお母さんがうるさいし海未ちゃん家だとエアコン無いからことりちゃん家がいい」って聞かなかったんだよ?」
穂乃果「そ、そうだっけ…?あはは…」
海未「そうですよ。それに「ことりちゃん家だったら10時におやつ出るし」とかも言ってたじゃないですか」
ことり「ええっ!?そんなこと言ってたの?!」
穂乃果「だ、だってぇ…ことりちゃん家のおやつは海未ちゃん家と違って洋菓子がたくさん出るから…」
海未「失礼な。私の家だって由緒正しきお菓子屋さんのお菓子を出していたじゃないですか」
穂乃果「それウチの和菓子じゃん!!」
海未「いけませんか?」
穂乃果「もう飽きたのー!」
ことり「ふふっ♪でもことりは海未ちゃん家で食べたスイカの方がおいしかったな♪」
穂乃果「そっか、それでことりちゃんはスイカなんだ?」
ことり「うん♪」
穂乃果「たしか…いつも午前中の宿題が終わった後、一旦帰ってお昼食べてから、海未ちゃん家にもう一回集合だったよね?」
海未「はい。私にはお昼の稽古があってどうしても集合が少し遅れるからそれならいっそ私の家で待とう、という感じでしたね」
ことり「その待ってる間におばさまが冷えたスイカを切ってくれて…」
穂乃果「そうそう、海未ちゃん家のスイカって井戸水で冷やしてるからすっごい冷たくて美味しいんだよねー」
ことり「稽古が終わった海未ちゃんも一緒に3人で縁側に並んでスイカを食べながら種飛ばししたり種を並べて絵を描いたり…楽しかったなぁ」
穂乃果「でもさ、それだとラジオ体操やスイカっていうより3人で遊んだこと、なんじゃない?」
海未「いえ、私にとってはあのラジオ体操でのひとコマがとても特別に感じられたんです。だから私の夏休みの象徴はラジオ体操なんです」
ことり「ことりも…あの縁側でのひとときは他の場所とは違うとっても素敵な時間だと思ったよ。だからことりの夏休みはあの縁側でのスイカなの♪」
穂乃果「…そっか、おなじ経験してても受ける印象はみんな違うんだね」
海未「穂乃果はどうせことりのお家のケーキなのでしょう?」
穂乃果「違うよ!穂乃果は…穂乃果の夏休みは…」
穂乃果「海未ちゃんとことりちゃんと1日中遊んだこと!」
海未「1日中一緒にいるのは今でもあまり変わらないのでは?」
穂乃果「ううん、全然違うよ。朝早くからラジオ体操で会って約束して、一緒に宿題やって、一緒にスイカ食べて…」
穂乃果「それから一緒に虫取りしたりプールに行ったり…夕立にあって駄菓子屋さんで雨宿りしたり…」
ことり「うん…」
穂乃果「そうやって晩ごはんの時間まで遊んで「また明日ね」ってバイバイするの…こんなに1日中遊べるのなんて夏休みだけだよね?」
海未「…そうですね」
穂乃果「だから、穂乃果にとっては一緒に遊んだ全部が特別で、夏休みなんだよ!」
ことり「全部って…夏休み全部が穂乃果ちゃんの夏休みってこと?」
穂乃果「うん!」
海未「穂乃果らしいといえば、らしいですね」クスクス
―――
―――
穂乃果(そうだよ、なにも1つに絞らなくていいんだ)カタカタ
穂乃果(それぞれが大切で、全部が特別なら、全部書いちゃえばいいんだよ)カタカタ
穂乃果(それが穂乃果の「夏休み」なんだから)カタカタ
穂乃果「これでよし、っと…」ッターン
―
穂乃果「今回は「夏休み」かぁ…」
1 名無しで叶える物語(家)@無断転載は禁止2017/08/11(金) 12:23:38.50 ID:1rRuRkV3
第三回SS祭りスレ
http://fate.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1502420293
の企画SSです
テーマは「夏休み」です
おしまい 0043名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@無断転載は禁止2017/08/11(金) 13:04:01.32ID:O41HW5im
メタいな
乙
悠生のクソ犬うるさい
野犬や猛獣の生き餌にしてこい