雪穂「八月!」穂乃果「三日は」あんじゅ「はちみつの日♪」 [無断転載禁止]©2ch.net
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【四月】
穂乃果「今日もパンがうまいっ♪」パク
ことり「あれ、今日はランチパックじゃないんだね」
海未「節約ですか?」
穂乃果「ううん。はちみつが食べたい気分だったの」モグモグ
絵里「ちょっといい?」
希「お。はちみつ&マーガリン…」
穂乃果「はい!先輩もこれ好きなんですか?」
希「たまに食べたくなるよね。それ以外にもいろんな味のがあるけど…」
穂乃果「家だったらトーストにたっぷりはちみつつけて食べたいけど、お外では難しいからこれにしました!」
絵里「そんなにハチミツが好きなの?」
穂乃果「昔から大好きなんです♪お料理にも使ったりしますよ」
希「国産、輸入、ニホンミツバチと西洋ミツバチの違いから、ハチが蜜を集める花の種類まで…ハチミツといってもいろいろや。見た目の色や香り、もちろん味まで変わってくるん」
絵里「ハチミツのパッケージに花の種類が書いてあるのは知ってたけど、そこまで気にしてなかったわ…」
穂乃果「養蜂は世界中で行われてるし、はちみつだけで言えば紀元前から人々にとって欠かせない食糧です。はちみつなら廃校だって阻止できますよ!」
絵里「!」
ことり「それはちょっと無理があるような…」
海未「はちみつが素晴らしいというのはわかりますが、音ノ木坂の入学希望者を増やすことには繋がらないでしょう?」
穂乃果「それは音ノ木坂でハチミツに関することを何もしてないからでしょ。もし音ノ木坂でいろいろな種類の美味しいハチミツを食べられるようになったら、きっと入学希望者が殺到するはずだよ!」
希「それって…つまり音ノ木坂で養蜂を始めようってこと?」
絵里「そ、そんなことできるの?…養蜂なんて、どこでやるつもり?」
穂乃果「んー。じゃあ、校内をあちこち見て回っていい場所を探しましょう♪」
ことり「大丈夫かなぁ…」 穂乃果「養蜂は半径2km以内に蜜が採れる植物があればどこでもできるんです。都会のビルの屋上で養蜂してるところもあるくらい」
絵里「へー」
穂乃果「たとえば、この像の周りを囲むように巣箱を設置するとか…」
海未「こんなところに巣箱を置くんですか?」
穂乃果「日当たりがよくて適度に乾燥して、しかも夏は日陰ができるような物が必要なの」
ことり「そっか。像の陰になる位置がちょうどいいんだね」
希「でも、どうせならただの障害物より蜜が採れる植物があったほうがいいんやない?たとえば木なら日陰にもなるやろ?」
絵里「そうね。半径2km以内に植物があればっていうけど、何の植物から蜜を集めるかでハチミツの出来も変わるなら、ちゃんと把握しておかないと…」
穂乃果「そっか。すぐ近くにミツバチが好きな植物があれば確実にその蜜を集めてもらえるよね…」
ことり「ハチミツの花として有名なのは…レンゲ、クローバー、そば、りんご、みかん、びわ、栗、マロニエ(トチ)、ニセアカシア…ってところかな?」
海未「でも木は花を咲かせるまで育つのに時間がかかりますし、はちみつが採れる前に廃校になってしまいますよ」
穂乃果「んー。やっぱり今から植えるより、もともとある植物を利用したほうがいいのかな…」
【アルパカ小屋】
ことり「モフモフで可愛い♪」ナデナデ
アルパカ「メ゙ェー♪」
海未「どうしてアルパカ小屋に来たんですか…ここで養蜂は無理ですよね?」
絵里「日陰ができるって条件は満たしてるけど…」
希「でもアルパカのエサの干し草くらいしか植物がないやん?」
花陽「アルパカさんがハチに刺されたり、ハチさんにとっても大きな動物がいてストレスになると思います…」
凛「ハチ?…何の話をしてるのー?」
穂乃果「音ノ木坂で養蜂ができたらいいなって思って…いい場所がないか探してるの」 凛「学校でハチミツが採れるようにしたいってことー?」
穂乃果「そうだよ。みんなハチミツは好きでしょ?」
花陽「そのまま食べても美味しいし、いろんな料理に使えますね」
凛「ラーメンには合わないにゃ」
海未「でもチャーシューの味付けにハチミツを使ったりするじゃないですか」
穂乃果「お肉をしっとり柔らかく、自然な甘みをプラス!はちみつって万能でしょ?」
凛「そっかぁ…意外なところでハチミツが活躍してるんですねー」
希「まあ、養蜂をするのは意外な場所である必要はないけどね」
穂乃果「アハハ…ごもっとも」
【弓道場】
海未「まさか弓道場に巣箱を置くつもりですか!?」
希「ここなら半屋外やし日陰も充分やな」
海未「いや、危ないじゃないですか。せっかく蜜を集めて帰ってきたハチも矢が飛び交う中で無事に巣に戻れるかどうか…私たちも刺されてしまいますよ」
真姫(…騒がしい)
海未「ん?…あなたは…入部希望ですか?」
真姫「いえ…音を聴いてるだけです」
穂乃果「音って…弓矢の音?」
真姫「そう。弓矢を中心に、ここで聴こえるいろいろな音です。たとえば矢を放つ音、的に当たる音。一本一本音階が違って、それが混ざりあって音楽になってる」
凛「えー?弓矢の音にしか聞こえないにゃ。どこが音楽なのー?」
ことり「もしかして…絶対音感?」
絵里「あらゆる音がすべてドレミの音階で判別できるっていうあれ?」
真姫「まあ、そんな感じです」
ブーン…
穂乃果「ん?」
凛「にゃ?」
花陽「ハチの羽音?」
ことり「ホントだ。ハチが飛んでる…」
穂乃果「ミツバチかなぁ?近くに巣があるのかも!?」
海未「まさか、もう誰かが巣箱を…」
希「いや、さすがに無いやろ?」
絵里「飛んで行っちゃうわ。追いかけましょう!」 【室内プール】
凛「あっという間に見失っちゃったにゃ」
真姫「あ、当たり前よ…飛ぶハチに追いつけるわけ…」ゼーハー
海未「室内プールに来てどうするんですか。さすがにミツバチはこんなところに入ってきませんよ」
穂乃果「このプールの水が全部ハチミツだったらいいのに…」
ことり「でもハチミツって固まりやすいよ。泳げないし、取り出すのも大変なんじゃないかなぁ?」
穂乃果「ニセアカシアやマロニエのハチミツは低温でも固まりにくいんだって」
絵里「植物の種類で変わるものなの?」
穂乃果「はい。だからニセアカシアやマロニエのハチミツは人気があるんです」
希「んー?…なんか甘い香りがするような…」
花陽「プールの水に何か入ってるんでしょうか?」
ことり「これって…まさか」
穂乃果「水じゃない!?」
絵里「こんなに大量に、水じゃない物?」
穂乃果「ホントにハチミツだったり…?」クンクン
にこ「確かめてみればいいじゃない」
穂乃果「えっ」
にこ「ほら!」ドン
穂乃果「ちょっ…わぁ!?」
ベタッ
穂乃果「こ、この感触…甘い香り…」ペロッ
穂乃果「やっぱり…これハチミツだよ!?」
絵里「いったい誰が、どうやってこんな物を…」
穂乃果「こんなにたくさんあればハチミツが食べ放題だよ!これなら廃校も阻止できるよね!?」
海未「そんな暢気なことを言ってる場合ですか?…このままハチミツが固まってしまったら穂乃果も脱出できなくなりますよ」
ことり「穂乃果ちゃんのハチミツ漬けができちゃうね」
凛「お肉がしっとり柔らかくなるにゃ♪」
穂乃果「って、私はブタさんじゃないよ><」
花陽「そ、それより早く脱出したほうが…」
穂乃果「ハチミツがベタベタくっついて動けないよ…それに、なんかハチミツがどんどん増えてる気がするんだけど…」 ブーン…
真姫「ミツバチがいるわね」
希「当たり前やけど、すべてのハチミツは蜂が集めた物やからね」
絵里「このプールは巨大な巣箱ってこと!?」
穂乃果「このままじゃハチミツで生き埋めになっちゃう><」ジタバタ
にこ「ハチミツを食べればいいのよ。ミツバチが集めるより早く食べ尽くせば脱出できるわ」
穂乃果「っていうか、あなたに突き落とされた気がするんだけど!?」
にこ「だって好きでしょ?はちみつ」
穂乃果「好きだけど、こんなに食べきれないよ!ブタさんになっちゃう…」
海未「ほのチャーシューですね」
凛「楽しみだにゃー♪」
穂乃果「そ、そんなこと言ってないで…」ズブズブ
\ダレカタスケテー!/
にこりんぱな「チョットマッテテー」
穂乃果「うーん…食べないで…ブタさんじゃないもん…」
「…ちゃん。お姉ちゃんってば」
雪穂「もう。起きないとホントに食べちゃうぞー?」
カプ
穂乃果「ひゃぁー!?」バシャ
雪穂「わぷっ><」
穂乃果「な、な、何してるの雪穂!?///」カァァ
雪穂「お姉ちゃんがお風呂で居眠りしてるから、起こしてあげようと思って」
穂乃果「変な起こし方やめてよ…痕がついたらどうするの><」
雪穂「お姉ちゃんは私のっていう印になるからいいじゃん」
穂乃果「よくない!///…雪穂にはわかっても、人に見られたら“誰の”かわからないでしょ」
雪穂「二人だけがわかるサインってよくない?」
穂乃果「見えちゃうようなところはダメ」
雪穂「隠れるところならいいんだ?」
穂乃果「これ以上やったら雪穂の顔に思いっきり吸いついて痕つけちゃうからね!」
雪穂「それはさすがに恥ずかしい…」 穂乃果(変な夢みてた気がする…けど雪穂のせいで忘れちゃったよ)
パタン
雪穂「ちゃんと髪乾かさなきゃダメだよ。風邪ひいちゃう…ほら、こっち座って」
穂乃果「はーい…」ファー
パチ フォーン…
穂乃果「ねえ、雪穂はハチミツって好き?」
雪穂「え?なに?」
穂乃果「は・ち・み・つ。好き?」
雪穂「まあ、普通に好きだけど。なんで?」
穂乃果「ハチミツって世界中で昔から食べられてて歴史も人気もあるでしょ。だからハチミツなら廃校を阻止できるかなって…」
雪穂「うーん…でもやっぱり砂糖なんかに比べて扱いにくいっていうか、今ひとつマイナーじゃない?」
穂乃果「それはハチミツのことをみんながよく知らないからでしょ。砂糖なんて誰の家にでもあるんだから、プラスアルファの新しさがあるのはハチミツだよ」
雪穂「まあ、確かに砂糖はいかがって言われても間に合ってますって感じだよね」
穂乃果「でしょ。ハチミツは花の種類によって色も香りも味も、固まりやすさまで全然違うもん」
雪穂「でも廃校を防ぐためには入学希望者が増えないとダメなんだよね?」
穂乃果「そうだよ。だからハチミツで…」
雪穂「いや、受験生が志望校を音ノ木坂に決める理由としては弱すぎない?…ハチミツって、なんか地味だし」
穂乃果「むーっ…じゃあ雪穂はハチミツよりいい方法があるっていうの?」
雪穂「あるんじゃない?…特に考えてるわけじゃないけど」パチ
穂乃果「他人事みたいに言わないで雪穂も考えてよ!…私は一年だけでも雪穂と一緒がいいのに…」
雪穂「私だって音ノ木坂がなくならないんだったらお姉ちゃんと一緒がいいって思ってるよ」
穂乃果「本当に?」ジトー
雪穂「当たり前じゃん」ナデナデ
穂乃果「えへへ。雪穂ー♪」ギュー
チュン(・8・)チュン
【翌朝・秋葉原】
穂乃果(ハチミツで本当に入学希望者を増やせるとしたら…逆に考えれば入学希望者が増え続けてる学校には、きっとハチミツに関する何かがあるはず!)
ブーン…
穂乃果「おぉー!…す、すごい」ベター
穂乃果(ミツバチが飛んでる。あれって間違いなく巣箱だよね…でも室内で養蜂なんてできるのかな?) 『UTX高校にようこそ!』
穂乃果「あ、あのー。質問なんですけど…あの巣箱って、どうして室内にあるんですか?」
にこ「はぁ!?あんた、そんなことも知らないの?…そのパンフレットにも書いてあるわよ。どこ見てんの」
穂乃果「え、えーと…」ペラッ
穂乃果「ミツバチは暑すぎても寒すぎても弱ってしまい、採れる蜜の量が著しく減少…」
にこ「そ。ビルの窓から充分に日照を得られ、花も育ち、適度に乾燥して日陰もできて、暑すぎず寒すぎない理想の環境を作ることができる。だからUTXは室内での養蜂に成功したの」
穂乃果「じゃあ、音ノ木坂でも同じことができれば…」
にこ「いや、音ノ木坂には室内の環境を整える最新の設備なんてないし。導入にはものすごくお金がかかるわ。生徒も少なく財政難、廃校寸前の音ノ木坂じゃ無理よ」
穂乃果「うぅ…廃校を防ぐための手段が、廃校寸前だからできないなんて」ガクッ
にこ「結局はお金でしょ。金持ちの道楽!品質が良くて美味しいハチミツはバカみたいに高いし。養蜂のための資金が充分あって、それ以上に儲かるからやるのよ。元手さえままならない庶民が養蜂でスローライフなんて幻想よ」
穂乃果「そ、それでも…」
にこ「え?」
穂乃果「UTXのすごい技術を見れば…きっと何か、私たちにとってプラスになることがあるはずです!」
にこ「…どうだか」
穂乃果「行きましょう!」ギュ
凛「にゃ!?…え、なんで凛?」
穂乃果「先輩もついて来てください!」
にこ「ちょっ…待ちなさいよ!」
花陽「ああっ、凛ちゃん…どこ行くの!?」
凛「凛は学校へ行きたいのにー!><」ズルズル
ドタバタ
【UTX一階】
にこ「中に入ってどうすんのよ?巣箱に近づいたってハチに刺されるだけで収穫なんかないわよ」
凛「ついでにハチミツをいただきにゃ!」
花陽「だ、ダメだよぉ…自然の巣じゃないんだから、泥棒さんだよ」
「泥棒さん?…朝から物騒ね」ファー
にこぱな「!」
穂乃果「泥棒じゃないです!ビルの中で養蜂ができるなんてすごいなぁって…見学っていうか、いろいろ聞きたいっていうか」
「ふーん…それならいいけど。私は優木あんじゅ。A-RISEのメンバーよ」
穂乃果「あらいず?」 花陽「日本で一番人気がある、UTX高校のスクール蜂蜜!」
にこ「それを作ってるのがA-RISEよ!」
穂乃果「スクール…はちみつ?」
にこ「そ。学校で養蜂して採れたハチミツ。聞いたことないの?」
あんじゅ「見学に来たってことは、あなたたちも養蜂してるんじゃないの?」
凛「ミツバチなんて飼ったことないにゃ」
穂乃果「これから音ノ木坂でも始めようかなって考えてたんです」
あんじゅ「これから?…でも音ノ木坂って廃校になりそうだって聞いたけど」
穂乃果「うぐっ。…それは」シュン
あんじゅ「ごめんね。ゆっくり見ていって…と言いたいところだけど、あなたたちも学校へ行かないとマズいんじゃない?」
凛「そ、そうだよ。遅刻しちゃうよー?><」
あんじゅ「待って。黄色いリボンの子、名前は?」
穂乃果「高坂穂乃果です!」
あんじゅ「じゃあ、ホノカちゃん。私たちのハチミツをひと瓶あげる。食べてみて」
穂乃果「え。いいんですか?ものすごく高級品なんじゃ…」
あんじゅ「他はどうか知らないけど、私たちのハチミツはそんなに高くないわ。だからこそ日本一になるくらい人気が出たの」
穂乃果「そうなんだ…ありがとうございます!」
あんじゅ「うふふ。後で感想も聞かせてね♪」
穂乃果「はい!…行こ、小泉さん」ギュ
花陽「え。でも私、あんじゅ」
凛「先輩も行くにゃー」グイ
にこ「ちょっ…待って、まだ何も」
ズルズル
花陽「ああっ…せめて握手だけでも」ズルズル 【音ノ木坂】
穂乃果「ふー。なんとかセーフ♪」
にこ「ぐぬぬぬ…あんただけハチミツを手渡ししてもらうなんて」
穂乃果「みんなで食べればいいじゃないですか。すぐなくなっちゃいそうだけど…」
花陽「ハチミツだけの問題じゃなくて…握手したり」ギュ
穂乃果「え」
にこ「ハグしたり!」ギュー
穂乃果「ちょっ…先輩!?///」
花陽「ぺろぺろしたり!」ペロペロ
穂乃果「ひゃぁ!?な、何してるの?><」
にこ「いや、それは無いわ」ドンビキ
花陽「そ、そうですか…」シュン
凛「凛はこっちのかよちんも好きだよ♪」
【理事長室】
絵里「糖質以外の栄養素がハチミツに含まれる水分を下回った場合、廃校という決定をせざるを得ないと発表にはありました」
希「つまり水分をうま」
絵里「うま?」
理事長(ウマー♪^8^)バリボリ
希「あ、あのー。理事長?」
理事長「何ですか?東條さん」キリッ
希「いや、さっきから何を食べてるんですか…」
理事長「これは蜂蜜かりんとうよ」パク
希「もしかして東京で作ってる有名な…」
理事長「いいえ。これは北海道の」バリボリ
希「あ、ホンマ…」
絵里「おやつ食べてる場合ですか!?」
理事長「確かに…ですが、そう簡単に栄養素が増えないからこそ、この結果なのです。何か良い方法があるんですか?」バリボリ
絵里「ハチが蜜を採る花の種類でハチミツの成分も変わります。だから増やしたい栄養素を蜜に多く含む植物があれば…」
理事長「思いつきで行動しても簡単に状況は変わりません。生徒会はミツバチよりも生徒のことを考えるべきです」バリボリ
希(蜂蜜かりんとう食べながら言われても…) 【二年教室】
穂乃果「見て見て見てー♪」コト
海未「その瓶は…蜂蜜ですか?」
穂乃果「UTXで養蜂してる先輩がくれたの♪」
ことり「あ…そういえば日本で一番売れてるスクール蜂蜜って有名だよね。UTX」
穂乃果「そう、スクール蜂蜜だよ!これは茨城、こっちは長野県産のハチミツなんだって!」バサ
海未「国産ハチミツのカタログですか?」
ことり「海外のも厳選して載せてるみたい」
穂乃果「美味しくて高品質のハチミツが採れる学校は入学希望者も増えてるんだって!それで私、考えたんだけど」
海未「私たちも長野県へ行こうとか言い出すつもりでしょう!?」
穂乃果「え?…なんで長野?」
海未「違うのですか?」
穂乃果「確かに長野はミツバチにとって最高の環境かもしれないけど…音ノ木坂の廃校を阻止するために養蜂を始めるんだよ。音ノ木坂でやらなきゃ意味ないよ!」
海未「そんなことで本当にミツバチが集まると思いますか?」
穂乃果「それは…花があってもハチがいないとダメだけど」
海未「そのカタログに載っているハチミツを作ったのは、プロと同じように努力し、命がけで働いているミツバチです!」
ことり「プロ?」
穂乃果「そういえばプロポリスっていうのもあるよね」
海未「穂乃果のように好奇心だけで始めても、うまくいくはずないでしょう!?」
穂乃果「でも頑張るのは私たちじゃなくてミツバチだし…」
海未「はっきり言います。養蜂は無しです!」
穂乃果「ミツバチって梨の花も好きなのかな?」
ことり「りんごの花が好きなんだから、梨の花でも良さそうな感じはするね」
海未「その梨ではなく無しです!養蜂は禁止ということです!」
穂乃果「きんし?…ああ、金糸梅?」
ことり「初夏に咲く花だね。これから養蜂を始めるならいいかも」
穂乃果「金糸梅のハチミツって聞いたことないけど…ミツバチは金糸梅の花が好きなのかなぁ?」
海未「いや、その金糸ではなく…穂乃果に養蜂は無理だと言ってるんです!」
ことり「試してみるのもいいかも。他でやってない物なら珍しいでしょ?」
穂乃果「そうだね!珍しいハチミツができれば注目を集められるかも!?」
海未(二人とも私の話を全然聞いてくれません…)クスン 【屋上】
穂乃果「まずは金糸梅の栽培を始めなくちゃ。ハチミツがたっぷり採れるように、花もたくさん必要だよね」
花陽「金糸梅は暑さにも寒さにも強く、日陰になる場所でも育ちます」
ことり「生け花やフラワーアレンジメントに使った枝を土に挿して水を充分やれば根が出て、簡単に幾らでも増やせるんだって♪」
穂乃果「へー!見た目は可愛いけど強い植物なんだね♪」
花陽「ただ、乾燥にだけは弱いので注意が必要です。土が乾いたら早めに、たっぷりお水をあげないと枯れてしまいますよ」
穂乃果「ふむふむ…適度に乾燥した場所を好むミツバチとは正反対なんだ」
ことり「巣箱の周りは乾燥気味でも、金糸梅を植えた土だけは乾燥しないように気をつけないといけないんだね」
穂乃果「でも花のほうにあまり手間がかからない分、ミツバチが暮らしやすい環境づくりに専念できて良さそうだよね」
凛「あとは肝心のミツバチが金糸梅の花を気に入ってくれるかどうかだよねー」
ことり「穂乃果ちゃんのリボンみたいに黄色の可愛い花だよ。私は好きだな♪」
穂乃果「えへへ。ミツバチさんも気に入ってくれるといいな♪」
【音楽室】
穂乃果「あなた、養蜂やってみたいと思わない!?」
真姫「思いません」
穂乃果「そ、そんなぁ…」ガクッ
真姫「…でも、養蜂には花が必要でしょ。充分な量のハチミツが採れるほど花がたくさん咲けば見た目も華やかになるし。そのときはアピール用に写真くらい撮ってあげる」
穂乃果「そっか。花より団子の逆で、ハチミツより花に興味がある人もいるよね!?」
真姫「まあ…うまく咲かせられるように頑張ってください」
穂乃果「ありがとー!頑張るよ♪」ギュー
真姫「ヴェぇ…なんで抱きつくのよ!?///」
【弓道場】
ことり「海未ちゃーん」タタタ
海未「ことり…私はやりませんよ。養蜂なんて」
ことり「金糸梅は枝を土に挿して、お水をたっぷりやれば根が生えてくるの。暑さや寒さにも強くて日陰でも花が咲くし、簡単に増やせるんだって♪」
海未「増やせるといっても、私たちにはあまり時間がありませんし…花が咲いて終わりではないでしょう?」
ことり「私たちってことは、海未ちゃんも廃校を何とかしたいんだよね?」
海未「そ、それは…できれば何とかしたいですけど。うまくいくなんて思えません…」 ことり「たとえば…ここにある矢の一本一本が全部、金糸梅の枝だったら?」
海未「えっ」
弓道部「な、なにこれ!?」
部長「矢に黄色い花が咲いてる!?」
海未「そ、そんなバカな…私の矢は花なんて…ああっ!?」
ことり「ふふふ…ほらね。もう養蜂は始まってるんだよ♪」
海未「ことり…いったい何を…まさか、これも錬金術…?」
部長「くっ。こんなの何かの間違いよ。ただのまやかしなら矢を放てば…」ギリギリ
弓道部「無茶です先輩!それ、花が咲いた枝ですよ!?」
部長「問答無用ッ!」ヒュッ
コツン バラバラ…
部長「ああっ!?増えた!?」
弓道部「しかも全部黄色い花が咲いてる枝…」
ことり「こんなふうに幾らでも増やせるの♪」
海未「このままでは弓道場が金糸梅で埋め尽くされてしまいますよ!?」
弓道部「梅だけに!?」
花陽「金糸梅は花の形が梅の花に似てるだけで、実際はオトギリソウの仲間ですよ」
弓道部「へー」
ことり「早速、増えた枝を植えに行こう♪」ガサッ
花陽「はい」
【生徒会室】
穂乃果「はちみつ部設立の申請書です!」
希「養蜂部やなくてハチミツ部なん?」
穂乃果「はい。養蜂だけじゃなく花を育てたり、はちみつに関係することをいろいろやろうと思って…」
絵里「一歳以下のお子様にはハチミツを与えないでください。純粋蜂蜜には稀にボツリヌス菌の芽胞が混入」
穂乃果「って、これ申請書じゃないじゃん!」
ことり「穂乃果ちゃんが貰ってきたハチミツに同封されてた注意書きだね」
海未「どうやったら間違えるんですか…」
希「もらったハチミツ?」
穂乃果「あ、はい。UTXで養蜂してる先輩がハチミツをひと瓶くれたんです。今からみんなで試食しませんか?」
絵里「みんな?」 ガチャ
にこ「来たわよ。高坂」
真姫「わざわざハチミツを食べるために集まるなんて…」
花陽「あのハチミツ、私も気になってたんです♪」
凛「UTXでは室内で養蜂してたけど、それで美味しいハチミツができるのかにゃ?」
ミカ「でも一番売れてるんでしょ?」
ヒデコ「国産のハチミツにしては安いからっていうのもあると思うけど」
絵里「ちょ、ちょっと…生徒会室はフードコートじゃないのよ」
希「はちみつだけで食べるん?」
穂乃果「フミコ。あれ持ってきてくれた?」
フミコ「うん。今切り分けるね」ガサ
凛「わあー、大きいフランスパン!」
真姫「バゲットはパンの中でも余計な物が入ってないから、ハチミツの味を際立たせるには最適ね」
ミカ「バゲットとパリジャンってどう違うんだっけ?」
ことり「もっと太くて長い、バゲットよりひと回り大きいフランスパンがパリジャンだよ」
ほのうみのぞえりにこりんぱなヒデミカ「へー」
穂乃果「えへへ。じゃあ、いよいよハチミツの出番だね!」グッ
穂乃果「あ、あれ?フタが…あ、開かない…ふんぬっ、ぐぐぐ…ダメだぁ><」
真姫「貸して」
穂乃果「え?…でも開かないよ?」
真姫「開くわよ」ヒョイ
カポッ
真姫「はい」
穂乃果「簡単に開けちゃった!?」
真姫「当たり前よ。私は、こう見えても…」
にこ「高坂、もしかして逆に回してたんじゃない?」
穂乃果「えぇ!?…そ、そんなはずは…」
真姫「まあいいじゃない。開いたんだから…食べましょ」
ことほのうみのぞえりにこまきりんぱなヒフミ「いただきます♪」 花陽「おいしい♪」モグモグ
凛「あまーい♪」
にこ「けど、後味すっきりって感じね。ノドに張りつくような甘さじゃないっていうか…」
希「あっさりしたハチミツやな。万人受けするっていうのもわかる気がするよ」
絵里「でも何の花のハチミツなの?」
フミコ「レンゲかクローバーっぽいような…」
穂乃果(確かに美味しい。あっさり、すっきり…でもそれだけじゃない。この香り…何だろう?)
海未「これがUTXの実力…これを越える蜂蜜を作れるのですか?」
穂乃果「それはミツバチさんの頑張り次第かなぁ」
ことり「金糸梅の花があっても、肝心のミツバチがいないと…」
凛「どこかで野生のミツバチさんを捕まえてくるのー?」
にこ「野生って…都会の真ん中にそんなのいるの?」
絵里「どうするつもり?」
穂乃果「だってー可能性感じたんだ♪」
【五月】
穂乃果(短期間で爆発的に増えた金糸梅が次々と開花。音ノ木坂が黄色く染まるくらい、たくさんの花が咲いたけど…)
ことり「本来は四月には採蜜を始めて、今頃が最盛期なんだって…」
海未「だからUTXでは穂乃果にひと瓶くれるほどたくさんハチミツがあったんですね…」
穂乃果(四月にはまだミツバチがいなくて出遅れた私たちは、採れたハチミツの量も少なくて…)
絵里「素人にしか見えない」
穂乃果「うぅ…」ガクッ
真姫「まだ諦めるのは早いわよ」
ことほのうみ「えっ」
花陽「北海道では夏でもハチミツが採れるんです!」
穂乃果「ま、まさか…」
凛「北海道へ行っくにゃー!」
にこ「本気!?」 【六月】
穂乃果(真姫ちゃんが撮ってくれた満開の金糸梅の写真が話題を呼び、音ノ木坂に興味をもってくれる人が増えてきた!)
ことり(さらに私たちは北海道にある真姫ちゃんちの別荘の敷地に巣箱を設置して新しく養蜂を始めた!)
穂乃果「なんだか真姫ちゃんに頼りきりで…申し訳ない気もするけど」
真姫「まあ写真はともかく、別荘は親の物だし…私は何もしてないわよ」
穂乃果「でも真姫ちゃんのおかげだよ!ありがとー♪」ギュー
真姫「だ、だから何でいちいち抱きつくのよ///」
花陽「とにかく、これで夏にはハチミツがたくさん採れる可能性が出てきたね」
凛「でも花はどうするのー?金糸梅の季節は終わっちゃうにゃ」
真姫「辺りが一色に染まる美しさは金糸梅だけじゃないわよ。北海道といえば?」
【七月・北海道】
凛「わあー!すごいにゃ♪」
にこ「ラベンダーからもハチミツが採れるなんて知らなかったわ」
穂乃果「きれいだねー!ミツバチさんもいっぱいいるよ♪」
真姫「けど、これでハチミツが採れなきゃ養蜂は失敗よ。ここからが本番!」パシャシャ
穂乃果「ミツバチさんたち、ファイトだよっ!」
花陽「た、大変ですっ!」ドタバタ
海未「花陽。何が大変なんです?」
花陽「東京から連絡があって…オープンキャンパスのアンケートの結果によっては廃校が正式に決定となるそうです」
穂乃果「廃校!?そんなぁ!ことりちゃーん!><」
【二週間後・音ノ木坂】
穂乃果(音ノ木坂で採れた金糸梅のハチミツ。そして北海道で採れたラベンダーのハチミツ…両方あわせても量はそんなに多くないけど、このハチミツをオープンキャンパスに来てくれた受験生に食べてもらって何とかアピールするしかないよ!)
穂乃果(でも不安だなぁ…せっかく二種類あっても、これだけで全員に二種類食べてもらえるかどうか…)
「ごきげんよう。穂乃果ちゃん♪」
穂乃果「えっ。…あ、あれ?中学生にしては随分オトナっぽい…」
あんじゅ「うふふ。私、中学生じゃなくて先輩よ?」
穂乃果「あ、あなたはUTXの…えーと」
あんじゅ「…忘れちゃったの?」クスン
穂乃果「ご、ごめんなさい…あれから、いろいろ大変で…」 あんじゅ「もう。あんじゅよ。優木あんじゅ」
穂乃果「そうそう、ゆーき先輩!」
あんじゅ「あんじゅでいいわよ。穂乃果ちゃん」
穂乃果「はあ。でも、あんじゅ先輩がどうして音ノ木坂に…?」
あんじゅ「せっかくの日曜だし、穂乃果ちゃんをデートに誘いたくて♪」
穂乃果「アハハ…あいにく今日はそれどころじゃないんですよ」
あんじゅ「知ってる。でも私との約束、忘れてない?せっかくハチミツをあげたのに」
穂乃果「あ。そういえば…」
『うふふ。後で感想も聞かせてね♪』
あんじゅ「どうだった?私の可愛いミツバチたちが集めたハチミツは」
穂乃果「とっても美味しかったです。まろやかで、しつこくない甘さで…フミコは多分レンゲかクローバーって言ってたけど、微かにそれ以外の香りがしたような…」
あんじゅ「さすが穂乃果ちゃんね。…そう、あの瓶にはあえて何の花のハチミツか書いてなかったの。あれは百花蜜よ」
穂乃果「!…そっか、ミツバチが自由にいろんな花から集めて自然にできたブレンド蜜…!」
あんじゅ「ええ。その中にローズマリーなどのハーブの花蜜も入ってるの。独特の香りは多分それ」
穂乃果「だから安くて美味しくて量もたくさん採れるんだ…」
あんじゅ「本当は来月、穂乃果ちゃんの誕生日にあげるつもりだったけど…はい。穂乃果ちゃん」
穂乃果「これ…あのときと同じ百花蜜?」
あんじゅ「いいえ。これは先月採れたマロニエのハチミツよ」
穂乃果「じゃあ、春の花が終わった後に採れる蜜…」
あんじゅ「そう。まとまった量のハチミツが採れるチャンスはだいたい一年に一度だけ…だから、百花蜜の後に採れるハチミツも作ったの」
穂乃果「さすが日本一のスクール蜂蜜…私たちじゃ全然かなわないです」
あんじゅ「そんなことないわよ。量は少なくても珍しくて美味しい、あなたたちだけのハチミツを作ってるんでしょ?」
穂乃果「は、はい。ただ、今回は少しでも受験生向けのサービスに回したいから私たちはほとんど食べられなくて…」
あんじゅ「だ・か・ら。かわりに私のハチミツを穂乃果ちゃんに思う存分味わってほしくて♪」
穂乃果「あんじゅさん…ありがとう」ウルウル
あんじゅ「頑張ってね。私が言うのも何だけど…廃校にならないように」
穂乃果「もう今からやれることもほとんどないけど…頑張ります!」 あんじゅ「ん。じゃあ私はこれで…いつか、穂乃果ちゃんのハチミツも食べてみたいな♪」
穂乃果「は、はい。これからも続けますよ。養蜂!」
穂乃果(受験生の奪い合いではUTXはライバルだけど…養蜂が好きで、はちみつが大好きってことは私と同じだよね。あんじゅさん…)
雪穂「お姉ちゃん!」
穂乃果「あ、雪穂。来てくれたんだ?」
雪穂「そりゃ私だって受験生だし」
穂乃果「でも雪穂は音ノ木坂」
雪穂「それより!さっきの人、誰!?中学生じゃないよね?」
穂乃果「あんじゅ先輩のこと?…雪穂ったら、ずっと見てたの?」
雪穂「だって、お姉ちゃんが音ノ木坂の生徒以外の女の子と…怪しい」ジトー
穂乃果「怪しくないよ。養蜂の先輩だよ。はちみつを持ってきてくれたの。…ほら」
雪穂「ふーん。…ならいいけどさ」
穂乃果「音ノ木坂以外の、とか言うんだったら雪穂も音ノ木坂に入ってよ」
雪穂「だから、廃校にならないんだったらそうするって」
穂乃果「ところで、亜里沙ちゃんは?」
雪穂「いるよ。…ほら」
亜里沙「お姉ちゃん♪」ギュー
絵里「あ、亜里沙…恥ずかしいわ///」
生徒会A(かわいい)
生徒会B(微笑ましい♪)
生徒会C「うらやましい…私も会長に抱きつきたい!」
希「声に出とるよ」
ほのゆき「…」
穂乃果「雪穂ー♪」スリスリ
雪穂「や、やめてよ。暑苦しい…」
穂乃果「なにー?じゃあ雪穂は冷房の効いた部屋で私と一日中ひっついていたいの!?」
雪穂「それは…お姉ちゃんがどうしてもっていうなら、してあげてもいいけど」
穂乃果「残念だけど今日はそれどころじゃないの」クスン
雪穂「わかってるって」ナデナデ モブJC(これが噂のハチミツ…)パク
穂乃果「(この子、雪穂と亜里沙ちゃんの友達だよね)…ど、どう?」
モブJC(穂乃果さん…かわいい)ニコ
穂乃果「おいしい?」
モブJC(とっても美味しいです♪)コク
穂乃果(なんだか、うちのお父さん並みに無口な子だなぁ…)
穂乃果「ね、ねえ雪穂。あの子って…心が叫びたがってる感じ?」
雪穂「は?…なにそれ?」
【八月】
穂乃果(二種類のハチミツが好評で、なんとかぎりぎり廃校は回避。金糸梅の枝が増え続ける不思議な弓道場も受験生の間で密かに話題になってたみたい)
絵里「私は入部した覚えはないんだけど…」
穂乃果「というわけで、はちみつ研究部の夏合宿だよ!」
にこ「言っとくけどあんたたち正式な所属は私の!アイドル研究部だからね!」
穂乃果(そう…単独で部の設立が認められなかった私たちは、にこちゃんのアイドル研究部にお世話になってるの)トホホ
希「エリちもハニ研に入ったらいいのに」
凛「もう実質部員だよねー?」
絵里「私は生徒会長よ。希だって副会長なのに自覚が無さすぎるわ」
希「ウチはもともと超常研と掛け持ちやし…今更ハニ研が増えたところで大差ないやん?」
海未「それより合宿なのですから、遊びに来たわけではありませんよ」
真姫「まあ、まだ廃校の可能性が完全になくなったわけじゃないし…」
花陽「来年、はちみつがたくさん採れるかどうかはオフシーズンの準備によって決まるんです!」
ことり「今年は準備不足であまり採れなかったけど…」
にこ「ま、私たち三年は卒業しちゃうから…もう音ノ木坂の養蜂には関係ないけどね」
絵里「そうよ。私は今更入部したって意味がないわ」
穂乃果「そんな!…確かに採蜜は一緒にできないかもしれないけど…でも、同じ部活なら一緒に過ごせるじゃないですか」
絵里「そう言われても…養蜂である必要がないわ。廃校阻止により効果的な手段があれば、ほかの部活動のほうが…」
穂乃果「絵里さんと一緒にやりたいんです!ハニ研に入ってください!」ギュ
絵里「ちょ、ちょっと…高坂さん///」
穂乃果「穂乃果って呼んでください!」
真姫(…ふーん) 【海岸】
ツバサ「さ、寒い…英玲奈、よく平気で泳げるわね」
英玲奈「誤解があるようだが…南側の海域は温帯だ。言うほど寒くはないはずだ」
ツバサ「日本の夏より圧倒的に涼しいのは事実よ。水も風も冷たいし」
英玲奈「それより…あんじゅはどうした?」
ツバサ「さあ?一応水着には着替えてたはずだけど…どこ行ったのかしら?」
凛「はい、穂乃果ちゃん。ハッピーバースデー♪」
穂乃果「ありがと…なにこれ?」
凛「花火!…だったもの?」
穂乃果「昨日やった花火の残骸じゃん…ちゃんと捨ててよ!><」
凛「ご、ごめんにゃ。カブト虫でも捕まえてプレゼントしようと思ってたんだけど」
穂乃果「いや、それもいらないけど…虫さんって得意じゃないし」
凛「えー?養蜂はあんなに好きなのに?」
穂乃果「ミツバチさんはハチミツを集めてくれるから好きってだけで、ハチが特別好きなわけじゃないもん」
凛「そっかぁ…でもアイスランドにはカブト虫はいないのかにゃ?」
穂乃果「どうなんだろう…ハチミツは採れるからミツバチならいると思うけど」
あんじゅ「あっ、いたいた。穂乃果ちゃーん!」タタタ
穂乃果「えっ。まさか…あんじゅさん!?」
凛「にゃ?…地元の人ですかー?><」
あんじゅ「違うわよ。四月にUTXで会ったでしょ?」
穂乃果「A-RISEの優木あんじゅさんだよ」
凛「あ。世界一のハチミツをくれた人だよねー?」
穂乃果「そうそう。…でも、どうしてアイスランドにいるんですか?…しかも、ヴェストマンナエイヤルの無人島に…」
あんじゅ「アイスランドってハチミツが採れる北限でしょ?私たちも養蜂に携わる者として興味があるの。だから三人で合宿♪」
凛「なるほどにゃ」
あんじゅ「でも、今日の私は穂乃果ちゃんの誕生日のお祝いに来たのよ♪」
穂乃果「え。でも先月、はちみつをひと瓶いただいたばかりで…しかも百花蜜より高級なマロニエのハチミツ」
あんじゅ「美味しかった?」
穂乃果「すっごく美味しかったです!固まりにくいからお料理にも使いやすいし」 あんじゅ「気に入ってもらえてよかったわ。それで、この間できなかったことをしたいんだけど」
穂乃果「できなかったこと?」
あんじゅ「今度こそ穂乃果ちゃんをデートに誘いに来たの♪」
凛「にゃ!?」
穂乃果「えーと…でも私たちも合宿で来てるんですけど…」
凛「そ、そうにゃそうにゃ!」
あんじゅ「アイスランドの夏は白夜だからお外が明るい時間が長いでしょ?昼間はみんなと一緒で、夜は私と」
「ちょっと待った!」
ほのりんあん「えっ」
穂乃果「ちょっ…雪穂!?なんでいるの!?」
雪穂「なによ。私が居たら困るの?」
穂乃果「そ、そんなことないけど…だって、来るなんて言ってなかったのに」
雪穂「わざわざ海外で合宿なんて怪しいと思ってたのよ。はちみつと海って何も関係ないじゃん。そしたら案の定…」チラ
あんじゅ「もしかして…穂乃果ちゃんの彼女?」
穂乃果「ちが」
雪穂「はい。私は高坂雪穂。穂乃果は私の妻です!」
凛「!?」
穂乃果「な、なに言ってるの雪穂!」
あんじゅ「まさか結婚してるなんて…」
穂乃果「違いますよ!?雪穂は私の妹だから苗字が同じなんです!」
雪穂「でもお姉ちゃんは私のだから」ギュ
あんじゅ「あら。…ふふふ。穂乃果ちゃんにはそういう相手がいたのね」
穂乃果「妹ですってば///」
凛「禁断のアレにゃ///」ドキドキ
穂乃果「凛ちゃんまで何言ってるの><」
あんじゅ「今日のところはこれで失礼するけど…私には穂乃果ちゃんの大好きな究極のハチミツがある。そして…」チラ
雪穂「?」
あんじゅ「あなたには無い」クス
雪穂「!」
あんじゅ「じゃあね。穂乃果ちゃん…ハッピーバースデー♪」
穂乃果「は、はい。ありがとう…」
スタスタ 雪穂「お姉ちゃん!浮気なんて許さないからね!?」
穂乃果「いや、浮気も何も私は雪穂の妻じゃないし。姉妹だもん」
雪穂「じゃあ…お姉ちゃんは私より、あの人の妻になりたいっていうの?」
穂乃果「そんなんじゃないよ。あんじゅさんは養蜂の先輩だって言ったでしょ。親切だし素敵な人だけど、恋愛とかじゃないし…」
雪穂「じゃあ、お姉ちゃんは誰の妻になりたいの?」
穂乃果「そ、そんなの考えたことないよ」
雪穂「本当に?全然ないって言えるの?」
穂乃果「んー。まあハニ研のみんなも素敵だけどね。真姫ちゃんに絵里さんに希ちゃん、にこちゃん、花陽ちゃんでしょ。あと、凛ちゃん♪」
凛「えへへ。照れるにゃ♪」
雪穂「まったく。お姉ちゃんは欲張りなんだから…」
穂乃果「でもね…素敵な人は、たくさんいるけど」
雪穂「?」
『…もしかして、もうホームシック?』
穂乃果(東京を出発して四日目。何もかも日本とは違いすぎる国で、ちょっと家が恋しくなってきた頃だったんだ)
穂乃果「雪穂は。…私の妹は世界で一人だけだもん。目移りなんてしないよ♪」ギュ
雪穂「お、お姉ちゃん…///」
凛(やれやれにゃ)
穂乃果「えへへ。それで雪穂は何くれるの?」ワクワク
雪穂「へ?」
穂乃果「今日。何の日かわかるよね?」
雪穂「あ…う、うん。私が忘れるわけないじゃん?」
穂乃果「わくわく♪」
雪穂「じゃあ、これ…誕生日おめでとう。お姉ちゃん」
穂乃果「ありがと♪…なにこれ?」
雪穂「蜂蜜かりんとう」
穂乃果「…北海道の?」
雪穂「いや、東京に決まってるでしょ?」
穂乃果「ま、まあいいけど…」
穂乃果(人々は紀元前からハチミツを食べている。養蜂は世界中で行われ、数え切れない種類の花ごとにハチミツの特徴も変わる)
穂乃果(ミツバチがいろんな花の蜜を集めるように…私も、いろんな女の子にひかれたりするのかもしれない) 雪穂(お姉ちゃんは今日で十七歳。私は、まだ十四歳…ほれっぽいお姉ちゃんが心配だけど)
穂乃果(だけど…雪穂は合宿も何もないのに、こんな遠くまで来てくれた。雪穂に会えて、すごく嬉しい…)
雪穂「すみません…お世話になります」ペコ
真姫「じゃあ、適当な部屋に…」
雪穂「お姉ちゃんと一緒がいいです!」
真姫(まったく…どうして私の周りはシスコンが多いのかしら)ハァ
穂乃果(どこまで飛んでも、帰りたい巣箱はひとつ)
雪穂(お姉ちゃんは、いつでも自由に飛び回ってるつもりかもしれないけど。お世話する養蜂家は私なんだからね!)
おわり >>31-32
たぶん読めばわかるよ
関連性の濃い物から順に貼っていくから“?”がつくのはネタ切れになってきて無理やりこじつけてる最後の方
あとプリキュアは全然知らないし興味ないから無理 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています