凛「視える私と」 [無断転載禁止]©2ch.net
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「まいどありー!」
真姫「はー…」ガララ
凛「ふー…」ガララ
凛「いっぱい食べたね」ツヤツヤ
真姫「食べすぎでしょ」 真姫「あなたが部活帰りに寄り道しようだなんて急に言い出すから、どこに行くのかと思えば」
凛「もちろん、ラーメン屋さんに決まってるにゃ!」
真姫「まあ、想定内だったけど」
凛「でしょ?」 真姫「たまにはラーメン屋さん以外でもいいんじゃないの」
凛「じゃあ…駄菓子屋さんとか?」
真姫「はあ?高校生の行くところじゃないでしょう」
真姫「凛ってば、ほんとに子供っぽい」
凛「にゃんだとぉ!?」 真姫「それで、本当に花陽のお見舞いに行かなくていいの?」
凛「さっきも言ったよー。明日には来れそうだからお見舞いはいいって、かよちんからメールが」
真姫「でも…」
凛「…もぉ、真姫ちゃん」
凛「あんまり押しかけたら、かよちんのママに迷惑かけちゃうよ」
真姫「!そ、そうね、ごめんなさい」 凛「……ふふっ」
凛「もぉー、真姫ちゃんのほうが凛より子供っぽいにゃ」
真姫「!?い、イミワカンナイ!!///」
凛「あはは」
凛「…心配なんだね、かよちんのこと」
凛「優しいね、真姫ちゃん」 真姫「っ///急にそういうこと言わないでよ…」
凛「あははっ」
真姫「……」
凛(…ああ、また、暗い顔)
凛(今日は、いつもより多いや) 凛「大丈夫。かよちんは風邪だよ。絶対『治る』から」
真姫「…う、うん」
凛「…」
真姫「…ねぇ凛、ちょっといい?」
凛「なぁに?」 真姫「」ポフッ
凛「…」
凛「どうしたの?肩に顔なんかうずめてきて」
凛「真姫ちゃんらしくないね」アハハ 真姫「…」
真姫「昨日、患者さんが亡くなったの」
真姫「うちの病院の」
凛「…」
凛「そっ、か」
凛(やっぱり、だね…) 真姫「中学生の女の子で、私も、その子とよく話していたの」
真姫「懸命にパパの手伝いをしたけど、……結局…」
凛「…」
凛(今日、少し目が腫れていたのは)
凛(きっと、泣いていたからなんだろうなあ) 凛「頑張ったね、真姫ちゃん」ポン
凛「凛が偉そうに言えることじゃないけど」
凛「真姫ちゃんと真姫ちゃんのパパに診てもらって、その子は幸せだったと思うな」ナデナデ
真姫「…うん」
凛(…ああ、いる)
凛(視える) 凛「……本当に優しいね、真姫ちゃん」
真姫「…ありがとう凛」
真姫「もう大丈夫。行きましょう」
凛「うん」 凛「明日はどうしよっかー」
真姫「どうしよう、って?」
凛「放課後何するか、だよ!」
凛「そうだ、かよちんの快気祝いに遊びに行こうよ!」 凛「そうだ、かよちんの快気祝いに遊びに行こうよ!」
真姫「またぁ?それで、ほんとに駄菓子屋行くの?」
凛「ううん、ラーメン屋さん」
真姫「またぁぁ!?」 凛「駅前に新しくできたんだよ!今日行ったところとはまた違うとこ!」
真姫「本当にあなた、好きなことに関してはとことん追求するタイプよね」
凛「新しくできたところは、すっごく人気だから、早めに行かないとだよ!」 凛「授業が終わったらすぐに3人で走って…」
真姫「何言ってんの。授業が終わったら部活でしょ」
凛「あ」
真姫「どんだけ行きたいのよ。まったく…しっかりしてよね」 真姫「凛ってば、目を離した隙にどこかに連れていかれそうだわ」
凛「むー!そこまでじゃないにゃ!」
真姫「そこまでいってるわよ」
真姫「凛には、花陽や私がついていないとね」
凛「むー」
凛(ついていないといけないのは、どっちだにゃっ)プンプン 真姫「…」
凛「……?」
真姫「……」
凛「真姫ちゃん?」
真姫「……」 凛「どうしt…」
凛(ネコちゃんの、亡骸……)
凛(くるまに、轢かれちゃったんだ…)
凛「……まき、ちゃ」 真姫「…」
凛(…暗い顔)
凛(悲しいん、だね)
凛「…」 凛(真姫ちゃんはほんとに優しいね)
凛(でも)
凛(沢山いるのは、きっと真姫ちゃんが『優し』すぎるから) 「あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁああ゛あ゛あ゛あ゛ア゛ぁァああ゛ァァ゛ア゙ア゙ア゙ア゛ァ」
真姫「…凛?」
凛(『こわいもの』が) 凛(子供のころ)
凛(かよちんと一緒に守り続けたネコちゃんたちが、死んじゃったとき)
凛(たくさん泣いて、泣き続けて…)
凛(その日から、凛には視えるようになった)
凛(凛にしか視えない、『こわいもの』) 凛(『こわいもの』は、だいたい人の背後に憑いてる)
凛(たくさん憑かれてる人もいれば、何にも憑かれてない人もいる)
凛(うちの家族や、かよちんには、憑いていない)
凛(お隣のおじいさんにはたまに憑いてるぐらい) 凛(……だけど)
凛(真姫ちゃんは、極端に『憑かれやすい』) ア゙ア゙ア゙ァァアアア………オ゛オ゛オォォ……
真姫「?」
凛(あーあ、もう、頭や肩にどっしり乗っかっちゃってる)
凛(それにしても真姫ちゃんには霊感というものが一切ないのかなぁ) 凛(真姫ちゃんが憑かれやすいのは、病院の娘だからっていうのもあるんだろうけど)
凛(一番の理由はきっと『優し』すぎるから)
凛(人の幸せを喜んで、人の不幸を悲しむことのできる真姫ちゃんのまっすぐな人柄は)
凛(『こわいもの』でさえ、惹きつけちゃうのかもしれない) 真姫「凛?」
凛(もう……仕方ないなあ)
凛(目を離した隙に、どこかに連れていかれそうなのは、真姫ちゃんのほうだよ?) 凛「…」
真姫「…凛、どうしt…」
凛「」スッ
キイイイイイィィィィィィィィィン 真姫「…?」
真姫「…今、何か」
凛「」チュッ
真姫「……へ?」
真姫「え……?な…っ、はぁ!?///」カアアァァッ
凛「ふふっ」クスクス 凛「もう、しっかりしてないのはどっちだって話にゃ」
凛「真姫ちゃんにはやっぱり、凛がついてないとね?」
真姫「な……」
真姫「何の話よ!?」
凛「何でもないよーだ!」タタタッ
真姫「ま、待ちなさい!…あれ?なんか肩が軽くなったような…」 凛(…でも、別に悪いとは思わないよ)
凛(真姫ちゃんの、子供っぽいところ、意外としっかりしてないところ、優しいところ…)
凛「凛はぜーんぶ、大好きだにゃ!」ニコッ
凛「視える私と、憑かれやすい真姫ちゃんのお話」?Fin. ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています