善子「まさかずら丸がここまでヘタレだとは思わなかったわ」 [無断転載禁止]©2ch.net
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善子「え? ずら丸が私に惚れるボタン?」
鞠莉「そう! 善子にプレゼント♡」
善子「小原グループって実は魔導科学者集団を束ねる秘密結社なの?」
鞠莉「さあ? 私が作ってってパパにお願いしたら、できちゃった♡」
善子「いにしえの魔導と現代科学を組み合わせなきゃ、こんなものできないでしょ!」 鞠莉「いや、100パーセント科学の賜物よ? 魔導なんてこの世に存在しないんだから」
鞠莉「特殊な電磁波を相手の脳に照射して、ちょこーっと洗脳する技術を開発しただけだから」
善子「な、なんという魔導に匹敵する科学力……。堕天使的にはアレだけど、これはこれで夢が……」
鞠莉「って! そんなことはどうだっていいの! はいこれ! ……受け取ってくれるわよね♡」
善子「いらないわ」 鞠莉「えっ……ど、どうして?」
善子「私には人の心を操る趣味なんてないから。つまんないし」
鞠莉「むぅ……堕天使のくせに? いつも人を魅了したいとか言ってるくせに?」
善子「自分の力で成し遂げなくては意味がないわ」
鞠莉「ふーん……つまんないの。じゃあ大義名分を与えるわ」 善子「大義名分?」
鞠莉「彼女がヘタレなのかそうでないのかを見極める実験ってことにしましょ」
善子「はあ? そんなのが大義名分? ……でも……まあ……、面白そうね」
鞠莉(食い付いた!)
鞠莉「でしょ!? でしょ!? 面白そうでしょ!? じゃあホラホラ、受け取って!♪」グイグイ 善子「やれやれ……仕方ないわね……」スッ
鞠莉「ちなみに、ボタンが押されてる間の花丸の記憶は、ボタンをOFFにした時点で消去されるから! 惚れる効果も解除されるわ」
善子「へえ、そうなの……便利っちゃ便利だけど、結局は惚れさせる作用は永続せず、ボタンを押してる間の一時的なものなのね」
鞠莉「何言ってるの? 逆に言えば、ボタンをずっとONにしておけば永遠に惚れたままってことよ? OFFにしなきゃいいだけのことよ?」
善子「まあ、確かにそうね。でも、私は実験が終わったらちゃんと解除するから」 鞠莉「はいはい。まあとにかく、OFFにするにしても、記憶が消えるってことはね」
鞠莉「ボタンを押してる間は、あんなのこともこんなことも、欲望のままに好き放題……っ!♡」
善子「しないから。極力控えるから。簡単な実験をささっと済ませるだけだから」
〜昼休み〜
善子(しかし、鞠莉……そしてこのボタン……本当に信じていいものかしら)
善子(もし単なる鞠莉のいたずらで、実はこのボタンには何の力もありませんでした、ってことだったら……) 善子(それでは迂闊に花丸に手出しできないわ……まずはこのボタンが確かなものかどうかの実験を……)
花丸「善子ちゃ〜ん、おまたせ〜っ」タッタッタッ
善子「呼び出して悪いわね、ずら丸」
花丸「ううん、大丈夫だよ」
善子(まずは記憶が実際に消えるかの実験)ポチッ 花丸「! ///」
善子「ねえずら丸、突然だけど『堕天使』って言ってみて」
花丸「ええっ? な、なんで? ///」
善子「いいから」
花丸「??? じゃあ……堕天使……///」 善子「はい、解除」ポチッ
花丸「……あれ?」
善子「さっき言ったこともう一回言ってみて」
花丸「え? さっき? ……『ううん、大丈夫だよ』?」
善子「……堕天使って言わなかったかしら」 花丸「もう……何言ってるの善子ちゃん」
善子(オッケー、ほぼ信じてよさそうね。……でも、ボタンを押してる間私のことが好きだという事実は……?)
善子(ふぅ……どうせ記憶は消えちゃうんだし……私から告白して確かめるしかないか……)
善子(……よし!)ポチッ
花丸「! ///」 善子「ねえずら丸……手を繋ぎましょうよ」
花丸「ええっ!? //// ど、どうして……!? ////」
善子「え……。嫌なの?」
花丸「いいい嫌じゃないずら! ////」
善子「そう……じゃあ……」スッ 花丸「う……ううう……/////」プルプルプル
善子「? 何してんの? 早く繋ぎなさいよ」
花丸「う……くっ……うぅ……/////」ジリジリジリ
善子(まさか本当に嫌なの!? そんなに嫌なの!? 私と手を繋ぐのが!? ……っていうかボタンの効果なしィ!?)
善子(ヤバイヤバイ、心が折れそう……! だけど……っ!)グッ 善子「何よ……! ちょっと繋ぐくらいっ! いいじゃないのっ!」ギュッ
花丸「ひゃあああっ!! /////」ビクゥッ
善子「そんなっ……叫ばなくたって……!」
善子「ぅ……くっ……! ……まあいいわ……手を繋いだまま、よく聞いてよね」
花丸「ふえっ!? /////」ガクガク 善子「私、アンタのことがね……好きなのよ」
花丸「!?!?!? /////」
善子「友達としてだけじゃなく……恋愛対象として……」
花丸「…………」カチコチ
善子「女の子同士、変なのは分かってるけど……でも……!」 花丸「…………」シーーン
善子「ねえ花丸? 聞いてる?」
花丸「…………」
善子(ほんとに今のこいつ、私のことを好きになっててくれてるのかしら……)
善子「アンタは私のこと……どう思ってる?」 花丸「…………」
善子「口に出せないなら体で示して」
花丸「っ!? /////」ビクッ
善子(あ、反応した)
善子「私のことを友達としてしか見れないなら、繋いだ手を振り払って。とっとと振って」
花丸「っ! ///」ギュウ
善子「! ……私のことが恋愛的な意味で好きであるなら……今から10数えるから……その間手を握っててね」
花丸「…………/////」コクン 善子「じゃあ行くわよ……。1……2……3……4……5……6……7……8……」
花丸「…………/////」ドキドキドキ
善子「……9…………10…………。……ありがとう……」
花丸「///////」カオマッカ
善子(……花丸の顔、めっちゃ赤っ!)
善子「じゃあ今から私たち、今から恋人ってことで……いいかしら」
花丸「ぅ、あ……は……はいぃ……/////」ドギマギ 善子「……そう。じゃあ、そういうことで。よろしくね」
花丸「……/////」
善子(よし……! ボタンの効果は確実ね……! ……ああ、偽りの愛とはいえ、こうして結ばれるのは嬉しいものね……)
善子(まあこれは、ボタン1つで失われる虚しい関係だけどね……。にしてもこの花丸、ちょっと緊張しすぎじゃないかしら?)
善子(……まあいいわ。準備は整った。実験開始よ!) 善子「ねえ花丸」
花丸「は、はい……っ///」
善子「ヨハネのこと抱きしめてよ」
花丸「ええっ!? /////」
善子「幼稚園の頃よくしてくれたじゃない。あなたと私の仲でしょ?」
花丸「あ……ぅ……/////」モジモジ
善子「どうしたの? 早くぎゅってしてよ」 花丸「……/////」モジモジ
善子「できないの? まさか……嫌なの?」
花丸「! いっ、嫌なんかじゃ……! /////」
善子「じゃあ早く。お願い」
花丸「う……くっ……/////」モジモジ
善子(ん?)
善子(なんか手を繋いだ時からずっと、必要以上に恥ずかしがってる……?)
善子「これって……そういうこと?」 花丸「? ///」
善子「ずら丸……アンタまさか……」
善子「手を繋ぐことすら臆するほどの……極度のヘタレ……?」
花丸「!! ///」
花丸「ま、マルは! ヘタレなんかじゃ……! ///」プルプル
善子「じゃあ早くヨハネを抱きしめてよ」
花丸「そ、それは……っ! /////」 善子「はぁ……もう! 焦れったいわね!」ギュッ
花丸「あわわわわわ……! /////」ギュウ
善子「ほら。頬ずりしなさい」スッ
花丸「ほっ、頬ずり!? /////」
善子「これも幼稚園の時にしたでしょ! キ……」
善子(キスだってしたじゃない! とか言ったら気絶しそうね、こいつ……)
花丸「なっ、なんでもかんでも幼稚園幼稚園言わないでほしいずらっ! ///」
善子「……」 花丸「マルたちはもう高校生で! あの頃と関係性も違えば、『好き』という気持ちも違っ……! ///」
善子「言い訳? やれやれ……情けない……」
花丸「……っ」
善子「アンタのことは好きだけど、まさかここまでヘタレだとは思ってもみなかったわ」
花丸「……」シュン
善子「これは付き合っても当分はキスもできそうにないわね」
花丸「き……キス……///////」カァァァァァァッ
善子「……。私がグイグイ行くしかないのね……。よく分かったわ……実験終了」ポチッ 花丸「……?」
花丸「善子ちゃん、どうしたの?」
善子「いや……ちょっとね……」
花丸「なんか浮かない顔だね。悩みでもあるの?」
善子「……」
花丸「元気出して……善子ちゃん」ギュッ
善子「……あれ?」ギュウ
花丸「ふふっ……こうするの幼稚園以来だね〜♡」 善子「あ……えっと……!? そ、そうね……?」ドギマギ
善子(何? どういうこと?)
花丸「それ〜♪ うりうり〜♪」スリスリ
善子「ちょ、ちょっとぉ! ///」スリスリ
善子(や、やわらかくてすべすべ……っ///)
花丸「よくこうしてほっぺたすりすりとかしてたよね♪」ピトッ
善子「そ、そうね……してたわね……/// も、もういいわよ、あ、ありがと……///」 花丸「ちょっとは元気になった?」
善子「あ、えーと……まあ……///」
花丸「それはよかったずら!」ニコッ
善子「……ねえ」
花丸「ん?」
善子「昔……キスもしちゃったわよね……私たち……」
花丸「ああ……そうだね! よくふざけ合ってしちゃってたね〜♪」
善子「あれぇ……?」 善子(……そっか……)
善子(今の私、まるで意識されてないんだ……)シュン
善子(だから全然緊張してないのね……花丸……)ドヨーン
花丸「……また悲しそうな顔してる……」
花丸「マル、善子ちゃんには笑っていてほしいな」 善子「ずら丸……」
花丸「元気出してっ」チュッ
善子「……っ!?」
善子「な、なな、な……!! ///」
善子「なにすんのよ!? ///」
花丸「だって、あの頃の善子ちゃん、チューするといつも嬉しそうにしてたから……」
善子「今と昔じゃ違ーうっ!! ///」 鞠莉(……いや〜、お熱いわね〜♡)
鞠莉(花丸は心の奥底で善子に対し恋愛感情を持っているが、それを全く自覚していない……)
鞠莉(今のところ無自覚攻めってわけね♡ ……ただし自覚した途端にとんだヘタレになる、と)
花丸「なんだか懐かしいずら……!」ギュッ
善子「ちょ、ちょっとぉ! 放しなさい〜!」ジタバタ
花丸「善子ちゃん、チューしよ♡」
善子「こ、このぉ……! ///」ピタッ 鞠莉「チャオ〜☆ なんだか楽しそうね♡」ザッ
善子「!! まっ鞠莉!? 見てたの!? いつから!?」
鞠莉「最初から♡ ボタンを貸したのはこのマリーなんだから、トーゼンの権利よね♪」
善子「〜〜〜っ!! /// まあいい、とにかく今ピンチなのっ! 助けてっ! ///」
鞠莉「嫌なら抵抗すれば? 避ければ? じゃあね〜♪」ダッ タッタッタッタッタッタッ
善子「あぁっ! こら〜〜っ!!」 鞠莉「……付き合う前も、いつか付き合えた時も、苦労するわねこれは……♪ ふふっ♡」タッタッタッタッ
花丸「あれ? 今更キスくらいで動揺するの?」キョトン
善子「あ、アンタだけには言われたくない〜〜〜っ!!」
花丸「抵抗するのはやめたの?」
善子「こ、このヨハネに本気で恋したらとんだヘタレになるくせに……んん〜っ!!? /////」チュッチュッ...♡
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