凛「海未の日」 [無断転載禁止]©2ch.net
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それは、叶わない恋のお話……
海未「凛!遅れていますよっ?」
海未「凛っ!!そこも違いますっ!!」
凛「そこは・・・!」
凛(なんで、こんなに海未ちゃんは凛に……)
なんで、凛にだけ厳しいの?海未ちゃん… 凛「はぁ〜……」
花陽「凛ちゃん?どうしたの?」
凛「海未ちゃんがねー?」ブツクサブツクサ
花陽「ま、まあ凛ちゃん?仕方ないよ?海未ちゃんも一生懸命なんだし?」
凛「もぉっー!かよちんまで!!海未ちゃんの味方するーっ!」プンプン
花陽「ええっー?!私はただ……」オロオロ
凛「あーあ!海未ちゃんって凛のことキライなのかなぁ……」
花陽「そっ、そんなことないよ!絶対っ!!」
凛「そっかー…かよちんが言うなら!!」ニコッ
花陽(良かった…) 凛「じゃあねー!かよちん!!」フリフリ
花陽「うんっ!また明日ねっ?」フリフリ
・・・
凛「あーあ、凛一人か〜……」
海未(凛っ!何をしているんですっ?!)
凛(・・・!やっぱり腹が立つにゃ……!もう、海未ちゃんなんて知らないっ!)プンプン 凛(あ……忘れ物した……)
凛(取りに行かないとっ……!)タタッ 凛(はぁはぁ……よかった、学校開いてた……助かったぁ……)
タッタッタッ
ガラガラ…
凛(えーと、確かこの辺りに……)キョロキョロ
凛(あった!!よかった〜無くしたかと思った……)
ガラガラ
タッタッタッ
凛(7時の時間は学校にも誰もいないよね……なんか、ドキドキするな……)
凛(……明かり?)
タッタッタッ
凛「弓道場……?」キョロッ
海未「・・・」ギリギリ……
海未「・・・!!」シュッ
パアンッ!
凛(す、すごい……)ポカーン
海未「ふぅ・・・」チラッ
海未「もう、こんな時間ですか……」ガタッ
凛(あっ……こっちに来る!!)タタッ
凛(海未ちゃん……練習が終わったあとこんなことしてたんだ……) 凛(ふんっ……でも、かっこいいなんて思わないよっ!!)
凛(それより、早く帰らないと……)
タタッ-
凛(今日は晩ごはん何かなっー)ボーッ
ブーッブーッ!!
凛(カレーかな……もしかして、ラーメンとかかなっ?!)
ブーブーブーッ…
凛(楽しみっ!!ガンバろぉーっと!!)クルッ
ブブーッ…!!
凛「えっ・・・?!」
キキィーッ……
バンッ!!! チュンチュンチュンチュン……
凛「……あれ?」ガバッ
キョロキョロ
凛「夢……だったんだ…」ムクッ
凛「うわぁ!こんな時間!!急がなきゃっ!」フワッ
凛「よしっ!行こうっ!」 凛「あっ!かよちんだっ!!」
凛「おーい、かよちーん!!」
花陽「あっ!凛ちゃん!おはよっ!」
凛「よくねれた?」
花陽「もちろんっ!じゃっ、凛ちゃん学校行こっ?」
凛「うんっ!」 凛「・・・?」
花陽「どうしたの?凛ちゃん?」
凛「うんうん、なんでもないよっ……!」
凛(?) 凛「あっ!穂乃果ちゃんっ!」
穂乃果「おおっー!凛ちゃんっ!!おはよっ!」
凛「今日は一緒じゃないのっ?」
穂乃果「?」
凛「?」キョロキョロ
ことり「えへへー、見えちゃったか」
凛「見えてるよっ!」
凛「いや、もう一人はっ!?」
穂乃果「・・・?誰のこと?」
ことり「?凛ちゃんっ?」
花陽「どうしたの?凛ちゃん……?」
凛「・・・?」 凛(・・・?)
凛(そっか……気のせいだよねっ?)
花陽「ほらっ?遅刻しちゃうよっ?」
凛「うっ、うん!!」
ことほの「・・・?」
凛(なんなんだろう……誰かいないような……) 凛「やったあ!!練習にゃっ!!」
絵里「もぉっー…凛ったら調子いいんだから」
絵里「ほらっ始めるわよっ?」パンパン
穂乃果「よおっし!!やっちゃおー!!」
真姫「そうね!!」
花陽「やっちゃおっか!!」
にこ「仕方ないわねー…」
ことり「頑張ろうねっ!!」
希「たのしもうねっ!」
凛(・・・?) 絵里「ほら、ワンツーワンツー」
絵里「凛!!ナイスよ!!にこ?ちょっと動き遅いわよっ?」
絵里「穂乃果そこみぎ!!ことり?………」
凛(えっへへ!誉められちゃった…!)
絵里「はいー、練習お疲れ様っ!今日は気をつけてね?」
凛(嬉しい……けど、何か足りないような気が……) 凛「お風呂上がったよ〜っ…」ペタペタペタ
「こらっ?凛下着だけじゃなくて上も着なさいっ!」
凛「ふぁ〜い」ポチッ
『今日未明……車と人の衝突が―――』
ポチッ
凛「なんか、疲れたにゃ……もう、今日は経ようっ……」
ゴシゴシ
凛「!!?」
ガバッ
凛「今……」 ダッダッダツ
「こらっ?凛!ゆっくり階段は―――」
『次のニュースです……梅雨前線が……』
凛「気のせい……かな……」 凛「もう、今日は寝よっ……」
ドタッ…
凛(……眠い……)
Zzz...
凛(スーッスーッスーッ……) すまん、深夜ノリで適当にかいて適当に終わらそうと思ったのに意外と続いてしまった
だから、文章もこんなんなのに
すまん。まさか読んでくれてた人が居たとは
最後まで行くわ。最初は15レス予定だったんだがな チュンチュンチュンチュン
凛「はっ!」ガバッ
凛「なんだ8時……」グタッ
ガバッ!!!
凛「8時っ?!」
ドタドタドタドタ
「ちょっと!凛!足音うるさい!!」
凛「ごめ〜ん!!けど、時間がない!!」ササッ
「これだけでも、食べていきなさい!!」
凛「うんっ!ありがとう!!」ハムッ
凛「いってひまーふ!!」ダッダッダツ
「もう……」 凛「遅刻になっちゃうよぉーー!!急がなきゃ!!」ピューッ
凛「もう!信号遅いにゃ!!シャーーッ!!」
凛「って…なに一人でやってるんだろ」
凛「あー、もう!遅い!!じれったいにゃ!!」ダダッ
ブッブーブブーッ!!
凛「あ・・・!!」
キキーイッ!! 凛(死ぬっ……けど身体が……!!)
キキイィィィッッッ!!
「・・・!」
ガバッ
凛「?!あなたって……?!」
凛(どこかで、このシーン……見たこと………っ!!)
凛「危ないっ!!ぶつかるっ!!!」
「逃げて……」
ドオオオオオッンン!!
凛「ふにゃあっ!!!」ガバッ
凛「はぁ……はあ……」ドキドキドキドキ
凛「?!」チラッ
凛「7時・・・か・・・」
凛「今の夢……何なんだろう………前もどこかで同じような……」 凛「それに……あの人の名前っ……」
凛「にゃあああっ!!ここまで出てるのにもうちょっとが思い出せないにゃあっ!!」プンプン
「うるさいよっ?!凛っ!!早く食べなさいっ!!」
凛「う、うん……」 穂乃果「凛ちゃんおっはよー!!」
凛「穂乃果ちゃん!それに、ことりちゃん!!おはようにゃっ!!」
ことり「……?今日は聞いてこなかったね?」
凛「なんのこと・・・?」ケロッ
穂乃果「もーいやだな〜凛ちゃん!!昨日言ってきたじゃん?もう一人が見えるみたいな?」
ことり「怖かったんだからねっ?」
花陽「そうだよ?凛ちゃん?今日は普通なの?」
凛(・・・違う・・・凛はもう一人知ってる……!もうひとりを!!) 花陽「凛ちゃん…?」
凛「あ、うん!行こっ?」
凛(……?なんなんだろうこの感覚) 凛「あの人の名前は……?」
凛「一体誰……?」
「おいっ!星空?ちゃんと授業聞いてるのかっ?ここを解けっ!」
凛「はっはい!!えっと……すいません、わかん――」
「わかんないは無しだぞっ?星空?解くまで頑張れよ?日本語訳だ」
凛「にゃぁっ〜っ?!」
凛(こ、こんなの分かんない……!)
『彼女はずっとあなたを待っていた…』
凛「?!……」
凛「彼女はずっと……あなたを待っていた……ですっ……?」
「ほぉ……やるじゃないか星空…!頑張れば出来るだろ?」
凛「いやっ!今のは……!」
花陽「凛ちゃん!流石だよっ?英語出来るようになったんだねっ!」
凛「えっ…と……うんっ!」
『偉いですよ……凛……』ナデナデ
凛「えっ……?」
凛(今の……?感覚、、、)
キーンコーンカーンコーン
「よしっ!これで今日は終わりっ!解散っ!」 絵里「遠征の説明をするわよっ!」
希「いいやん!」
穂乃果「いついくいついくー?!」
真姫「ま、だいたい分かるけど……」
凛(思い出せない……あの感覚……あの声……あの人……)ブツブツ
ことり「凛ちゃん……?」
凛「にゃっ?!あ!遠征っ?!いきたいいきたいっ!どこいくっ!?」
絵里「?まあ、いいわ、場所は真姫の家で……」
凛(・・・なんで、こんなに気になるんだろう) にこ「それじゃあっ!また、明日会いましょっ?」
花陽「凛ちゃん?帰ろっ?」
凛「う、うん……」
真姫「凛?なにかあるの?」
凛「いや、別になにもないよっ!」 凛「合宿にゃあっーー!!」
絵里「そんなに、急がなくても大丈夫よ?真姫の家なんだから…」
真姫「やっぱりそうなるわよね」
ことり「よしっ!じゃあ行こうっ!」
希「準備オッケーやん!」 月曜日
にこ「今日はなんの日かしってる?」
穂乃果「えっ?なんの日なの?」
にこ「うみのひよ?それも知らないのっ??!」
凛「?!」
凛「今……なんて……?」
にこ「はぁ?だからっ!海の日だって―――」
りん りん……!!
思い出した……っ
あの人の……
あの人の名前はっ……!!
絵里「それじゃあ、今日は遅いからもう寝て、海の日だし、遠泳ね?」
穂乃果「わぁーきついよ〜……」
真姫「とにかく、寝ましょ?」
「おやすみ〜」
パチッ……
Zzz・・・
ムクッ…
凛「みんな……寝たかな……?」
凛「海……ちょっと風に当たろう…」 フラッ……
ザザーッ……ザザーッ……
凛「夜の海もきれい……だな……」
凛「あれ………こんな時間に誰が浜辺に……?」
凛「誰だろう……」ザッザッザッ
「凛……無事でしたか……」
凛「・・・・・!??!」 時間は深夜の2時……誰も居ない浜辺だと思ってた
自分の考えを整理しようと1人、浜辺に向かった。
そこの浜辺には私がずっと想っていた人が居た
ずっと思い出せなかった感覚……そして、この人の名前は……!!
海未「お久しぶりです。凛・・・」
ザッザッザッ………ギュッ……
凛「?!」
凛(あっ……やっぱり、この感覚……)
園田海未……
もう、2度と忘れはしない……
凛「海未………ちゃあああんっっ!!」ギューッ
凛「もう、離さないっ……!!離さないにゃっ!!」ギュッ
2度と忘れないように……離れないように……強く強く抱き締めた 海未「実は異世界に飛ばされて魔王倒してきたところです」
なんてね 海未「いたっ……痛いですよっ?!凛っ!!」
凛「あっ……ごめんにゃ……!!」
凛「けど、ひどいにゃっ!勝手に離れるなんてっ!!」プンプン
海未「すいません……けど、あのとき……」
凛「あのとき……やっぱり助けてくれたんだね……」
車に轢かれそうだったとき、私を突き飛ばしたのは紛れもなく、ここにいる園田海未だった
海未「綺麗ですね……」
海未ちゃんは、耳に髪をかけながら海の方向を向く
凛「そう……だね……」
同じ時間一緒に過ごして、同じ光景を見ている
これだけで、何故か幸せな気持ちになれた
深夜の海は不思議と明るく、どこか暖かかった
私たちは二人、まるで、別の空間にいるようだった
凛「ねえ……なんでこの世界のみんなは、海未ちゃんのこと、覚えてないの」
海未「・・・」
海未「あっ!見てください!凛っ!!」
海未ちゃんは、指を指した
その方向を向く
凛「あっ!ひどいにゃ!!なにもないっ!!騙したにゃっ?!」クルッ
海未ちゃんの方を向いたとき、海未ちゃんの顔は目の前だった
海未「凛………きつい先輩でごめんなさい……」
凛「海未………ちゃん……?」
チュッ……
凛の唇と海未ちゃんの唇は気づいたときにはもう重なっていた 凛「にゃにゃにゃにやああっ?!」ジタバタジタバタ
海未「凛……顔が真っ赤ですよ?」クスッ
そう、クスッと笑っている海未ちゃんの顔も赤くなってたことに気づいた
凛「海未ちゃん……赤いよ……?」
海未「凛ほどじゃありません……」
チュッ……
また、キスをした
凛(海未ちゃん……柔らかい……)
二回目のキスは長く、いつまでも続くような気がしていた
海未「………」スッ
凛「終わっちゃうの……?」
海未「ええ、凛。もう、終わりです」
凛「そうなんだ……」
海未「凛、一つ聞きたいことがあるんです……」
凛「・・・何?」ゴシゴシ
涙を拭き取った
海未ちゃんは海の方を向いて訊いてきた
海未「私は………凛にとっていい先輩だったでしょうか……?」
海未ちゃんの方を向くと、海未ちゃんのほっぺたには涙が流れていた
凛「当たり前っ………だよっ!!」グスッ
海未「そう……ですか………」スクッ
凛「どこか、……行っちゃうの……?」
海未「えぇ……もう時間なので……」
凛「そうなんだ……」
どこかで、もう海未ちゃんとは会えない……そんな気がしていた 海未「みんなにも、伝えておいてください……」
凛「……?なんて……」
海未「みんなが、大好きだって……」
ザッザッザッ
海未ちゃんが近づいてきた
海未「彼女はずっとあなたを待っていた…ですよ?」
ナデナデ
凛「海未ちゃん……」グスッ
海未ちゃんは、あの時と同じように私の頭をそっと、優しく撫でた
キスより優しい撫で方だった
凛「もう……叶わないんだね……」
海未「ええ……」
海未「どうやら、時間のようです……」
海未ちゃんが徐々に海の方向へと近づいていく
空は不思議な色だった……優しいオレンジ色……それに綺麗な青空が覗いてた……
遠くへと広がる海の色は暖かかった 凛「・・・」
涙はもう、止まっていた
海未ちゃんが少しずつ、私の知らない所へ離れていく
凛「………!」ダダッ
海未ちゃんに向かって走っていった
凛「海未ちゃんっ!!」ギュッ
海未「り、凛………」
凛「離れないで……やっぱり、ダメっ!!みんなのところへ帰ろう?」
凛「なんでもするから……凛!練習頑張るからっ!!」
凛「凛……っ凛……!!」
海未「凛……」
海未「顔をあげてください?」
凛「・・・?」
チュッ……
3回目のキスだった
けど、今までよりは時間は短く。
そして、どこか切なかった
海未「ありがとう……凛……」 海未「また、どこかで……」
海未ちゃんが少しずつ見えなくなっていく……
凛「海未ちゃん……っ」ボロボロ
砂浜は凛の涙で滲んでいた
海未「海の日の出来事……忘れないでくださいね………?」
凛「海未……ちゃんっ……!!」
海未ちゃんはもう少しで消えそうだった…
海未「凛……これだけは聞いてください」
凛「………?」
海未「大好きです」
顔をあげると、そこにはもう海未ちゃんは居なかった
凛「海未ちゃん……」 凛はやっぱり、海未ちゃんのことが嫌いだ
練習はきついし、いつも凛を怒ってくるし
海未ちゃんは頭が良いからって凛に勉強教えてくるし
海未ちゃんはなんでも知ってるからっておいしい店教えてくれるし
海未ちゃんはああ見えても人気者だし
みんなから、好かれてるし
海未ちゃんは頭もいいし、運動できるし、可愛いし、優しいし……暖かいし……
凛は何一つ勝てない………
凛… 目の前の景色は普通の世界へと戻っていた
空は青く、海は青く。朝になっていた
でも、どこからも暖かさは無かった 少しずつ目の前が暗くなっていく……
あぁ……もう今日は寝ようっ……
バタッ
浜辺の上で私は倒れてしまった
・・・・・ 「んっ……りん………っ!」
凛(・・・?なに………?)
「凛っ!!起きなさいっ!!」
凛「うわあっ!ビックリしたっ!!な、なにっ?!」
「今日は海の日でしょっ?!」
凛「あぁ……そういうこと……」
私は、一年に一回使う服を何故、毎年毎年奥にしまうのだろうか?
もう、使うとわかっているなら手前にすればいいのに……と、毎年恒例で去年の自分を叱責した
「それじゃあ、行ってくるのよ…」
凛「うん……」
毎年、この日になると責任を感じていた
あの日、私があんなことをしなければ… 花陽「あ……凛。おはよう。」
凛「花陽…おはよう。」
この日は、みんな暗くなる
穂乃果「凛ちゃん……!花陽ちゃん……!!おはようねっ?」
ことり「おはよ?」
凛「うん…!おはよ!二人とも?」
にこ「あら……みんな、もう揃ってるの?」
希「真姫ちゃんは……?」
絵里「あら、本当ね……」
三年生組が一度に揃った
凛「あぁ……真姫はあとから……」
真姫「ごめんっ!遅れたっ!!」
花陽「もう……遅いよ?」
真姫「わかってるわよ、ごめんね。じゃあ、いこっか」 「あら……みなさん。おはようございます」
丁寧なお辞儀をされるとこっちまで対応に困ってしまう
絵里「おはようございます……今年も暑いですね」
「そうねー……でも、今年は特にね……」
さすが、絵里。大人だけはある……
『じゃあ、みなさん。中に入ってください……』
キリッとした顔の係員が私たちを誘導する。
辺りには私たちのヒールの音がコツコツと響く
『それでは……』
「まだ、始まるまでは時間があるから……ゆっくりしててね……」
そう残すと、どこかへ行ってしまった
『君たち……去年も来てらっしゃった…子達かね……?』
穂乃果「はいっ!あれ、もしかしてお坊さんも去年の方……ですか?」
『そうだよ。よく、覚えてたね。今日は寂しいけど頑張りましょうね』
凛「はい……」
そう……今日は
『皆さん……準備が整いました』
『園田海未さんを皆さんで弔いましょう……』
そう、私の先輩
園田海未の三周忌だ 海未ちゃんの死を迎えて、少しずつみんなは変わった
1人ずつ、抱えたものは大きかった
住職さんは読み上げ始めた
私は、毎年これを聞くと海未ちゃんのことを思い出してしまい、切なくなる
全員、目を閉じ手を合わせていた
私もそれに倣い、目を閉じた 泣きそうになるのをこらえながら、式を終えた
にこ「それじゃあ……このあと、どうする……?」
二十歳になったにこちゃんは口紅をつけ少し大人びていた。髪型はツインテールをほどき、髪を下ろしていた
絵里「今年は……」
絵里は少しばかり身長が伸びていた
希「お墓……行こっか……」
希は長い髪をバッサリときり、ショートヘアに変えていた
私たちは、今まで行くのを躊躇っていたお墓に行くことにした みんなでお墓に行き、1人ずつお参りすることにした。
順番は私が最後だった
花陽「じゃあ、凛。次だよ」
花陽も海未ちゃんが居なくなってから変わった1人だった
頼れる存在が居なくなったからか、私がしっかりしないと、という意識を一人一人が持ち始めた。
大きく変わった1人であった
コツコツコツ
ザザッ
このときが来るなんて……
凛「海未ちゃん……お久しぶり……」ペコッ
一礼をする
凛「私……伝えたいことがあったの。この3年間」 お墓の前で独り、喋り続けた
凛「凛ね、わかったの。」
凛「私、海未ちゃんのことが好きなんだって。」
凛「最初は私だけ注意してなんなのっ?って思ってたけどそれも違う。」
凛「私のことを思って言ってたんだって。」
凛「だからね、私は海未ちゃんのおかげで、変われた」
凛「それに、謝りたいの……」
風が止まり、世界が静かになった
まるで、あの海の日と同じだった
凛「あのとき、私を庇ってくれてありがとう。」
海未「ずっと、言えなかった。私のせいで海未ちゃんが死んじゃうなんて。」
凛「本当にごめん。」
凛「凛、海未ちゃんに申し訳ないなって思ったの」
凛「私より、海未ちゃんが生きてた方がってたまに思っちゃったりしちゃうの」
凛「けどね、凛にはわかるの。」
凛「ずっと、海未ちゃんは私たちの側に居るってことが……」
凛「だから、最後に……」
お墓に手を当てる
凛「ありがとう……大好きだよ……」
叶わない恋だった……
もう、この恋は叶わなくてもいい………
海未ちゃんが戻ってくれればそれでいいの
だから、戻ってきて………
お墓に手を当て、目を瞑って心から祈った
凛「・・・」
凛「じゃあ、海未ちゃん……行くね?」
目を開けた 凛「………?!」
体が……小さいっ?!
凛「あれっ……ここ………!!」
そこは、あの日…あの時と同じ場所……
真姫ちゃんの家の別荘……
優しい感じの雰囲気が懐かしい場所だった
なにより、目の前には……
海未「凛……覚えててくれたんですね……あの言葉を……」
目の前には大好きな先輩が立っていた 凛「えっ……えっ?!」
辺りを見渡す
空は不思議な色だった……優しいオレンジ色……それに綺麗な青空が覗いてた……
凛「これって……?」
3年前の海の日はと一致していた
………涙がいつの間にか溢れていた
凛「体も……っ?」
私の体は胸は小さく、お尻も小さくなっていた
高校生の時の私だった
海未「3年前……言いましたよね?ここであのこと」
凛「海の日を覚えててって……?」
海未「全く、凛のことだから忘れてるだろうなと思ってたんですよね。」
凛「あ……あははっ……」
苦笑いしか出なかった
今の状況が全く飲み込めていなかった
海未「でも、しっかりと覚えててくれてたなんて………何だか照れ臭いものですね」クスッ
高校生の海未の顔は懐かしく、その笑顔は私の宝だった
凛「海未……ちゃん……」グスッ
海未「もう……また泣くんですか?」フフッ
海未「なかないでくださいよ?せっかくこうやって会えたんですから……」スッ
チュッ……
私たちは、三年越しにキスをした 凛「もう……どこも行かないよね………?」
海未「はい……行きませんよ……どこにも」
凛「良かった……ほんとに……良かった……」フラッ
バタンッ……
不思議な空間に懐かしい安心感を感じ、私のなかで何かが爆発した。
わたしは、そのまま倒れ込んでしまった
海未「凛……ありがとう……」ボロボロ
凛のほっぺに、涙が1つ落ちた。
海未「・・・」
お陰さまです……みんなのもとへと……… チュンチュンチュン
凛「うわああああああっっっっっ!!!!!」ガバッ
凛「はあっ……はあっ……はあっ………!!」ハアッハアッ
ここは……?
凛の部屋……?
凛「な、なんにゃっ?!何か長い夢………?」
凛「と、とりあえず学校に……」
「凛っ!急ぎなさいっ!!」
凛「はっ!はいいっ!!!」ドタドタドタドタ
「静かに歩きなさいよっ!!」
このやり取りが懐かしく、感じられた 凛「あっ!かよちーん!!おはっよーにゃー!!」
花陽「あっ!凛ちゃんっ!!おはよう!!」
穂乃果「おうっ!ふったりともぉっ!!!おっはよー!!」
ことり「おはようっ!!」
花陽「あっ!二人とも!!おはよっ!!」
凛「おっはよーにゃ!!」
穂乃果「それじゃ、行こっか?」
ことり「うんっ!」
「はいっ!!」
凛「・・・?」
穂乃果とことりの後ろを覗いた……
凛「・・・?!」
海未「………?どうしたのですか?凛……?」
海未ちゃんがキョトンとした表情でこっちを見ていた
けど、その表情が信じられないぐらい懐かしかった
凛「海未……ちゃん………っ!!!」フルフル
海未「はっ……はいっ……?」
凛「海未ちゃああああああーんっ!!!」ガバッ
海未「えっ?!ちょっちょっと凛っ?!」
凛「もう、絶対離さないにゃーっ!!」ギューッ
海未「ちょっ……いたたたっいたいっ!痛いですっ!!」
凛「うーみちゃーんっ!!」ギューッ
海未「もうっ!なんなんですかーっ!!」 不思議な夢だった……
全部が長い一本の夢で何もかもが夢で
不思議なぐらい夢で……
海未ちゃんは生きてて………!!
もう、何が何だか全然分かんない
けど・・・けど・・・!!
海未「はいっ!ワンツーワンツー!!凛!今日はいいですよっ!完璧ですっ!!」
海未「どうしたんですかっ?凛!今日は完璧ですよっ!偉いですっ!」ナデナデ
凛「えっへへ〜」ニコニコ
撫でられる感覚を思い出した
凛「凛はずっとあなたを待っていた……だよ?」
海未「・・・?なんのことです?」
凛「えへへ。私だけの秘密!」
海未「何のことですか……」 凛は信じられなかった
凛はずっと、海未ちゃんのことが好きだったんだって
例え、好きな人とキスが出来なくてもいい
例え、好きな人にギューッてされなくてもいい
例え、好きな人に頭を撫でられなくてもいい……
ただ、好きな人が居てくれる………それだけでいいんだ。
例えこれが、叶わない恋だとしても………
大事なことに気づかせてくれた……
この夢は一体なんだったんだろう
この夢はずっと……そしてこれからもずっとこの日に思い出すだろう………
だって、今日は私にとって・・・
海未「・・・?」
凛は、海未ちゃんの方を向いて言った
凛「海未の日………だからね……」 以上です。
海の日だなーとおもって15レスぐらいで終わらそうと思ったSSが延びてしまってここまで来てしまった……
ノリで書いてたら読んでくれてる人がいたんで、最後まで書きました
最初からわざど雑な感じで続けましたがそれは許してください。
レス書いてくれた人ありがとうございます。
また、なんかあったらこれ書いてほしいとかあったらここにお願いします
付き合ってくれてありがとうございます 深夜に保守して正解だった
完結させてくれてよかったよ、乙!
またなんかあったらうみりん書いてくれると嬉しいですね 途中までどうなることかと思ってたけど良かった
そうか、海未の日だからか
乙 海未も凛も自分は大好きなのでまた、書くかもです
ちなみに、最後のオチは夢オチで海未ちゃんが生きていたときに戻る、というのは
現実でも自分が大事な人を無くしてしまったのでこんなことがあったらいいな、と思ってこれにしました。
くさい台詞ですが、いま愛してる人や好きな人がいる人は大事にしてあげてください ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています