真姫「月と地球」 [無断転載禁止]©2ch.net
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真姫「あら、こんなところにいたのね」
希「真姫ちゃん。ウチの事を探してたん?」
真姫「いや、屋上に忘れ物をしたから取りに来ただけなんだけど」
希「探し物は見つかった?」
真姫「ええ、あったわ」 真姫「希はこんな時間まで何をしているのよ?」
真姫「外が真っ暗じゃない」
希「んー…ほら、今日は天気がええやん?」
真姫「ええ」
希「東京にしては星が良く見えるなあって思って」
真姫「…確かにそうね」 真姫「それにしても、今日は随分ロマンチストなのね」
希「あはは…そうかもしれんね」
希「家に帰っても一人やし、たまにはこうしたくなるんよ」
真姫「…そう」
真姫「私は良く分からないけど、一人が嫌なら遊んであげるわよ」 希「ふふっ、ありがとう。真姫ちゃん」
真姫「べ…別に…///」
希「真姫ちゃんは本当に優しい後輩やね」
真姫「」フン
希「あらら、嫌われてしもたかな」クスクス
真姫「なんなのよ…もう…」 希「それにしても、今日は月が明るいなあ」
真姫「ええ、そうね」
希「なんとなくやけど、月と地球の関係って真姫ちゃんとにこっちに似てるやん?」
真姫「意味わかんない…」 希「真姫ちゃんは知ってると思うけど」
希「月と地球には、引き合う力と遠ざけようとする力が働いてて」
希「ずーっとくっつきもせず、離れようともせずぐるぐる回っているだけなんよ?」
真姫「それぐらい知ってるけど、私とにこちゃんにどうして関係があるのよ」 希「にこっちと仲良くいちゃいちゃしてたかと思えば、気づいたらケンカしてるし」
希「くっつこうとしたら離れての繰り返しやん?」
希「だから、二人の関係って月と地球みたいやなあって」クスクス
真姫「意味わかんないっ!」
希「ん?そうかなあ?」 真姫「そ…その…私はにこちゃんといちゃついてなんかいないもの!」
真姫「ケンカだって、にこちゃんが変ないちゃもん付けてくるからだし…」
希「それでも、二人が仲良く見えるのは二人の関係が良いって事やん?」
希「月と地球も仲良しやから、絶妙な距離を保ててるように、二人も仲良しやからいい距離感を保ててるんよ」
真姫「…っ」
真姫「しっ…知らない!」プイッ 真姫「私達の関係を地球と月に例えるなんて、とんだ迷惑だわ」
希「どうして?」
真姫「大体、私が地球だとしたら、どこへ行ってもついてくる月なんてごめんだもの」
希「真姫ちゃんは月かもしれないやん?」
真姫「そんな事あるわけないでしょ!」
希「逃げるにこっちをずっと追いかけていくのが真姫ちゃんかもしれんやん」クスクス
真姫「ホント、ああいえばこういう…」 希「でも、真姫ちゃん。一つだけ間違ってるんよ」
真姫「何がよ」
希「月が追いかけてるとか地球が逃げるとかじゃなくて」
希「二人がつかず離れずの距離にいるって事は、お互いの事を心の底で必要としてるからやないかなあ?」
真姫「なっ…///」
希「真姫ちゃんもにこっちもお互いの事が大好きやもんね」
真姫「も…もう!怒るわよっ!」
希「素直じゃないなあ…真姫ちゃんは」クスクス 希「って、もうこんな時間」
希「ウチ、帰る支度するからちょっと待っててなあ」
真姫(…)
真姫(あなたも一つだけ間違えてるわ、希) 真姫(私にとっての月と地球は、にこちゃんじゃなくて貴方なのよ…)
真姫(希を遠ざければ、ずかずかと私の領域に踏み込んでおせっかいを焼いてくるし)
真姫(少し近づこうとすれば、飄々と離れて行っちゃうもの…)
真姫(私の気も知らないで…本当に…)
真姫(今の私は貴方がいるからアイドルとしているわけで…いや…それ以上に私は…) 希「さっ、そろそろ帰ろか」
真姫「はぁ…」
希「溜息なんて酷いなあ…幸せが逃げるっていうやん?」
真姫「ホント、希といると良く分からなくなるわ」クスッ
希「?」
真姫「何でもないわ。そんな事よりもどこか行きましょうよ」
希「ウチ、お腹すいたしごはん食べに行きたいなあ」
真姫「ええ、そうしましょうか」 真姫(今はこれでいいわ。これ以上近づいたら希が離れて行っちゃうもの…)
真姫(でも、私が地球だとしたら…あなたが近づいてくることをずっとずっと待っていられるから)
真姫(私は貴方の事をいつまでも待っているからね、希)フフッ ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています