曜「鞠莉ちゃんお味噌汁理論」 [無断転載禁止]©2ch.net
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曜「いただきまーす」
鞠莉「召し上がれー」
曜「どれどれ…」ズズ…
鞠莉「…」ドキドキ
曜「うん、美味しい!」
鞠莉「…!ほんとに?」
曜「ほんとほんと。また腕を上げたね!」 鞠莉「ふふ、よかった」ニコ
鞠莉「じゃあ私も、いただきまーす」
曜「召し上がれー。うーん、本当に美味しい。これなら我が家のお味噌汁担当大臣に任命できるね!」
鞠莉「大袈裟ね、どんな大臣よ」クス
鞠莉「でも、私の仕事と言ったら最後に味噌を溶かすだけで。具材や出汁の加減は曜にやってもらってるから…」 曜「いやいや、何事も仕上げが肝心だからね。美味しく出来たのは鞠莉ちゃんのおかげだよ。大臣の素質、充分にアリだね!」
鞠莉「まぁ。曜もおだてが上手になって」クス
曜「おだててなんかないって。いい塩梅でとっても美味しいもん。毎日飲みたいくらいだよ」
鞠莉「…ふふ。それ、決め台詞としては随分と古典的じゃないかしら?」
曜「でも事実だし…あれ、ひょっとして鞠莉ちゃん、照れてる?」
鞠莉「そ、そんなんじゃないわ」
曜「頬が緩んでるよ?」
鞠莉「えっ」パッ
曜「かかったね。やっぱり照れてたんだ」ニヤ
鞠莉「えっ?あっ…!」
曜「これは『一本取った』ってやつかなー」ニマニマ
鞠莉「…んもぅ!からかうようなこと言ってないで、冷めないうちに食べる!」マッカ
曜「ふふ、はーい」ニコニコ 鞠莉「それにしても、デミグラスソースのハンバーグにお味噌汁って、よく考えると不思議よね」
曜「あ、スープの方がよかった?」
鞠莉「そうじゃなくて。洋風のデミグラスに、お味噌汁が不思議とマッチしてるってことよ」
曜「ああ、言われてみれば確かに。セットメニューとして定着してるもんね」
鞠莉「そうそう」
曜「鞠莉ちゃんがいつか言ってた、和と洋の融合ってやつじゃないかな。なんだっけ、ハイグリッド?」
鞠莉「惜しい、ハイブリッドよ」
曜「あーそれそれ。懐かしいね、鞠莉ちゃんたらこスパ理論」
鞠莉「なにそれ、どんな理論よ」クスクス
曜「和と洋のハーフである、鞠莉ちゃん自身がたらこスパって理論」
鞠莉「待って、流石にそれは意味がわからないわ」 曜「言われてみれば、お味噌汁ってどんな食材も使えるし、それでいて何にでも合うよねー」
鞠莉「待って待って、私をたらこスパにしたまま話を進めないで」
曜「和食は当然だけれども、ハンバーグにもカレーにも、ホイコーローにも合う」ムムム
鞠莉「曜、よーう?」オーイ
曜「どんな具材でも包み込む調和性と、相手を選ばずグローバルに活躍する適応性…もしかして、鞠莉ちゃんたらこスパ理論改め、鞠莉ちゃんお味噌汁理論なのでは!?」ヨーソロー
鞠莉「曜、今日のあなたは一体どこに向かっているの?」 曜「…とまぁ、慣れないボケはこのくらいにしてっと」
鞠莉「話を収める前に、私としてはたらこスパ理論の修正をお願いしたいんだけど」
曜「もう、鞠莉ちゃんのボケ殺し。もっとしっかり突っ込んでよー」モグモグ
鞠莉(今日の曜、ちょっとテンション高めじゃない?)
曜「うん、おいし♪お味噌汁、お代わりしよっと」
鞠莉「あ、私がやるから座ってて」ガタ
曜「いいの?えへへ、お願いします」
鞠莉「はーい、待っててね」スッ
鞠莉(…ん?大好物のハンバーグにしては、珍しく箸が進んでないわね。お味噌汁は2杯目なのに) 鞠莉「よっ、と。残りが少ないと、具が偏っちゃうなぁ」
鞠莉「…」チラ
曜「〜♪」
鞠莉(なんだかご機嫌ね、嬉しいことでもあったのかな)クス
鞠莉「はい、お待たせ」
曜「ありがと!」パァァ
鞠莉「ふふ、どういたしまして♪」 曜「んー、お代わりも美味しいな〜♪あっ、さっきの話に戻るんだけどさ」
鞠莉「戻っちゃうんだ。どこまで戻るの?」
曜「お味噌汁はどんな具でも合うってところだよ。聞いた話だけどね、ブロッコリーを入れたり、トマト入れたりするご家庭もあるんだって」
鞠莉「それは流石にオーソドックスとは言えない気がするけど」
曜「お店でも見かけないしねー、でもトマトはおでんになるくらいだしなぁ…」ムー
曜「そうだ!せっかくだし今度試してみようよ」
鞠莉「えぇ…トマト、ねぇ。うーん…それ自体は良くても、相手を選ぶお味噌汁になっちゃいそうだけどなぁ」
曜「大丈夫だよ、お味噌汁の力を信じてヨーソローしてみよう」
鞠莉「その信頼度は一体どこから来るのよ」 曜「ところで、明日は戻りは5時半くらいだよね?」
鞠莉「ん、そのくらいだと思う」
曜「実は、冷蔵庫が空っぽで。よければ買い物手伝ってもらいたいんだ。学校終わりで疲れてるところ悪いんだけど…」
鞠莉「学校があるのは曜も同じでしょ。私じゃ荷物運びくらいしか役に立てないと思うけど、そのくらいは手伝わせて」
曜「いいの?ありがと!じゃあ、明日は駅で待ち合わせだよ」
鞠莉「駅ね。わかったわ、遅れないようにするわね」
曜「うん!ああ、お味噌汁幸せ〜♪」パァァ
鞠莉(どんないいことがあったのかわからないけど、今日の曜はしっぽ振って喜ぶワンちゃんモードね)クス ○翌日・駅
ガヤガヤ
鞠莉「ただいま17時29分。予定通りって感じね」
鞠莉「えっと、曜はどこかな…」
曜 キョロキョロ
鞠莉「あ、いたいた。ようー」
曜「あっ、鞠莉ちゃーん!」ブンブンブン
鞠莉「あらあら」
鞠莉(あんなに振ったら、手が千切れちゃうわよ)クスクス 曜「おかえりっ!なに笑ってるの?」
鞠莉「ん、やっぱり曜は可愛いなって思ってね」ニコニコ
曜「えー、いつも通りのつもりだけど、急にどうしたの?」
鞠莉「さぁね、私がそう感じたってこと♪」
曜「むー、なんかよくわからないけど、まぁいっか!今日はお付き合いの程、よろしくお願いします」
鞠莉「こちらこそ、色々教えてね。手、繋ごう」スッ
曜「うん!えへへ…」ギュ 曜「今日はね、駅の向こう側のスーパーに行くんだ」
鞠莉「いつも行ってる、あのお店じゃないのね」
曜「うん。家からは少し遠くなっちゃうけど、今日行く所の方が安いし、品数も豊富で面白いんだ」
鞠莉「なるほど。でもそっちに行くと荷物が多くなっちゃうし、距離もあって大変ってわけね」
曜「ご明察です。ま、こうやって悪いことばかりじゃないね。ふふっ」ニコニコ
鞠莉「んー?」 ◯スーパー・レジ前
曜「空いてそうなレジは…あ、あそこにしよう」
鞠莉「賑わってるだけあって、レジも混んでるわね」
曜「そだねー。あ、しまった。とろけるチーズを取り忘れちゃった」
鞠莉「私が行くわ。曜はこのまま並んでて」
曜「乳製品コーナーの端っこの方にあったと思うから、お願いできる?」
鞠莉「任せて。行って来るわね」スタスタ
曜(…)
曜(ふふっ、昨日は鞠莉ちゃんのお味噌汁。今日は一緒にお買い物)
曜(なんか、嬉しいな)ニコニコ 鞠莉「ようー」スタスタ
曜「あっ。ありがと…あれ、無かった?」
鞠莉「うん、探したけど無いみたい」
曜(そんなはずはないと思う…)
曜「ちょっと交代で。見てくるから、並んで待っててね」スッ
鞠莉「はーい」チェンジ
鞠莉(…)
鞠莉(買い物も結構大変なのね…今後のメニューを頭の中で思い描いて、必要な食材を選ばなきゃいけない上に、賞味期限や量、予算といった制約もある)
鞠莉(それに加えて、荷物は自力で持って帰らなきゃいけない。曜はそつなくこなしてるし、辛そうなそぶりは見せなかったけど…知らない所で負担かけちゃってたかな)ウーン 曜「まりちゃーん」スタスタ
鞠莉「あら、お疲れさま…あれ、あったの?」
曜「うん、探したらすぐ見つかったよ。売り場のここの、この辺り」ジェスチャー
鞠莉「…私の時はなかったの」プイ
曜「んふふ。見つけられなかったって、素直に言えばいいのに」ニコニコ
鞠莉「面目無いもん…」
曜「ふふっ。あ、順番来たから行くよ」
鞠莉「んー…」 …………………
鞠莉「これだけの荷物を、一人で持って歩くのは大変ね」
鞠莉「今は袋の持ち手を片方ずつ持ってるけど、それでも手が少し痛いくらいだし」
曜「そうなんだよね。体力が自慢の私だけど、スポーツの疲れとは違うんだ、こういうのって」
曜「でも、今日は手伝ってくれてありがとね!憧れてたんだ、この袋の持ち方も」ヘヘ
鞠莉「いつも私のためにありがとう。手伝ってハッとしたわ。つい任せっぱなせにして、曜の大変さをわかってあげられなかったのかもしれないなって…」
曜「ん、そう思ってもらえるだけで嬉しいよ!でも、そこは私たち、って言って欲しかったかな」
鞠莉「ふふ、そうね。訂正します。いつも私たちのために、ありがとう」
曜「こちらこそ、一緒に居てくれてありがとう!」ニコッ …………………
曜「というわけで、本日いただくトマト味噌汁がこちらです。スリルを大事にしたかったので、鞠莉ちゃんには味見せず、目測のみで味噌を溶かしてもらったわけですが」
鞠莉「見た目から来る違和感が凄いわね。頭の中の私が『これは違う』って叫んでるみたい」
曜「調べたら、トマトってナスの親戚なんだって。ナスは味噌汁の王道だからきっとイケるよね、うん」
鞠莉「心なしか、昨日はあんなにヨーソローしてた新説への信頼が翳ってるようだけど」
曜「大丈夫、大丈夫だよ。私は鞠莉ちゃん担当大臣と、鞠莉ちゃんお味噌汁理論を信じてる」
鞠莉「その理論に私の名前を使うのやめてほしいんだけど」
曜「そう、信じてるよ…どんな具材であったとしても。お味噌汁は、鞠莉ちゃんみたいに優しく美味しく包み込んでくれるって!」
鞠莉「その例えが…もういいわ」 曜「じゃあ…行きますか」
鞠莉「ええ…」
ようまり「いただきます」ズズ…モグ…
曜「!」
鞠莉「あっ、意外」
曜「うん。面白い仕上がりだね、これ」
鞠莉「見た目と酸味が少し気になるけど、美味しい」モグモグ
曜「味噌とトマトが、お互いの美味さを引き立てあってるね」
鞠莉「これなら、とろけるチーズをのせてもいいかもね。チーズと味噌はマッチするし、トマトとチーズもまた相性バツグンだし」
曜「あ、それ美味しそう!2杯目はそうしてみようよ!流石はお味噌汁担当大臣だね!」
鞠莉「ふふ。大臣、これからも頑張ります♪」
曜「そして、驚くべきは鞠莉ちゃんお味噌汁理論だね。従来説を踏襲・発展させた新説とはいえ、チーズトマト味噌汁という新たなポテンシャルを発掘するなんて…!」
曜「提唱者としては名誉な半面、想像以上の万能性…いや、底知れぬ可能性に驚嘆を禁じ得ないよ」
曜「鞠莉ちゃんお味噌汁理論、恐るべし…!」ヨーソロー
鞠莉「それ、もう勘弁してもらえないかなぁ…」
終わり 手が千切れちゃう、は例えとして不穏すぎるだろww
それ除くと面白いし期待 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています