穂乃果「理事長とこれからのこと」 [無断転載禁止]©2ch.net
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穂乃果「ふんふ〜ん♪」
穂乃果(髪よし、制服よし)
穂乃果「ふふっ」
穂乃果(全部よしっ!)
穂乃果「うん。完璧!」 穂乃果「おっはよー」
雪穂「おはよー、おねえちゃーん」
ほの母「今日は珍しく早いわね」
穂乃果「だって今日は雪穂の入学式だよ! 楽しみだよぉ」
ほの母「そういえば穂乃果も自分の入学式の時は、いつも以上にはしゃいでたわね」
穂乃果「えへへっ、なんかテンション上がるというかなんというか」 雪穂「でも、入学式にはまだ時間あるよ」
穂乃果「ほら私、生徒会長だからやること色々あるんだよ」
雪穂「ふーん」
ほの母「ってことは、もう出るの?」
穂乃果「うん」
ほの母「朝ごはんは?」
穂乃果「コンビニでパン買うからいい」
ほの母「パン代は穂乃果持ちね」
穂乃果「ぶーっ」
穂乃果「それじゃあ、行ってきまーす」 雪穂「いってらっしゃーい」
ほの母「車に気を付けるのよ」
穂乃果「はーい」
ガラガラ、バタン
ほの母「なんか、朝から騒がしいわね」
雪穂「そうだね」
ほの母「それじゃあ、私達も朝ごはんにしましょうか」
雪穂「はーい」 ◇
穂乃果「ん、ん〜」
穂乃果(いい天気だなぁ)
穂乃果「……ふぅー」
穂乃果(絶好の入学式日和だねぇ)
穂乃果「うわぁ!」 穂乃果(通りの桜が満開だぁ)
穂乃果「きれー」
穂乃果(なんかこの下を走り抜けたい気分だよぉ)
穂乃果「ん?」
穂乃果(下を走り抜けたい……)
穂乃果「ふふっ」
穂乃果(だったら走り抜けよう!)
穂乃果「いっくよー!」
タッタッタッタッ 穂乃果「んー」
穂乃果(なんか爽やかな気分だよ)
穂乃果(去年とおんなじで満開の……)
穂乃果「……」
穂乃果(去年と……) そっか――
廃校の知らせを知って、どうにかしようと考えて――
ことりちゃんと海未ちゃんの二人で、
満開の桜の下で踊って一年かぁ……
色々あったなぁ。 穂乃果(なんて言うか、一年って早いなぁ)
穂乃果「……」
穂乃果(そういや私も今年で三年生かぁ)
穂乃果(進路とか何も決めてないけど)
穂乃果「……」
穂乃果(まっ、後々考えりゃいっか)
穂乃果(今を楽しもう)
穂乃果「うん、そうしよ」
穂乃果(それよりも)
穂乃果「コンビニでパンを買おう!」 ◆
穂乃果「とうちゃーく」
穂乃果(って、まだ誰も来てないかぁ)
穂乃果(門は開いてたけど、別にいいよねぇ)
穂乃果「さて、と」
穂乃果(どこでパンを食べよっかなぁ)
穂乃果「うーん」
穂乃果(中庭でいいかなぁ) 穂乃果「ふんふふ〜ん♪」
穂乃果(やっぱり来るには早すぎたかなぁ)
穂乃果(まっ、いいや)
穂乃果「ん?」
「……」
穂乃果(誰かいる?)
「……」
穂乃果(あれは……理事長?) 穂乃果「理事長」
理事長「あら穂乃果ちゃん」
穂乃果「おはようございます」
理事長「はい、おはよう。早いわね」
穂乃果「なんかいつもより早く目が覚めまして、それでパンを食べようと」
理事長「そう。ことりだったら、ようやく起き出した頃かしらね」 穂乃果「あの、理事長は何をしてるのですか?」
理事長「ふふっ、桜をね……見てたのよ」
穂乃果「桜を」
理事長「この桜、毎年のように枯れる枯れるって噂されてるの知ってる?」
穂乃果「あー、そんな噂は聞いたことあります」
穂乃果(ほんとかどうかは知らないけど) 理事長「ねっ、綺麗に咲いてるでしょ」
穂乃果「はい!」
理事長「新入生を迎え入れるから、頑張って綺麗に咲いてるわね」
穂乃果「そうですね」
理事長「これもみんな、穂乃果ちゃんのおかげね」
穂乃果「私の、ですか?」 理事長「穂乃果ちゃんがアイドルをやろうと提案した結果、廃校は免れたのだから」
穂乃果「それは私だけの力じゃなく、みんなのおかげです!」
理事長「そうね。その通りね」
穂乃果「まぁでも、大会で優勝っていうお土産は意外でしたけど」
理事長「九人みんなで頑張った結果ね」
穂乃果「えへへっ」 理事長「だけどね」
穂乃果「?」
理事長「あくまで廃校を阻止という形は限定的なモノでしかないのよ」
穂乃果「えっ」
理事長「来年度、再来年度、穂乃果ちゃんが去った後もこの問題は続いていくわ」
穂乃果「あっ」
理事長「スクールアイドルのブームっていうのも、いつまで続くか私には分からないし」
穂乃果「そうですね」 理事長「だから、今日みたいに入学式を開催出来たのは奇跡みたいなものなのよ」
穂乃果「奇跡、かぁ」
穂乃果(まぁ、よく考えたら廃校阻止も奇跡的だよね)
理事長「μ'sも三人卒業して六人になったわね」
穂乃果「μ'sはあの九人がいてμ'sだから」
理事長「そうよねぇ」
穂乃果(うーん、また新たな問題かぁ)
理事長「また一年、色々と悩む年になりそうだわぁ」 穂乃果「まぁ、でも」
理事長「ん?」
穂乃果「きっと、なんとかなりますよ」
理事長「きっと?」
穂乃果「根拠や具体的な案はありません」
理事長「えっ」
穂乃果「元々アイドルやりたいってのは、UTXでのA−RISEのライブ映像を観たのにヒントを得ましたから」
理事長「へー」 穂乃果「なんていうか、単なる思い付き……って言うんですかねぇ」
理事長「思い付き……」
穂乃果「何かを始めるきっかけなんて小さいものですよ」
理事長「なるほど」
穂乃果「それで色々とみんなに迷惑かけちゃいましたけど」
理事長「そうねぇ、色々とねぇ」
穂乃果「これからのことは分かりませんし、もしかしたら廃校にならないくらい生徒が集まるかもしれません!」
理事長「根拠はないけど、なんか穂乃果ちゃんが言うと出来そうな気がするわね」
穂乃果「えへへっ」 理事長「そうね。今、ジタバタしても仕方ないわね」
穂乃果「そうです! 悩むのは後にして、まずは新入生を気持ちよく迎えましょう!」
理事長「確か妹さんも新入生よね?」
穂乃果「あと、絵里ちゃんの妹の亜里沙ちゃんも」
理事長「賑やかになるわねぇ」
穂乃果「はい!」 理事長「それで、新入生への挨拶は考えてあるわよね」
穂乃果「ばっちりです!」
理事長「生徒会長就任挨拶の時みたいなマイクパフォーマンスは構わないけど、挨拶を忘れましたじゃ洒落にならないわ」
穂乃果「たはは……」
穂乃果(忘れないとは思う……かな) 理事長「さて、私はちょっと会場でも見てくるわ」
穂乃果「じゃあ私も……」
グゥ〜
穂乃果「あっ」
理事長「とりあえず、パンでも食べたら?」
穂乃果「そ、そうします……」
穂乃果(恥ずかしいぃぃぃ!) 理事長「じゃあ、また後でね」
穂乃果「はい」
理事長「あっ、穂乃果ちゃん」
穂乃果「はい?」
理事長「新入生の挨拶、期待してるわよ」
穂乃果「任せて下さい!」
理事長「ふふふっ」
未来のこと、これからのこと――
正直そんなの私には分からない。
今、出来ることを精一杯やろう!
そこから何か良い案が思い付くかもしれない、
なので――
今はパンを食べて入学式に備えよう!
頑張るぞー!! ◇
「以上、理事長の挨拶でした」
パチパチ
穂乃果「うぅー、緊張するぅ」
ことり「穂乃果ちゃん。大丈夫?」
穂乃果「どうだろ……」
海未「前みたいに固まらないで下さいよ」
穂乃果「だいじょーぶだよ……多分」 理事長「次、穂乃果ちゃんの番よ」
穂乃果「は、はいっ!」
穂乃果(つ、遂に来たよぉ!)
理事長「期待してるわよ」
穂乃果「ま、任せてください!」
穂乃果(あわわわわ、どうしよぉ!)
理事長「もしかして、緊張してる?」
穂乃果「い、いえっ! そんなことはないでしゅ」
ことり(噛んだ)
海未(噛みましたね) 「次は、生徒会長の挨拶です」
パチパチ
穂乃果「き、来たよー!!」
ことり「穂乃果ちゃん」
海未「が、頑張って下さい!」
穂乃果「う、うん!!」
カク、カク、カク、ギィー
ことり「動きが完全にロボットだよぉ!」
海未「しっかりしなさい!」
穂乃果「って言われてもぉ!」 理事長「力抜いて、リラックスすれば大丈夫よ」
穂乃果「り、理事長……」
理事長「自然体で普段通りに頑張りなさい」
ことり「お母さん」
理事長「失敗しても、ダンスなり芝居なりでフォローするわよ」
理事長「主にことりと海未ちゃんが」
ことり「お母さん!」
海未「なんでですかぁー!!」
理事長「じゃあ私がやるわ」
ことり「それはやめてぇ!!」
ヤイヤ、ヤイヤ、ヤイヤ 穂乃果(普段通り)
穂乃果「……」
穂乃果(自然体)
穂乃果「スゥー、ハァー」
穂乃果(いつものようにやればいい)
穂乃果「よしっ!」
穂乃果「行ってくるよ!」 鳴り止まない、割れんばかり拍手の中を
私は歩く。
いやー、緊張するなぁ。
あっ、雪穂と亜里沙ちゃんがいる――
亜里沙ちゃんが雪穂を擦ってるけど、
雪穂はなんか恥ずかしそうに目を背けてる。
生徒会長でお姉ちゃんなんだから期待してよね!
あと、保護者席にお父さんとお母さんと絵里ちゃんも――
余計に緊張する……
ふぅー
軽く息吐いて、頭の中を整理して、それから……
……
私らしくないから、難しく考えるのはやめよう。
うん。 単純にシンプルに――
私がみんなに伝えたいことを言おう。
だから今の私が言えることは――
「えー、新入生の皆さん!」
「ご入学」
「おめでとうございます!!」
おしまい 途中で地域名変わってますが
とりあえず理事長とμ's(個人)の話はおしまい 過去作読まなくても楽しめるようなシリーズ書くやつ超有能 あ、このシリーズだったのか
この穂乃果ちゃん最高に穂乃果ちゃん ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています