穂乃果「毎月21日は」絵里「漬物の日?」亜里沙「6月21日は…」 [無断転載禁止]©2ch.net
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【十一年前・高坂家】
穂乃果(5歳)「…」クンクン
ほの母「おいしい♪」パリポリ
穂乃果「うえぇ…」オエッ
ほの母「ん、どうしたの穂乃果?」
穂乃果「このきゅうり、ヘンなにおい…」
雪穂(3歳)「くさい」
ほの母「ぬか漬けだからね。においを嗅がないで食べれば美味しいでしょ?」
穂乃果(小さい頃は漬物なんて好きじゃなかったなぁ…大人の食べ物って感じがするよね)
【十年前】
絵里(小2)「おばあさま。このピンクの、なに?キレイ♪」
祖母「漬物よ。ピクルスみたいな物ね」
絵里「へー」パク
パリポリ
絵里(おいしいような、そうでもないような…でも色がキレイだから好き♪)
【九年前】
あんじゅ(小3)「希ちゃんって…」ジーッ
希(小3)「んー?」モグモグ
あんじゅ「ナスみたいな色してるわよね♪」
希「な、なす!?」
あんじゅ「私、ナスのおつけものって好きよ♪」
希「まあ、ウチも好きやけど…」
あんじゅ「おいしい♪」モグモグ
希(ナスの漬物って噛むとキュッて音がするっていうか、独特の食感があるよね) 【八年前・矢澤家】
にこ(小4)「ママ。これなに?」
にこママ「らっきょう」
にこ「ラッキョーってなに?」
にこママ「食べてみればわかるわよ」
にこ「そっか」パク
にこ(うぐっ…マズい)プルプル
にこママ「ふふふ。にこにはまだ早かったかしら?」
にこ(辛いものって苦手…カレーのつけ合わせも甘い福神漬けのほうがいいわ)
【七年前】
花陽(小3)「おいしい♪」パリポリ
凛ママ「おむすびにたくあんって合うわよね」モグモグ
花陽「うん。見た目もきれいだし…」
凛(小3)「凛知ってるよ。たくあんって、大根なんだよねー?」
花陽ママ「そうね。たくあんといえば、この黄色いのが有名だけど…白いのや茶色っぽいのとかいろいろあるのよー」
花陽(小さい頃は、ごはんにしか興味なくて…たとえばお寿司についてくる“がり”とか食べなかったけど…今は大好き♪)
【六年前】
ジュー
英玲奈(小6)「…」シャキシャキ
ツバサ(小6)「それってキムチ?」
英玲奈「ああ。焼肉によく合う」モグモグ
ツバサ「うーん…キムチってちょっと苦手なのよね。辛いし、におうし」
英玲奈「これは日本の某老舗漬物メーカーが日本人向けの味を追究して作ったキムチだ。他社製品とは全く別物だぞ」
ツバサ「そ、そうなの?」
英玲奈「ああ。違いは食べてみればわかる」
ツバサ「ふーん…じゃあ、ちょっとだけ」パク
シャキシャキ
英玲奈「どうだ?」
ツバサ「おいしい…確かに、これは焼肉に合うわね」
英玲奈「うむ」モグモグ 【五年前・南家】
ことり(小6)「お母さん。それ何?」
理事長「山くらげよ。ことりも食べる?」パリポリ
ことり「やまくらげ…山にクラゲがいるの?」
理事長「いえ、そのクラゲとは関係なくて…茎レタスって呼ばれてる野菜の漬物なの」
ことり「これがレタス?…全然、そうは見えないけど…」
理事長「植物学的に近い種類ではあるみたいだけど、レタスとは別物だからね。でも美味しいわよ♪」
ことり「ふーん…じゃあ、いただきます」パク
理事長「コリコリして美味しいでしょ?」パリポリ
ことり(不思議な食感…これはハマるかも)パリポリ
【四年前・園田家】
ほの母「はい。去年の梅干し」
海未母「ありがとうございます。きぃちゃん♪…じゃあ、私のもどうぞ」
ほの母「ありがと♪“がり”って家では漬けてないから助かるわ」
海未(中1)「あれって生姜の甘酢漬けですよね…どうして“がり”と言うんでしょう?」
穂乃果(中1)「さあ?ガリガリかじって食べるから?」
海未「漬ける前の生姜ならまだわかりますけど、漬物になった物はガリガリいうほどではないですよ」
穂乃果「まあそうだね。シャキシャキって感じ?」
雪穂(小5)「シャリシャリじゃない?」
海未「いや、そこは別にどちらでもいいんですけどね…」
【三年前・西木野邸】
真姫ママ「おいしい♪」シャキシャキ
真姫(中1)「ふーん…漬物ってそんなに美味しいの?」
真姫ママ「ええ。私、野沢菜って昔から好きなの♪」
真姫「高菜と野沢菜ってどう違うの?」
真姫ママ「それは…どうなのかしら?呼び方が違うだけじゃない?」
真姫「いりこと煮干しみたいな?」
真姫ママ「たぶん…そうだわ。インターネットで調べてみましょう♪」
ピコン
真姫ママ「えーと、野沢菜…」カタカタ 真姫ママ「聖護院かぶの千枚漬、買っちゃった♪届くのが楽しみだわ」ワクワク
真姫「いや、高菜と野沢菜はどこいったのよ…」
【一昨年・都内某スーパー】
希(一人暮らしの食卓に重宝するのが…市販の漬物や!)
希(おかずを自分一人のために何品も作るんは大変やし…メインの料理と漬物があれば何とかなるよね)
希(一年)「これと、これも買っとこ」ガサ
にこ(一年)「あれっ、希。あんたも買い物?」
希「にこっち!」
にこ「にんにくの漬物?…また渋い好みね」
希「これ美味しいんよ。小さくてあんまりニオイもきつくない中国産のにんにくなん」
にこ「ふーん…からくない?」
希「ないない。生にんにくとは全然違うよ。味は漬物の味って感じ。シャキシャキ歯ごたえがあって…」
にこ「そこまで言うなら一つ買ってみるわ」ポイ
にこ「あとは…これね」
希「新生姜の漬物やな。にこっち、辛いの苦手やなかったっけ?」
にこ「マ…親が好きなのよ。これ」
希「へー」
【昨年】
ツバサ(二年)「ちょっ…あんじゅ、何それ!?」
あんじゅ(二年)「何って、普通の牛丼よ」
ツバサ「いや、その山盛りの赤いやつ…」
あんじゅ「紅しょうが。ツバサだって食べるでしょ?」
ツバサ「少しは食べるけど、なくてもいいくらいよ…そんなに食べたら塩分とりすぎじゃない?」
あんじゅ「そうかしら?…でも、牛丼の具って味付けが甘めだし酸味とかないでしょ。紅しょうがをのせるとちょうどいいのよ」
英玲奈(二年)「…」パリポリ
ツバサ「え。…英玲奈は今とんかつと一緒に何食べたの?」
英玲奈「大根の味噌漬けだ」モグモグ
ツバサ「とんかつに漬物?…野菜もあるのに」
英玲奈「ソースをかけずに味噌漬けを食べてキャベツも食べるとちょうどいい」 あんじゅ「変わった食べ方ね…ソースが嫌いなの?」
英玲奈「いや、そんなことはないが…いつもソース味だとソースを食べているように感じる。だから気分によって味付けを変える」
ツバサ「まあ、キャベツとソースの組み合わせならほかに焼きそばやお好み焼きとかあるものね…」
あんじゅ「っていうか、ツバサこそ…何それ?」
ツバサ「何って、カレーライスよ」
英玲奈「福神漬けが多すぎないか…」
あんじゅ「そんな甘いの、ごはんに合わなくない?」
ツバサ「カレーと一緒に食べれば合うわよ。カレーのときしか食べる機会ないでしょ?」
あんじゅ「ふーん…私は福神漬けこそ無くてもいいくらいだけど」
英玲奈「しかし漬物といってもそれぞれ味が全く違うな」
ツバサ「そーね。漬物を主役として食べることはほとんどないけど、ごはんのときはいろんなメニューにそれぞれ合う漬物があって…」
あんじゅ「色を添える意味でも欠かせない感じがするわね。福神漬けや紅しょうがだって色を変えたら印象も全然違っちゃうでしょうし」
【今年三月・絢瀬家】
亜里沙(中2)「お姉ちゃん!」
絵里(二年)「なあに?亜里沙」
亜里沙「あのね、キューショクにドライフルーツがついてたの♪」
絵里「食べないで持って帰ったの?…あら、でもこれ…」
亜里沙「何のフルーツかな?」ワクワク
絵里「亜里沙…これ、ドライフルーツじゃないわよ。漬物ね」
亜里沙「つけもの?動物園?」
絵里「いや、けものじゃなくて漬物。野菜のピクルス」
亜里沙「そ、そうなんだ…こんな色のお野菜、ロシアにはなかったわ」
絵里「たぶん、生の野菜のときはこういう色じゃないはずよ。後から色をつけた物ね」
亜里沙「色をつけたものだから、つけもの?」
絵里「いや、そういうわけじゃ…色をつけない漬物もあるから」
亜里沙「へー。ニッポンには、ほかにどんなツケモノがいるの?」ワクワク
絵里「そうね…じゃあ、ちょっと買いに行きましょうか?」
亜里沙「うん♪」 【都内某スーパー】
絵里「ほら、これなんか野菜本来の色よ」
亜里沙「かぶ、きゅうり」
絵里「そうね」
亜里沙「これもツケモノなの?お水が溜まってるわ。金魚みたいに、お水がないと死んじゃう?」
絵里「いや、これはただの水じゃなくて…味がついてて、この中に漬けているとお野菜が同じ味になるの」
亜里沙「Хорошо」キラキラ
絵里「じゃあ、これとこれを買っていきましょうか…」
亜里沙「お姉ちゃん!ニッポンがあるの♪」
絵里「ニッポン?」
亜里沙「ほら、これ。ヒノマル?が、たくさん入ってる♪」
絵里「うぐっ。…そ、それは」ヒヤアセ
亜里沙「キャンディーみたいでキレイ♪亜里沙、これ欲しいな」
絵里「えーと…私は食べないけど…亜里沙が食べるなら買いましょうか」
亜里沙「お姉ちゃんはニッポンきらい?」
絵里「日本は好きだけど、それの味付けは私には刺激が強すぎるっていうか…」
亜里沙「ふーん…刺激的な味なのね」ドキドキ
絵里(これ、前に希が食べてたわね。カリカリ梅?とかいうの…普通の梅干しとは違うみたいだけど、やっぱり私は苦手…)
【再び絢瀬家】
亜里沙「おいしい♪」パリポリ
絵里「ごはんに合うわね」モグモグ
亜里沙「緑色と白の組み合わせって、さやか…ささやか?」
絵里「爽やか?」
亜里沙「そう!とってもキレイ♪」
絵里(きゅうりとカブの漬物は美味しいし、これはいいんだけど…)
亜里沙「じゃあ、次はヒノマルのツケモノね♪」
絵里(こんなの食べて亜里沙は大丈夫なのかしら?)ハラハラ
絵里「中に硬い種が入ってるから、気をつけてね…」
亜里沙「うん。フルーツと一緒だね♪チェリーみたいなもの?」パク
絵里(た、食べちゃった…)ヒヤヒヤ 亜里沙「Хорошо♪」カリコリ
絵里「ど、どう?…亜里沙」
亜里沙「おいしい♪これがニッポンの味なのね!」キラキラ
絵里(亜里沙は平気なのね…私のほうが三つも年上なのに、何だかちょっと情けないかも)トホホ
亜里沙「つけものって楽しいね!お姉ちゃん♪」
絵里(でも…亜里沙が嬉しそうだから良しとしましょう♪)
【四月】
穂乃果「いやー、今日もナスがうまいっ♪」モキュ
海未「また漬物ですか?…塩分の摂りすぎですよ」
穂乃果「いいの。そのぶんなるべく調味料とか使わないようにしてるから」
絵里「ねえ。ちょっといい?」
穂乃果「あ、はい。どうぞ♪」
絵里「え?…ナス?」
穂乃果「家でお母さんが漬けてくれたんです。おいしいですよ♪」
絵里「ありがとう…いただきます」
ことり「きゅうりもありますよ。どうぞ♪」
希「え、ウチ?」
ことり「はい。お漬物の乳酸菌は体にいいですから♪」
希「はあ。ありがと」
モキュモキュ パリポリ
海未(どうして中庭でみんなで漬物を食べているんでしょう…)
穂乃果「ねえねえ、あの先輩たちって海未ちゃんの知り合い?」ヒソヒソ
海未「生徒会長と副会長ですよ」
穂乃果「そうなんだ?ただの漬物好きな人じゃなかったんだね!」
絵里「い、いけない…南さんに訊きたいことがあって来たんだったわ」
ことり「きゅうりも食べますか?」
絵里「いや、漬物を食べに来たわけじゃなくて…」
希「ナスのへた持ったまま言っても説得力ないけどね…」
穂乃果「へた、こっちにください。後で一緒に捨てときますから」
絵里「え、ええ」 ことり「それで、私に訊きたいことって何ですか?」
絵里「理事長、何か言ってなかった?」
ことり「カブと大根、どっちがいい?って」
絵里「いや、漬物の話じゃなくて…廃校の件についてよ」
ことり「いえ、それは特に何も…ただ」
希「何かあるん?」
ことり「きゅうりやナスは旬じゃないから、根菜の漬物を作りたいみたいです」
絵里「わかるけど、漬物の情報は今いらないわ」
穂乃果「じゃあ…漬物のいいところを見つけてアピールすれば、入学希望者が」
希「増えないと思うよ」
海未「そういえば…この像、以前盗難に遭ったことがあるんですよね」
絵里「こんな物を盗んでどうするつもりだったのかしら?」
ことり「漬物石がわりに使ったんじゃないかなぁ?」
穂乃果「そっか。なんか力強い味の漬物ができそうだよね!?」
希「いや、使いづらいだけやと思うけど…」
【室内プール】
穂乃果「このプールって、一年中泳げるから…」
ことり「漬物の保管とかに使えないよね」
海未「どうして室内プールに漬物を保管するんですか…」
希「まあ、ひんやりしてて良さげな感じはするけど」
絵里「でも漬物のニオイがするプールで泳ぐのはちょっと…」
穂乃果「私たちも漬物気分に浸れますね♪」
ことり「アハハ。食べるのは好きだけど、漬物になりたくはないなぁ…」
海未「ニオイといえば、ことりはにんにくが苦手でしたね」
ことり「う、うん。にんにくはニオイがきついから苦手…」
絵里「じゃあキムチとかもダメってこと?」
穂乃果「そういえば、日本の某老舗漬物メーカーのキムチは日本人向けに作られててあまり臭くないけど…」
希「あれってネギが入ってないからネギ特有の辛味や刺激臭がなくて、まろやかなんだよね」
海未「そのかわり、にんにくがかなり効いていますが…」
ことり「うん…私はあれも含めてキムチはほとんどダメ」 希「にんにくの漬物はどうかな?漬物のニオイはあるけど、にんにく臭はほとんどないよ」
ことり「そうなんですか?にんにくが苦手だから全然食べたことないですけど…」
【アルパカ小屋】
穂乃果「さすがにアルパカさんは漬物は食べないよね?」
アルパカ「メ゙ェ?」
花陽「は、はい。動物には基本的に味の濃い物は食べさせないほうがいいと思います…」
ことり「漬物を味わえるのは私たち人間の特権なんだね」
花陽「まあ、そもそも発酵食品自体が苦手な動物も多いですし…有名なところでは、ネズミはチーズを食べません」
ことのぞほのえりうみ「へー」
【図書館】
穂乃果「ここなら、廃校阻止のヒントになりそうな漬物の資料があるかも!?」
ことり「学校の図書館に漬物の資料って…あるのかな?」
海未「というより、漬物で廃校を阻止できるとは思えませんが…」
凛「でも面白そう!凛はラーメンの資料を探そうかにゃ♪」
花陽「わ、私はごはんに合う漬物の資料を…」
希「ふむふむ…中国では六世紀頃の資料に漬物の作り方を詳細に記したものがあるみたいや。その時代には高菜漬や梅干しなんかが既にあったんやって」
ことほのえりうみりんぱな「へー」
絵里「日本の漬物って中国の漬物と同じ物なの?」
希「どうやろな…あんまり昔すぎて詳しいことはわからないけど、少なくとも幾つかは中国発祥の物なんやない?今でも市販の漬物に使われてる野菜は中国産が多いし」
花陽「でも、そんなに昔からあるってことは…」
穂乃果「音ノ木坂がこれからも続いていくためには、漬物が必要ってことだよね!」
ことのぞえりうみりんぱな「!」
真姫「…いや、無理でしょ?漬物で廃校阻止なんて…」
凛「凛は漬物よりラーメンがいいにゃー♪」
真姫「ほら。入学希望者を増やすってことは、対象は女子中学生よ。漬物がそんなに好きな子なんて滅多にいないんじゃない?」
絵里「…あなたは?」
真姫「西木野真姫」
海未「受験生に人気が出そうな漬物ですか…確かに難しいかもしれませんね」
絵里「亜里沙は漬物が好きみたいだけど…」
希「まあ、亜里沙ちゃんにとっては日本の漬物が珍しいんやろね」 穂乃果「んー。雪穂はどんな漬物が好きだったっけ…」
【高坂家】
ガララ
穂乃果「ただいまー」
雪穂「お姉ちゃんおかえ…り?」
ゾロゾロ
ことのぞえりうみまきりんぱな「お邪魔します」
雪穂「えぇ…いったい何の集まり!?」
穂乃果「ちょっと雪穂に訊きたいことがあって…」
雪穂「な、なによ」
穂乃果「雪穂は、どんな漬物が好き?」
雪穂「漬物?…わりと何でも食べるけど…かぶ、大根、梅干しとか好きだよ」
絵里「へえ。亜里沙と好みが似てるわ」
凛「じゃあ、そのへんが女子中学生に人気が出そうな漬物かにゃ?」
海未「でも大根といってもいろいろな漬物があるじゃないですか。たくあんや味噌漬け、つぼ漬け、桜漬けとか…」
雪穂「家で漬けた大根が好きだよ。普通の塩漬け、ぬか漬けとか」
穂乃果「あ、それなら私も大好き♪」
ことり「私も好きだよ♪」
海未「私も…」
花陽「じゃあ、自家製の漬物で廃校阻止…かな?」
希「まあ基本はそうなるやろね。買ってきた漬物じゃ音ノ木坂のアピールにならないし」
真姫「さらっと言ってるけど本当にそんなことできるの?」
花陽「え、えーと…漬物だけじゃ難しいかも…」
穂乃果「そこまで言うなら西木野さんもうちの漬物を食べてみてよ。雪穂、お茶!」
雪穂「はいはい…」パタパタ
絵里「西木野さんは好きな漬物とかないの?」
真姫「…無くはないですけど」
ことり「どんな漬物が好きなの?」 真姫「聖護院かぶの千枚漬」
穂乃果「あー、あれも美味しいよね♪」
希「利尻昆布が入ってたりする高級品やな」
真姫「まあ…でも、カブがあれば作れるんじゃないですか?」
花陽「ちょっとハードル高い感じがするけど…」
海未「ですが、あれを作ることができれば…」
ことり「平凡な漬物よりはアピールになるかも?」
穂乃果「よーっし!じゃあ早速」ザッ
ツルン
穂乃果「わぁ!?」
凛「にゃっ!?」ガシッ
穂乃果「びっくりしたぁ…」ギュ
凛「大丈夫ですかー?」
穂乃果「う、うん。ありがと///」
凛(なんか…柔らかくて、いい匂いがしたにゃ///)ドキドキ
海未「穂乃果は何を踏んだのです?」
花陽「これ…かなぁ?」ヒョイ
真姫「ああ、UTXのパンフレット…」
絵里「どうしてそんな物が落ちてたの?」
ことり「ま、まさか…この中にUTXのスパイが!?」
のぞほのえりうみまきりんぱな「えっ」
凛「UTXの人が穂むらちゃんを転ばせようとしたのー?><」
希「いや、考え過ぎやないかな?…この家にも受験生がいるやろ?」
穂乃果「受験生…まさか、雪穂がUTXのスパイだっていうの!?」
雪穂「お茶持ってきたよー」ガララ
穂乃果「雪穂!どういうこと!?」
雪穂「危ないよ。いきなり何?」カタ
真姫「すっぱい…」パリポリ
花陽「ぬか漬けのほうはちょっと酸味があるね」
ことり「スパイだけに!?」
雪穂「いや、スパイとかじゃないし…私、来年受けるの。UTX」 穂乃果「なーんだ。スパイじゃなかったんだ…ハハハ」
凛「あははは!」
穂乃果「って、雪穂!音ノ木坂受けないの!?」
絵里「この大根、とっても美味しいわね♪」
希「にんじんの漬物まである…」パリポリ
ことり「穂乃果ちゃんちの漬物、いつも美味しいね♪」
穂乃果「お母さんお母さーん!」
真姫(なんか揉めてるみたいだけど…私たちは漬物食べて和んでていいのかしら?)
雪穂「っていうかさ…音ノ木坂、なくなっちゃうんでしょ?」
ほのえり「なくならない!」
雪穂「えぇ…」
【翌朝・秋葉原】
穂乃果「おぉー!…す、すごい」ベター
真姫「UTXに漬物のヒントなんてあるの?」
海未「それはわかりませんが…調べておく必要がありますね」
ことり「入学希望者を増やすってことは、UTXと取り合いになるし…」
絵里「私たちにとって最大のライバルが、どんな漬物を食べているのか…」
にこ「は、はぁ?…漬物?」
希「あれ?…にこっち」
にこ「げっ(…希)」
りんぱな「ニコッチ?」
にこ「ひ、人違いよ」
絵里「矢澤さん…何してるの?」
にこ「だ、だから…もう!なんであんたたちがいるのよ」
穂乃果「あなたもUTXの漬物を調べに来たんですか?」
にこ「んなわけないでしょ!なんで漬物なのよ」
凛「あ。凛わかった♪UTXのUは梅干し、Tはたくあんでしょ?」
花陽「それだったら漬物のTでもいいんじゃないかな?」
ことほのうみのぞまきえりりん「!」
にこ「いや、じゃあXは何なのよ…」 希「それは…未知の漬物って意味やないかな?」
海未「定番の梅干しやたくあんのほかに、未知の漬物まで…」
ことり「都会の真ん中で、こだわりの漬物を追究し続ける学校…それがUTX!」
絵里「お、おそろしい…」プルプル
真姫「とにかく行ってみましょ。ここで考えてたって何もわからないわ」
凛「よーし。行っくにゃー!」ギュ
にこ「ちょっ、行くってどこへ…わぁ!?」グイ
【UTX一階】
海未「見れば見るほど漬物とはかけ離れた雰囲気ですね…」
絵里「こんなところで本当に未知の漬物を作っているの…?」
にこ「いや、あんたたちが勝手に言ってるだけでしょ。UTXで漬物なんて──」
「ふふっ…やっぱり、どんなに隠してもわかっちゃうのね。漬物の匂いって」
にこぱな「!?」
絵里「あなたは…UTXの」
「ええ。私は綺羅ツバサ」
ことり「ちなみに、未知の漬物について教えてもらえたり…」
ツバサ「それは言えないわ。門外不出なの」
希「…まあ、そうなるやろな」
ツバサ「ただ、食べてもらうことはできるけど。…どうする?」
真姫「何も教えないけど、食べて自分で判断しろってわけ…望むところよ」
ツバサ「いい心がけね。フフフ…じゃあ、ついて来て」
【UTX地下】
穂乃果「作った漬物は地下に貯蔵されてるんだ…」
花陽「こ、こんなにたくさん…」
ツバサ「こっちよ」スタスタ
「ツバサ。…これでいいのか?」
にこぱな「!」
ツバサ「ありがと、英玲奈。持って行きましょ」
英玲奈「君たちは運がいい。これはUTXの生徒でもまだ限られた者しか口にしていない、言わば幻の漬物だ」
絵里「ま、幻の漬物…」ゴクリ 【再び一階】
あんじゅ「はい、どうぞ。じっくり味わって♪」
ことほのうみのぞえりにこまきりんぱな「いただきます」
パリポリ
凛「おいしい…けど、これ何の漬物?」
にこ「いわゆるピクルスみたいな酢漬けね」
穂乃果「こんな野菜食べたことあったかなぁ…?」
海未「これは…搾菜ですね」
ことり「ザーサイって…あの瓶詰めの?」
海未「市販の搾菜はどれも似た味に加工された漬物ですが、本来その原料となる中国野菜そのものを搾菜と呼ぶんです」
ツバサ「さすがね。少し食べただけで気づくなんて…」
希「確か、からし菜の茎にできるコブみたいなのが搾菜やったっけ」
花陽「つまり、搾菜を従来の塩からい中国風の味付けではなく、酢漬けにした…」
にこ「それが未知の漬物の正体ってわけね」
真姫「搾菜といえば、あの味付けが当たり前みたいになってるけど…」
絵里「ただの野菜だから別に同じ味付けじゃなきゃいけないってことはないものね」
穂乃果(さすがUTX…斬新な漬物。これに勝てる漬物を考えなくちゃ)
【音ノ木坂】
希「漬物の消費量が生産量をうま」
絵里「うま?」
理事長(ウマー♪^8^)パリポリ
希「っていうか、さっきから何の漬物を食べてるんですか?」
理事長「これは山くらげ」
のぞえり「山くらげ!?」
理事長「ええ。私、これ好きなの♪」パリポリ
希「山くらげ…確か、茎レタスと呼ばれる中国野菜」
絵里「そうなの?」
希「ウチらにとってあまり馴染みのない野菜やし、搾菜に負けないくらいの斬新さ。しかもコリコリした独特の歯ごたえで人気も出そうやんな」
絵里「なるほどね。じゃあ、その茎レタスとかで漬物を作れば…」
理事長「思いつきで行動しても、簡単に状況は変わりません。生徒会は今いる生徒の学校生活をより良くすることを考えるべきです」 絵里「あとは…やっぱり日本の伝統的な漬物?」
希「聖護院かぶの千枚漬は高級感あるし、作れたらいいよね」
理事長「…」パリポリ
【二年教室】
穂乃果「見て見て見てー!」バサ
ことり「趣味の園芸 やさいの時間?」
穂乃果「これが聖護院かぶ!日本一大きなカブなんだって♪」
海未「それは知っていますが…」
ことり「千枚漬にするカブだよね」
穂乃果「それで私、考えたんだけど」
海未「私たちで畑を作って栽培しよう!とか言い出すつもりでしょう?」
穂乃果「海未ちゃんエスパー!?」
海未「誰だって想像つきます!」
穂乃果「だったら話は早いね!早速今から」
海未「その雑誌に載っているような立派なカブを収穫できたのは、プロと同じように努力し、真剣にやってきた人たちです!」
ことり「待って、穂乃果ちゃん。聖護院かぶの種まきは九月頃…って、ここに書いてあるけど…」
穂乃果「そ、そうなの?…じゃあ、ことりちゃんの誕生日くらいに種をまいて…って、それじゃ廃校になっちゃうよ!」
海未「はっきり言います。聖護院かぶは無しです!」
【屋上】
穂乃果「あーあ。いい考えだと思うんだけどな…」
バサー
穂乃果「ん?…あ、あれ?…小泉さん」
花陽「先輩も手伝ってください!」
穂乃果「ちょ、ちょっと…屋上に土を持ってきてどうするの!?」
花陽「もはや一刻の猶予もありません…ここに畑を作って、漬物の材料になる野菜を栽培するんです!」
穂乃果「ここって…まさか屋上を畑にしちゃうの!?」
花陽「空いている充分な広さと日照を確保できる場所を考えたら、ここしかありません!」
穂乃果「そ、そんな…茂野吾郎じゃあるまいし」ヒヤアセ
花陽「夢の舞台へ、駆け上がれ!」ドタバタ
穂乃果「だ、ダメだぁ…私一人じゃ今の小泉さんを止められる気がしないよ」 ガラガラ ザバー
凛「まだまだ全然足りないにゃ」
真姫「なんで私がこんなこと…」
穂乃果(結局、みんなで屋上に土を運ぶ羽目になっちゃった…)
穂乃果「ね、ねえ。でも何の野菜を栽培するつもりなの…?」
花陽「いろいろやってみましょう。茎レタスに、聖護院かぶ。定番のきゅうりやナスまで…」
凛「搾菜は作らないのー?」
真姫「高菜や野沢菜も…」
花陽「できる限りやってみよう。とにかく私たちには時間がないんだから!」
穂乃果「えーと…時間がないんだったら畑から作るのは効率が悪」
花陽「穂むらちゃん!」
穂乃果「いや、私、高坂穂乃果…」
花陽「買ってきた野菜で漬物を作るだけでいいんですか?それでUTXに…A-RISEに勝てますか!?」
穂乃果「うぐっ」
真姫「音ノ木坂で育った野菜を使って、音ノ木坂の生徒が作る漬物…」
凛「だからこそ、音ノ木坂のアピールになるんだよねー♪」
穂乃果「…そっか」
穂乃果(でも、これから種まいて聖護院かぶが無事に収穫できるのかな?基本は秋まきみたいだし。ものすごく不安…)
ヒデミカ「穂乃果ー!」
フミコ「穂乃果ちゃん♪」
穂乃果「ヒデコ、フミコ、ミカ!…手伝いに来てくれたの?」
ヒデコ「四人だけじゃ、いつまで経っても終わらないでしょ?」
フミコ「私も、穂乃果ちゃんが作ってくれる漬物を食べたいし…」
ミカ「音ノ木坂が好きだから!」
穂乃果「ありがとーっ!」ギュー
フミコ「わ。穂乃果ちゃん///」
ミカ「早く始めようよー><」ジタバタ 【生徒会室】
穂乃果「漬物部設立の申請書です!」
絵里「最低五人は必要なの」
希「あと一人やね」
「仕方ないわねー」
ほのまきりんぱな「えっ」
絵里「矢澤さん…」
にこ「これで五人よ。希!」
希「う、うん。じゃあ承認っと」ポン
絵里「本当にやるつもりなの?漬物で廃校を阻止なんて…」
にこ「ま、私は作りたい漬物を作って、食べたいときに食べられたらそれでいいけど」
花陽「UTXに勝てる漬物ができれば、きっと廃校だって阻止できます!」
パタン
穂乃果(まず屋上の畑を完成させて、それから野菜づくり…正直まだスタートラインにさえ立ってない感じだよね)
ことり「穂乃果ちゃーん!」
海未「穂乃果!」
穂乃果「ことりちゃん、海未ちゃん…」
ことり「ミカちゃんたちから聞いたよ。屋上に畑を作るって…」
海未「無謀すぎますね。搾菜も聖護院かぶも秋まきの野菜だというのに…」ハァ
ことり「搾菜のコブの部分は、気温が高いと大きくならないんだって」
穂乃果「そ、そうなんだ…」
海未「まあ、植える野菜はこれから考えるとして…畑ができなければ何も始まりませんし」
ことり「私たちも手伝うよ♪」
穂乃果「たち…ってことは」チラ
海未「誰がタチですか!…穂乃果だけでは心配ですから、手伝うことにします」
穂乃果「ことりちゃん、海未ちゃん…ありがとーっ!」ギュー
海未「ほ、穂乃果///」
ことり「ザーサイは搾菜って書くんだよね」
海未「私たちを搾ってどうするんですか><」
穂乃果「だってー可能性感じたんだ♪」
にこ「歌ってないで手伝いなさい!まだ畑はできてないわよ!」 【翌朝】
絵里「もう畑ができたの!?たった五人で…」
穂乃果「ことりちゃんと海未ちゃん、ヒデコとフミコとミカも手伝ってくれましたから♪」
希(あわせて十人か…ウチの占いより一人多いけど)
絵里「それで、今度は講堂を借りて何をするつもり?」
ことり「作った漬物の貯蔵庫として使います♪」
絵里「却下」
パタン
にこ「ほら、だから室内プールのほうがいいって言ったのに!」
海未「いや、それも却下されると思いますが…」
【再び生徒会室】
絵里「なぜあの子たちの味方をするの?」
希「へ?…いや、ウチは何も言ってないやん?」
絵里「そう…ならいいわ」
希(やっぱり、ホンマはエリちも一緒にやりたいんかな?)
【中庭】
海未「茎レタスは春まきも可能みたいですね」
穂乃果「この春巻おいしい♪」パリッ
海未「その春巻ではなく春に種まきをする春蒔きですよ」
真姫「真姫真姫って連呼しないで!」
海未「す、すみません…」
花陽「でも、夏まきのほうが育てやすいみたい…」
凛「まあ、秋まきの野菜よりはうまくいく可能性もあるんじゃないかにゃ?」
にこ「そーね。時間もないし、四の五の言わずにやってみましょ」
【二年教室】
カキカキ
ことり「…こんなもんかな?」
穂乃果「ことりちゃん。何を描いたの?」
ことり「畑のどこにどんな野菜をどれくらい植えるか考えてみたの。これでどうかなぁ?」
海未「聖護院かぶ、茎レタス、搾菜。なす、きゅうり、大根…」 穂乃果「ちょ、ちょっと待って。このスラッと伸びてる緑色に塗った区画は…」
ことり「ピーマンよ」
穂乃果「えーと…私たちが作ろうとしてるのは漬物だよね?」
ことり「穂乃果ちゃんは知らない?ピーマンもピクルスとか漬物にするんだよ♪人気もあるみたい」
海未「ああ、そういえば…ここにピーマンの浅漬けのレシピが載っています」
ヒデコ「あれ?…穂乃果は?」
ことうみ「えっ」
フミコ「いない…ね」
ミカ「逃げた!?」
【廊下】
穂乃果(ピーマンの漬物なんて絶対変だよ。こうなったら投票箱を置いて反対意見を集めよう!)
穂乃果(ピーマンの漬物をどう思いますか。選択肢は…食べたくない、あまり食べたくない、どちらかといえば食べたくない、絶対に食べたくない、その他…の五つ)カキカキ
希「何してるん?」
穂乃果「ぎくっ」
【屋上】
花陽「種まきはひととおり終わったね。あとは毎日お世話しながら様子を見て…」
真姫「無事に収穫できたらどんな漬物を作るか、今から考えておいたほうがいいんじゃない?」
凛「野菜ができるのは楽しみだけど、それまでは地味な作業の繰り返しになるにゃ…」
海未「仕方ありませんよ。農業とはそういうものです」
ことり「生き物を育てるのと違って、観察してても常に動いてるわけじゃないもんね…まだ芽も出てないし」
にこ「まあ、葉っぱが出てきたら呼んでない生き物がわらわら湧いてくるだろうけど…」
穂乃果「直接お野菜に害がある虫さんは、えいえいってしなきゃダメだよね」
真姫「えいえい?」
ことり「そういえば…穂乃果ちゃん、昔お野菜の葉っぱを食べちゃうテントウムシさんを飼ってたことがあったよね♪」
海未「ああ、そんなこともありましたね…懐かしいです」クス
穂乃果「アハハ…二人とも覚えてたんだ。確かにいたね…結局すぐいなくなっちゃって、ホントに短い間だったけど」
http://karma.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1496502127/16-21
凛「テントウムシってアブラムシとかを食べてくれるんじゃないのー?」
花陽「普通のテントウムシはそうなんだけど…テントウムシダマシって呼ばれてる種類がいて、それは葉っぱを食べちゃう虫なの」 真姫「形はほとんどテントウムシと同じね。ただ色や模様が違うのよ。つやのないオレンジ色で黒い斑点が28個もあるから、よく見ればすぐわかるわよ」
凛「へー。みんなよく知ってるにゃ…」
海未「あの頃は正直他人事でしたが、実際に私たちが野菜を育てるとなると…」
ことり「またあの子たちに会えるかもしれないね♪」
穂乃果「お野菜にとってはあんまり嬉しくないけど…」
花陽「ほら、これだよ」
凛「ニジュウヤホシテントウ?…なるほどにゃ」
真姫「つやのある、こういうテントウムシ…ナミテントウやナナホシテントウはアブラムシなんかを食べる益虫よ」
凛「ふむふむ…覚えておかなくちゃ」
にこ「それと、土の中にいる虫にも気をつけなさい。…ほら、こういうの」
凛「うわぁ、なんかイモムシみたいなのがいるにゃ…何の幼虫ですかー?」
にこ「これはコガネムシの幼虫。植物の根っこを食べちゃうから、見つけ次第どこかの草むらにでも捨ててきたほうがいいわ」
真姫「根っこがないところにいるのは害のないカナブンの幼虫だったりもするけどね。まあ見分けるのは難しいから、似たような虫はみんな畑の外に追い出したほうがいいかも」
花陽「搾菜には蝶の幼虫も来そうだね…」
穂乃果「暑くなってくる頃には虫と戦う日々かなぁ…」トホホ
【翌日】
絵里「簡単に考えてほしくないの」
穂乃果「生徒会長さん…もしかして、手伝いに来てくれたんですか?」
絵里「え?…い、いえ。私は…」
花陽「じゃあ、これお願いします。お水あげるのは、あっちの端の一列だけでいいですから」
絵里「向こうね。わかったわ」
サァァァ…
にこ「昨日も一応あげたから、ちょっと土が湿る程度でいいわよ」
絵里「ふーん…」
凛「お野菜ができるの楽しみですねー♪」
絵里「そうね」
真姫「…ふふっ」
ことり「ふふふ」
絵里「あ…い、いや。別に私は期待してないわよ!?」
海未「いつでも様子を見に来てください。芽が出たら報告しますから」 【五月】
花陽「葉っぱ、だいぶ大きくなったね♪」
凛「もう虫さんがいるよー?><」
にこ「できれば薬品とか使いたくないのよね…」
海未「ですが、アブラムシを一匹ずつ取り除くというのは…」
真姫「効率が悪すぎるわね」
ことり「じゃあ…あれを探しに行こっか?」
穂乃果「あ、あれって…まさか」
【都内某所】
にこ「いい?アブラムシを食べるテントウムシと、その幼虫。いなければハエトリグモやカエルなんかでもいいから、捕まえて畑に連れていくのよ!」
絵里「そんなので本当に大丈夫なの…?」
海未「薬品を使わずに野菜を育てるなら、これくらいしないと…」
凛「なんだかワクワクするにゃー♪」
穂乃果(う、うーん。昔に比べて虫さんはちょっと苦手かも…どうして小さい頃は平気だったのかなぁ)
真姫「ほら、これがテントウムシの幼虫よ。成虫よりも獰猛で食欲旺盛だから、一匹いるだけでアブラムシがかなり減るわよ」
花陽「あと、畑にアリさんがいたら捕まえて畑の外へ逃がしたほうがいいかも。アブラムシと共存してテントウムシさんを追い払ったりするから…」
ことり「アルゼンチンアリだったら見つけ次第えいえいってしちゃおう♪」
【6月21日】
ことり「早速できたよ。畑のお野菜で作った漬物、第1号♪」
絵里「緑色の葉っぱの野菜?こんなの植えたかしら…?」
海未「これは搾菜の間引き菜です。からし菜と呼ばれる葉物の野菜と同じ物ですよ」
ヒデコ「食べていいの?」
穂乃果「どうぞ♪ヒデコたちも手伝ってくれてるし」
ことほのうみのぞえりにこまきりんぱなヒフミ「いただきます♪」
真姫「…おいしい」シャキシャキ
希「からし菜っていうだけあって独特の辛味があるね」
凛「頑張って育てた甲斐があるにゃ」モグモグ
にこ「まだまだよ。これは所詮副産物だし、これからが本番!」
花陽「茎レタスがそろそろかな?梅雨が明ける頃にはきゅうりとか夏野菜も…」
穂乃果(ピーマンはいらないけどね…) 【絢瀬家】
亜里沙「お姉ちゃん。おかえりなさい♪」
絵里「ただいま。亜里沙、今日はおみやげがあるのよ♪」
亜里沙「え、なに?」ワクワク
絵里「音ノ木坂の屋上の畑で育った、からし菜のお漬物よ♪」
亜里沙「Хорошо」
絵里「じゃあ、早速──」
亜里沙「ちょっと待って、お姉ちゃん」
絵里「どうしたの?」
亜里沙「今日はナインチェ・プラウスの誕生日よ♪」
絵里「ナインチェ?…えーと、誰だったかしら…亜里沙のお友達?」
亜里沙「ううん。日本ではミッフィーって呼ばれてる子」
絵里「もしかして…あの有名なウサギのキャラクター?」
亜里沙「うん♪」
絵里「そ、そう…」
亜里沙「お野菜、うさぎさんにもあげたいな♪」
絵里「えーと…でもこれはお漬物だから、動物に味の濃い物を食べさせちゃダメよ」
亜里沙「そっか」
絵里(ミッフィーのお誕生日を祝ってあげようなんて…亜里沙ったら)クス
亜里沙「お漬物おいしいね。お姉ちゃん♪」
絵里(音ノ木坂で育った野菜を、私たちの手で漬物にして…派手な活動じゃないけど、結構大変。でも、いつか…苦労が報われる日が来るといいな)
おわり 乙
てんとう虫の幼虫調べてみたらグロすぎ
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