TBAはメカニカルではないが,シンプルさは運転にあたって有利に働く場合が多い。
アームは2本,それぞれゴムブッシュ1個だけで車体に留まっている。
何か外乱があってもそこぐらいしか動くものがない。
シンプル故に動きが分かりやすい。予想の斜め上なとっ散らかり方はほぼしない。
とっ散らからないとは言わないが,その場合でも何が原因かがすぐ分かる。

どうだろう。
TBAにはメリットがこんなにあるのだ。
デメリットもあるがはっきりしているし,対策の方向も明快だ。
車幅も大きく取れない小型FF車にとっては,リアサスの最適解と言っても過言ではない。
コスト重視の安物サスなどではない。コスパ重視の質実剛健なサスペンションなのだ。
そして,シンプルであるがために,あらゆる状況で適切に機能させるには高度なノウハウが要る。
30年間,自動車業界は1つの構造と向き合って知恵を積み重ねてきたのだ。

トーションビームはもっと評価されるべきだと思う。