自動車ジャーナリスト岡崎五朗氏と
アウディの元デザイナー和田智氏の対談
https://toyokeizai.net/articles/-/179917?display=b

和田:最近のモーターショーを見ていると、仮装大賞のようなノリのものもありますね。文化性や余韻のようなものをあまり感じさせてくれず、びっくりさせたもの勝ち、みたいなところがあるのかな、と。

VWやアウディのデザインはきわめて普通なんですよ。変わったことは一切やっていない。
厳格にプロポーションを決め、肉付けをし、タイヤとのバランスを考える。
素晴らしい普通を生みだす作業をしています。
そうした仕事では、日本車が一生懸命やっているようなスキンデザインの工夫はさほど重要視していないんです。
とはいえ、VWやアウディでも、新しい世代のデザイナーはむしろ日本的な作業法に引っ張られているようにも見えますけどね。
そうでなかったら、ドイツ車のデザインがこんなに「劣化」しないですよ。OBとして言わせてもらうと。

5はオスカーという優れたドイツ製品に贈られるデザイン大賞を獲ったんですが、その際の受賞理由が「究極のクラシシズムだ」というものだったんです。モダンという言葉は一切入ってなかった。

岡崎:それに対して、新型A5や新型TT、それに最近のBMWにも感じるんですが、どうしたいんだろうなと思うんです。

和田:それは私の最近のドイツ車に対する印象と同じです。