<制動系に構造的な問題の可能性>

ここで浮上してくるのがプリウス自体の欠陥問題だ。
決め手となったEDRは事故で大きな衝撃が生じた際に車体の前後左右にかかる加速度やロール角、エンジン回転数、アクセル開度、ブレーキ動作などを記録する装置だ
このEDRの解析結果が出るまでに二十日近くかかったことも臆測を呼んでいる。
交通事故分析を手がける専門家は「取り外したEDRをパソコンに接続してデータを吸い出すには十数分しかかからない。なぜこんなに時間がかかったのか」と訝る。
(中略)
しかもEDRのデータはトヨタの独自仕様で、同社のシステムでなければ分析できないため中立的な検証が難しい。
今回の事故と同様、米国で車両の不具合が問題視された時は、トヨタ側が「EDRシステムは実験装置であり、信頼できるものではない」との声明を出し、データ提供に消極的だったため、「隠蔽工作を疑われたこともあった」(同前)という。