フォレスターの総合雪国性能に関してまず記すべきは、最低地上高がスバル車の中で最も高い220mmに設定されていることだろう。
これにより深雪等に耐えうる走破性を実現する。
最近はSUVといっても最低地上高が通常のセダンやワゴン等と変わらないものもあるほどだが、この点に関しては基本ディメンジョンで雪国での使用を想定しているわけだ。
XVやアウトバックはクロスオーバー的な位置付けだが、それでも最低地上高200mmを確保しており、こうした雪国で使うことの基本をしっかりと押さえることがスバルの言う総合雪国性能なのだ。

総合雪国性能の追求は当然ながら車高以外にも及んでいる。
例えばこれはフォレスターに限った話ではないが、スバル車では全車で優れた視界を確保する「ゼロ次安全」が基本とされ、一般的にはウインドウの配置や高さなどの基本要素で死角を限りなく減らす設計がなされている。
が、雪国では通常のクルマのワイパーでは、ワイパーが停止する位置に雪が固着して動かなくなったり、結果ウインドウをうまく拭けない場合がある。
スバルはこうしたことでゼロ次安全が妨げられないよう、
スバル車のワイパーにはデアイサー(ワイパー停止位置に熱線を入れることで雪溜まりやワイパー固着を防ぐ装備、モデルによってはオプション)が備わり、そうした状況に陥らない対策がなされる。

そして雪国だからこそ重宝するステアリングヒーターや、こびりついた雪を落としヘッドライトを確実に機能させるヘッドライトウォッシャーなど雪国で必須の性能が確保される。
またエアコンのユニットも、吹き出し口を足元近くに配置するなどして、冬場の冷えを感じる要因となる足元への暖かな送風も考えられている。
さらにシートヒーターなどは前後席とも当然用意されており、バックレスト上側まで範囲を拡大するなど、さりげない冬季性能を盛り込むのも特徴だ。