3つめは、レヴォーグの2Lモデルや、WRX S4に使用され、ダイナミックな味付けが施されているVTD(バリアブル・トルク・ディストリビューション)方式。
もっとも機械的に理解し辛いが、まず前軸45%、後軸55%に駆動力を配分する機械的センターデフがある。
そのデフケースには複列式の遊星歯車の機構が相まっており、“相方には”には前後の回転差が高まると働き出す油圧式多板クラッチがある。
そのクラッチ拘束が強まると、センターデフの45:55の不等分割ギアの効果が薄まるというもの。

 イメージとしては、基本として旋回に優位なリヤ駆動寄りの前後配分が、タイヤが滑ったりすると安定重視に変わっていくもの。
もちろんここに姿勢安定のブレーキ制御も相まるのでその特性は自由自在となるが、前後トルク変動に滑らかささを出しながらも、アクティブな効果を期待できる方式であり、
ハイパワー対応も容易にできるので、まさにWRX S4のキャラクターにぴったりのAWDシステムなわけだ。