マルチメディア再生システムにも注意

 FCAは更新ソフトの配布に当たり、「車のシステムに対する許可なく不法なアクセスの潜在的なリスクを減らす」ためには、
「スマートフォンやタブレット」と同様、ソフトを定期的に更新する必要があると説明した。必要ならFCAの技術者が無料で更新を行うという。

 電気自動車もサイバー攻撃に弱い。無線技術が採用されていなくても被害に遭う可能性はある。昨年、シンガポールで開催された
セキュリティ専門家の会議では、価格10万ドルのテスラSモデルも、6文字のパスワードを突き止めるだけでてロック解除ができるという報告があった。

 フォーチュン誌によると、昨年世界中で販売された電気自動車はおよそ30万台にのぼる。

 一方、BBCは22日、英大手セキュリティ会社がノートパソコンと簡単に入手できる機器を使って、車のインフォテインメント・システムに
侵入できることを実証したと伝えた。カーナビやネット接続、マルチメディア再生などを制御するインフォティンメント・システムに侵入すれば、
そこからさらにハンドルやブレーキを遠隔操作することも可能だ。

 ドライバーなしで走行する自動運転車が登場するなど、車のハイテク化は急速に進んでいる。それに伴って、自動車メーカーはセキュリティ対策も
進化させなければ、顧客をサイバー攻撃から守れないと、バイロンは警告する。「車に対するサイバー攻撃はもうSFの話ではない」