スバルの4種類のAWD(四輪駆動システム)は、下記のようにAT車向けとMT車向けに2種類ずつ設定。

■ACT-4(アクティブ・トルク・スプリット)/AT用
■VTD-AWD(バリアブル・トルク・ディストリビューション)/AT用
■DCCD(ドライバーズ・コントロール・センターデフ)/MT用
■ビスカスLSD付きセンターデフ/MT用

4種類すべてに共通するのは「どんな路面状況でも危険な状態に陥らないこと(アクティブセイフティ)」
という安全思想が基本にあり、4種類すべてのシステムを「常に四輪を駆動する完全なフルタイムAWD=vとしています。
通常時は前輪、または後輪のみを駆動し、その駆動輪が空転してから四輪駆動に切り替わるタイプのシステムを「オンデマンド式」と呼び、スバル以外のメーカーでは、乗用モデルの多くにこれを採用。
ドライ路面などの通常時は二輪駆動とすることで省燃費化や低振動・低ノイズ化をはかれるメリットがあります。
センサー感知や駆動力制御の技術が進んだ今では、駆動輪が滑った瞬間(あるいは滑ることが予知された瞬間)から四輪駆動状態となるなど高性能化が顕著になりました。

スポーツカーではポルシェが「911カレラ4」で古くから採用し、極限的な運動性能に達しています。

また、オンデマンド式の中でも滑りやすい路面での発進時などに、補助的に四輪駆動状態となる簡素化したシステムを
「生活四駆」と呼び、小型車や低価格車、またはハイブリッド車で電気モーターが駆動を補助するタイプのクルマに採用されます。

これらのオンデマンド式も四輪駆動システムとして正しい姿のひとつであることは間違いありませんが、
四輪駆動車の販売比率が異様に高いスバルは、四輪駆動システムの開発と生産の実績がケタ違いに大きいため、
フリクションロスや振動・ノイズ、高重量化などの四輪駆動システムのデメリットを最小限に抑えるノウハウが豊富。
そのため、二輪駆動から四輪駆動へ切り替わる瞬間のタイムラグや、走行中に駆動方式が切り替わることで生じる挙動の変化などの
危険リスクを徹底的に排除できる“常時四輪駆動”がベストであると考えているのです。