それはちょうど、
ソクラテス自身の人生が、晩年は経済的にも困窮した状態にあり、最後には、無実の罪によって死刑判決を下されることになりながらも、
その判決から逃れるために自らの考えを曲げることもなく、
最期まで、自分の考えと生き方を貫き通した人生であり、
そうした知の愛求と善く生きることを探究し続ける姿勢を貫き続けたソクラテスの生き方と死に様自体が、
ソクラテス自身の魂の善さと気高さを明確に表しているのと同じ関係にあると考えられることになります。