プラトン著『ソクラテスの弁明』の中で、ソクラテスは、自分が今まで行ってきた哲学探究の活動がどのようなものであり、
それがいかなる意味で善なる生き方に適った行いであるのか?ということについて以下のように語っています。

私は自分の息と力の続く限り、知を愛求し、諸君に忠告し続けることをやめないであろう。…

そして、また、私は以下のようにも信じてもいる。
神に対する私のこの奉仕以上に大きな善がこの国で行われたことがいまだかつてなかったということを。

なぜならば、私が歩き回ってしていることと言えば、身体のことも金銭のことも、どのようにすれば魂をできるだけ優れたものにすることができるのかということ以上に、
あるいは同じくらいにでも気遣ってはならないということを、老いも若きも諸君のすべてに向かって説いて回ることにほかならないからである。

(プラトン著、『ソクラテスの弁明』、第17節)