コストが一緒だったら、BMWのやり方のほうがいい、ということになるんでしょうか?

多田:そう単純なことではなくて、そうなるがための会社の仕組みがぜんぜん違うんです。スバルのときはどちらかといえばトヨタ流のやり方で進めましたけど、
今回はBMW流がいいのか、トヨタ流がいいのかはまだわかりません。ただ、そういうことを知るいい機会なのは間違いないですね。
できるだけ一歩引いて、最初は無駄に感じたことも一度は聞いてやってみようという姿勢でやっています。

BMWも同じ姿勢なんですか?

多田:最初は、「とにかくどんなクルマが欲しいのかそれだけ言え」と。おまえたちに聞くことなんか何もない。そういう時期もありました。
でも日本からエンジニアをミュンヘンにつれていって打合せを重ねていくと、意外と君たちもいろいろ考えているのねって(笑)、伝わるわけです。いまは本当にとってもいい関係ができています。