稲田:そういえば新型スープラは、レースに使うことを想定して設計しているとのとこですが。

多田:そうですね。レースバージョンにしたとき、各オイルクーラーの取り回し位置を考えてあらかじめホース用の穴を開けていたり。
そういうことを考えて、ベースの設計を何度もやり直しました。なので、発売されてチューナーのみなさんがイジっていくときに「おお!」と思ってもらえるんじゃないでしょうか。
あとから改造すると面倒なところをあらかじめやっているってイメージですね。とくに、エンジンチューニングなどをしていったときに問題になるクーリング面はかなり考えましたよ。
だから量産状態でミッションオイルクーラー用のドレンも開いているし、クーラーコアをマウントするスペースも用意したんです。


稲田:そこまでの配慮って、日本車はもちろんヨーロッパ車でもやってないですよね。そういうところは多田さんがBMW側に理解させながら進めたの?
多田:そうですね。だからBMW側も最初は「は?」でしたよ。でも、話は通じるんですよね彼ら。ちゃんと理由を説明すれば理解してくれるんです。