多田:
そもそもね。86を2012年に発売したんですけど、そのときにボクは二度と他社との協業はやりたくないと思ったんです。本当に大変で。会社の考え方がまるで違いますからね。
でも、いまBMWといっしょにやっていて思うのは、スバルのみなさんは本当に理解力が高くて、86&BRZプロジェクトはやりやすかったんだなーってことです。

稲田:しかし、どこからBMWの名前が出てきたんだろうね。
多田:もともとBMWのディーゼルエンジンをトヨタが買って、ヨーロッパで販売するクルマに搭載しようという企画が先にスタートしていたんです。
そして、BMWとの技術提携をもっと深めるプロジェクトの一環として、トヨタとBMWでクルマを共同開発するって話が持ち上がったってかんじですかね。

稲田:じっさいBMWの印象はどうだったんですか? やっぱり頑固?
多田:いやね、最初は本当に愛想がよくて(笑) で、日本に気楽な返事を送ったんです。オッケーかなーって。それが間違いのはじまりでしたね。