ベンツ、BMWが日本で意外に苦戦し始めた事情
 原因はいくつか考えられる。1つはレクサスの好調だ。
レクサスは2018年、前年11月発売の現行型「LS」が初のフル・イヤーを迎えたほか、年末には
「UX」や「ES」を発売し、前年比20.8%増の5万5096台と、BMWをしのぐ水準まで販売を伸ばしてきた。
年に1万台も増えたということは、同価格帯のドイツ車メーカーから相当な需要を奪ったのは間違い
ないだろう。

とりわけメルセデス・ベンツとBMWの2社は、ドイツ本社の意向を受けた販売競争に明け暮れてきた。
表向きにはおくびにも出さないが、この2ブランドはグローバル販売台数でトップを奪うべく各国の
インポーター単位で販売台数を競わせており、そこで好成績を出した管理職層が本社で出世する仕
組みになっている。

 毎年度末の数合わせのためインポーターはインセンティブ(報奨金)を増額してディーラー(販売店)
の奮起を促す。結果、ディーラーは大幅な値引きや自社登録(新車に試乗車などの名目でナンバーを付
け、新古車として市場に流す)をしてでも販売台数の上積みを図るのだ。

ディーゼル問題が尾を引き不振から脱することができないアウディは、こうした競争に過度に踏み込
まなかったようだが、日本法人の社長が比較的短期間で交代することを余儀なくされたところを見る
と、ドイツ本社は現状を好ましいとはとらえていないはずだ。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190122-00260881-toyo-bus_all&;p=3