NHKニュース

「パンツの中に手を入れられ性器を触られた」。
「みずからの性器をなめるように言った」。
信じられないかもしれませんが、これはいずれも子どもどうしで交わされたやり取りです。
いま、全国各地で子どもどうしの性的な問題行動が広がっています。
NHKでは11月、全国の児童相談所にアンケートを行いました。対象にしたのは一般的に性的欲求が低いといわれる思春期前の子どもたちです。
調べてみると過去5年間で、少なくとも275件の問題が起きていることがわかりました。子どもたちに一体、何が起きているのか。背景に迫りました。
(高松局・馬場勇人記者)

私がこの問題の当事者に初めて話を聞いたのは11月。
3年前に被害を受けたいう当時、6歳の女の子の母親でした。
同級生の男の子に性器の周辺を触られる被害にあったというのです。
母親は最初に話を聞いた時には、半信半疑だったようですが、その後、男の子が長女の下半身をなで回しているところを目撃し、娘の話が本当だったと確信したといいます。
しかし母親は男の子に
「そこは遊びで触るところじゃないんだよっていうのをどういうふうに伝えたらいいのか分からなかった
」と当時の胸の内を語ってくれました。


こうした問題は被害を受けた子ども自身が事態をよく理解できないため表面化しにくいとされています。
そこで全国にどのぐらい広がっているのか、私たちは11月、全国の児童相談所、231か所にアンケートを行い、90か所の相談所から回答を得ました。
対象にしたのは一般的に性的欲求が低いといわれる思春期前の子どもたちです。
するとこの5年間で、少なくとも275件の問題が起きていることがわかりました。