スーパー耐性菌止めるにはこれしかない? 培養肉の未来へようこそ
http://www.gizmodo.jp/2016/06/post-antibiotic_era_is_full_o.html

ひときれ3300万円! 肉の味がしない! と世界に衝撃を与えた人工肉デビューから3年。
今や世界中で人工肉は牛、豚、鶏、魚にまで研究が広まっています。

なぜ今、人工肉なのか? 発明した博士と専門家に取材してみました。

●家畜は環境食い

「なぜ肉食をやめたの?」と聞くと、「だって環境に悪いじゃん」と大体のベジタリアンとヴィーガンはいいます。
肉より穀類のほうが環境には負荷がかからない。普通はそれぐらいの認識ですが、よく調べてみると家畜による環境破壊は想像を絶するレベルです。

今や世界に排出される温室効果ガスの実に18%は食肉産業が出元。うちメタンは約40%、亜酸化窒素はななななんと65%が食肉産業から
出まくっているのであります(メタンは温暖化効果が二酸化炭素の23倍、亜酸化窒素に至っては300倍! 意外な盲点だよね…)。

しかも環境負荷は急拡大中で、今のペースでいけば世界食肉産業の環境負荷は2050年には1999年の2倍に増えることが国連食糧農業機関(FAO)の
調べでわかっており、「家畜1頭あたりの環境負荷を半減させないと、今の水準に押さえることすらできなくなる」のだといいます。

なんでそんなに負荷がかかるのか?

まず耕地がかかります。水も餌も石油燃料もかかります。「American Journal of Clinical Nutrition(アメリカ臨床栄養学誌)」に発表された論文によると、
アメリカでは家畜が国民の7倍以上の穀物を食べていて、家畜にあげなかったら8億4000万人もの人を充分食わせていけるんだそうですよ?

肉1kcalつくるのに必要な燃料エネルギーは約25kcal(とうもろこしは1:2.2)。動物性タンパク質1kgつくるのに必要な水は種子タンパク質の100倍なんです
(餌の穀類の栽培にも水がかかるので、それも含めるとそうなっちゃう)。