工場の中では、何人も作業する方がいて、刃物や機械でお腹を切り裂いて内臓を出す、皮をはぐ、手足、頭を切り落とされて、ザクザク切り開かれ、
どんどん食肉の部位ごとに分けられていきます。
もうここまで来ると完全に物扱いでした。
職員の方々は慣れた手つきで、楽しそうにお喋りしながら作業していました。
なんだろう、この衝撃の光景とのギャップは...慣れってすごいです。

途中で、一輪車に乗せて運ばれる牛さんの切り離された頭が...喉のあたりがまだピクピクしていて...筋肉の反射とかなのかもしれませんが、恐ろしかったです。
目も完全に見開いていました。苦しかったんだろうな。

そして内臓の処理や、病気等の検査方法などについても説明を受けたり、枝肉になった牛たちがずらーっと大量にぶら下がって並んでいる巨大冷蔵庫に入れてもらったりしました。
工場内の床は血だらけ、脂だらけで滑るし、全体的に匂いも強烈でした。
死体の匂い。カラダに染みついた気がします...。

その後、休憩を挟んで、羊、豚と見るはずだったのですが、休憩している間に羊には間に合わず、見に行ったときには首が落とされた後でした。
羊さんは四頭だけと少なかったので、殺す(怖い表現ですが)作業はすぐ終わってしまったようでした。
でも解体作業は見ることが出来ました。
牛に比べて小さいので、ぶらさげずに、台の上で手作業で解体されていました。
解体後は同じようにぶら下げられ、枝肉にされ、洗浄消毒まで、牛さんと同じでした。
ぶらさがっている羊さんたちの中で、一頭だけ大きいなぁと思っていたのが...朝一で見た、病気疑いの仔牛でした...すでに枝肉になった後でした。
さっきまで生きて抵抗していた、目が合った牛さん…。

そして、もう一度事務所の方に戻り、しばらく従業員の方たちの休憩時間とのことで、わたしたちも休憩。
いただいた資料を見たり、子どもさん向けの優しめに作られた食肉処理のDVDを見せていただいたりしました。
このDVDが、だいぶシュールな作りで...食べるのをやめた人間の目線からだからかもしれませんが、食肉が当たり前の大前提で、感謝すれば肉を食べることはOK
みたいな感じの内容だったので、うーん複雑...というかこれじゃ子どもが見たら、何も考えず変に食肉を受け入れてしまうだろうなぁって感じでした。
まぁ、そうやってずっと洗脳されてきているのが今の日本人なんですが...。

そして休憩も終わり、最後に豚さんを見てきました。
正直、見るのも少し慣れてきたかなって思ってたんですが、一番きつかったです。
まず、たくさん豚さんがいる柵の横を抜け、一頭ずつレーンで運ばれ、ガンで撃たれるんですが、そこに来るまでの豚さんたちの鳴き声がもう...。
すごく怯えて泣き叫んでいて、しかも、完全にわたしたちの方を見ていました。
隙間からひょっこり鼻を出して、可愛くて綺麗なつぶらな瞳で。
あれは絶対に助けを求めていました…。
見ていることしか出来ないわたしは、ただひたすら、ごめんねごめんね...と謝ることしか出来ませんでした。