持続不可能な農業と食料システムとは
http://ourworld.unu.edu/jp/agriculture-and-food-systems-unsustainable

『肉
しかし、中でも最も憂慮すべきは食料生産システムの効率の悪さである。
原因は先進国において食に対する様々な志向が生まれたことで、今やその傾向が世界中に広がりつつある。
産業活動でさえ大気や生物圏へ影響を及ぼすことから激しく非難されているが”農業から得られる食物や繊維、燃料はさらにひどい汚染資源になってしまっている。
農産物加工においては本質的に資源利用の効率が低いためである”

土地、水、土壌の非効率的な使用の最たる問題は、今のところ、収獲された作物の50%以上が人間に供給されるのではなく、家畜の餌として使われている点にある。
畜産物の消費は人口増加及び経済成長と深く関わっているため、事態は今後確実に悪化するだろう。

〜中略

最近の食肉はConcentrated Animal Feedlot Operations(大規模な畜産飼育場、CAFOs)からやってくるケースが増えており、そこから排出されるメタンガスや餌の栽培のための熱帯雨林破壊による影響は地球温暖化に拍車をかけるどころではなくなってきている。
家畜がトウモロコシや大豆を摂取することは生物学的に不適切(家畜の消化・栄養吸収器官はこれら特定の植物を食べることを前提としたつくりになっていない)であり、家畜の伝染病や病気による食品安全性への打撃を防ぐため大量の抗生物質を必要とする。
これによる下流影響は労働者の権利や動物擁護の懸念はもちろん、河川や我々の体内にも及ぶ。

ハートウィック教授は、合理的で管理しやすい変化を起こすことは可能であると感じている。
「菜食主義になる必要はないが、これからはアジアでも現在のヨーロッパや北アメリカと同じように肉が消費されることを心配するべきだ」

「結局のところ、人々の肉への食欲を満たし続けるだけの土地がこの地球上にあるとは私には思えない」。ハートウィック教授そのように認めている。