有名人を誹謗中傷したり脅迫することは違法です。以前は、弁護士も警察もネットの書き込みに対して犯人を特定し、損害賠償を取ったり、逮捕するといったことに慣れていませんでした。

 2020年11月には誹謗中傷を受けた被害者が犯人の身元を特定するために、情報開示請求の対象に電話番号を追加する省令改正を実施しました。これでSNS事業者からもらう情報で犯人の特定も容易になりました。

 2021年4月には、プロバイダ責任制限法の改正が行われました。以前は、匿名の犯人を見つけるためにはコンテンツプロバイダからIPアドレスを開示してもらい、接続プロバイダからIPアドレス使用者を開示してもらう必要がありました。そのため、手続きも時間もコストもかかっていましたが、改正により、この手続きを一体化できるようになりました。

 このような流れを受けて、警察の理解も進みました。誹謗中傷を専門とする弁護士が増え、犯人の逮捕が容易になっています。