5月、A子さんらのグループにいた中島さんは、素行が悪かったA子さんから
距離をとるような態度を取ったところ、A子さんから「菜保子に無視された」
とクラスメートに悪口を言われ、無視されたことがあったのだ。

 7月ころからは、クラスメートの前で「きもい」「うんこ」「クソやろー」
などと公然と悪口を言われるようになった。

9月には休み時間、これ見よがしにヒソヒソ話をしたり、「くさや」などと耳元で
ささやくなどした。

10月には「くさや」と書かれたメモをノートに貼る。「くさや」と声をかける。
机の上に落書きがあったのを見つけた中島さんが、暗い顔で消していたのを複数の
同級生が見ている。「くさや」と書かれていた。「くさい」「くさや」といった
悪口は、ほぼ毎日続いた。

2学期の前半、A子さんがあえて強く中島さんの肩を「バンバン」と離れていても
音がはっきり聞こえるほど、大きな音で叩いているのをある同級生が見ている。

 音楽室で行われていた合唱祭の練習の際にもC子さんが中島さんを別の生徒の前に
引っ張ってきて「この子、臭くない? 」と言った。

10月には体育の授業中、試合形式でバスケットボールのチーム決めをしていた際も、
A子さんらが相談して、中島さんを外すようにグーパーじゃんけんをした。授業終了
時、下駄箱のところで中島さんは泣いていた。

同級生の女子生徒は「先生も中島さんに嫉妬している感じだった。A君と隣り合わ
せにした席替えで、B子さんが中島さんに嫉妬して激しくなったいじめだけど、
それにT先生が加勢した感じ」とまで言う生徒もいた。

11月10日、授業がすべて終わって帰りの会が始まる前のことだった。
中島さんがクラスメートに話した事実によると、A子さんらと音楽室に行った帰り、
A子さんとC子さんが壁ドンごっこをしていたところ、教室のドアの嵌め込み式の
ガラスが割れた。

 中島さんは「先に行ってるね」と声をかけて、3階の教室に向かって階段を
下りていたが、ガラスが割れる音がして4階まで引き返した。そこにたまたま
非常勤の女性講師が通りかかり、3人を叱った。

担任のT教諭や教頭に次々に叱られた中島さんは「A子とC子が割ったのに…」
と言って泣いていたという