でもふと思う
はじめちゃんと出会わなかったら今は無かったのだと
誠さんとも出逢っていなかったと
はじめちゃんと出逢えたのはいい事だったのだと
誠さんのパートナーに成って敬意を払われることが多くなって全ての人から暴言を受けるだけの日々終わりを告げた
今がすごく幸せかといえば忙しすぎてそれを振り返る時間も無い
次から次へと進化して行く新しい人間関係に溺れかけているし過去は今でも足を引っ張り地獄へと誘っていく時がある
未来に目を向ければ不安も多い

迷ってヘタれてばかりの私に誠さんは言う

はじめちゃんの過去とか大きなジュリーの事とか未来とかどうでもいいと
二人頑張っても子供ができず嫌になったら別の人と幸せになっても良いとそう言った
未来がどうでもいいとか言い過ぎだよね?
言うと誠さんは何も言わなかった
私に子供が欲しく待った時きっとその愛情は不満に変わるだろうと誠さんには拭えない不安があった
でも私にも誠さんにずっと好きで居て貰える自信は無かった
自信なんてなくて過る不安に覚悟も揺らぐ日があって僕らはとても人間らしかった

雪がふる
一面を真っ白にして
音もないその場所で考えていた
約束通りにくれた
地位と安全
安心とふりそそぐ愛情

目の前の二択問題
不安と恐怖
確約されたものなど何もない未来

雪が静かに降り積もる
思いも同じように降り積もっていく
雪はこころの迷いまで白く消していくかのように降り積もる

一つづつ階段を登っていく
昨日とは違う自分になりながら