BL小説やん

「遣都、ひとつ質問していいかい?」
「はい」
「今の遣都がもし、あの砂漠の夜にいる遣都に話しかけられるとしたら、何を伝える?」
う〜ん、と首をひねり、頭を掻きながら、しばらく考えた末、恥ずかしそうにポツリと呟いた。
「ちゃんと周りの人を愛したら、その愛は戻ってくる」
胸がジーンとし、何度か自身の中でその言葉を反芻した。
あの時の遣都は、誰も信用せず、今日の舞台の役柄のようにプルプルと震える子犬のようだった。