浅田は小学校2年の時にフィギュアスケートを始めた。
妹の10年バンクーバーオリンピック銀メダリスト真央さん(28)とともに歩んだフィギュア人生を、全面的に支えたのが匡子さんだった。
だが、熱心すぎる教育に浅田は疑問を抱き始め、真央さんが頭角を現してきたことに対し嫉妬心がつのり、フィギュアから遠ざかる。
匡子さん、真央さんとも距離ができていた11年末、匡子さんは突然亡くなった。

それから浅田は、整理のつかない感情を持ち続けてきた。
「母は、どんな思いでこの世を去ったのか」「自分のことをどう思っていたのか」「亡くなる直前の電話の意味は何だったのか」。
その意味を知るために、これまで封印していた心の闇を初めて打ち明け、木村さんと共に思い出の地を訪れながら母の思いを聞き出す。

浅田は「とてもホッとしています。最初は自分のどこかで、母の本音や思っていたことを聞くのが怖い気がしていたんですけど、今はすごく安心しました。
私の場合は、幼い頃から母との“親と娘の時間”がフィギュアスケートそのものだったので、本音でぶつかって話をしたことがないんですよね。
だから、悩みとか、わだかまりがあったまま今日を迎えたので、初めは不安な気持ちばかりでした。
でも、これまで抱えていたわだかまりとか、悲しみとかの感情はここで置いて、これから歩んでいけそうだなって思えることができました。そんな温かい気持ちにさせていただきました」と振り返った。

真央さんとの仲についても「私たちの青春時代は全てフィギュアスケートで、しばらく話をしない時期もありました。
今となっては、だんだん絆も深まっているんですけど、それでもなかなか母のことを2人でゆっくり話すこともなかったので、今回のことは妹にも話すつもりです。
妹からも『収録が終わったらすぐに連絡して』と言われているんです」と話している。