>>376
拝聴した
みんな大好きオーエンのボーカルアレンジでる

概要
東方ボーカルアレンジの定番オブ定番と言えるであろう「オーエン」
そのボーカルアレンジ群の一つにして、一際の個性を放つものだろう
公開された時間帯から考えると、後の作品群に多大な影響を与えたと
考えても良いかもしれない。そういうプロトタイプ性を、まず感じる

基本的には原作の雰囲気やメロディを忠実に重視する方向にありつつ
歌詞の多寡により、聞き手に与えるスピード感を調整していると思う
すなわち1メロ2メロは伴奏の激しさの割にはゆったりとした印象で
サビに入るとそれ相応の速さを取り戻してメリハリを与えているのだ

本作の中で好きなパートを挙げろと言うなら、ぼくは2メロちゃん!
教会のような、あるいはのど自慢大会のような「鐘の音」がかわいい
スカーレット姉妹がノリノリで歌ってる時に鐘鳴らされるのかわいい

…というのは冗談半分で、魅力的だと思うのはサビへの入り方である
正直なんと表現していいのか分からないが、非常に珍しい現象である
スピード上げたままギアシフトするような、お化けフォークのような
強引さが強引でなく、逆に自然。説明できない。諸兄も自分で聞いて

講評
ラテンポップやユーロビートを思わせるアップテンポな曲ではあるが
歌い手の声質がとても優しげなので、脆さや幼さをも感じさせられる
スカーレット姉妹のノリとロリを適切に表現していると言えるだろう

所々で、「メロディ」と「歌詞」の尺が合っていないように思われる
例えば「オーエン」のメロディの最終盤一節(サビの後半部)に対し
「映り込む格子の影 十字に私を指す」と、歌詞を当てているのだが

うっつりこっむ コオシのっかげっ じゅうじぃぃにわたしぃぃをさすー
テッテテテッテ テッテテッテ  テレテーレテテーレレレッテッテー

というように、歌詞がメロディに対し短すぎたり長すぎたりするので
「コオシ(早口)」「じゅうじぃぃ」のように口語ではあり得ぬ伸縮で
一生懸命に間に合わせてるように感じられる。歌い手さんも大変だな

歌詞の長さとメロディの長さは、必ずしも適切に一致する必要はない
特に先頃「暁record」さんの「アルフ・ライラ・ワ・ライラ」にては
「メロディに"すべりこませる"ような歌い上げ」と申し上げたように
意図的に使用すれば一つの世界観や、価値観を表現できる技法である

されど本作においては、そこまで確固たる目的があったとは思えない
ならば何故…と考えた時に、多分だけどこれは、「歌詞」においても
「曲」においても自らベストだと思う所に妥協しなかった結果では?

メロディと歌詞の間で折合うのは、楽曲の重要なプロセスだと思うが
それがマルッと、ゴリッとうっちゃられている様は正直いかにも豪快
林檎の皮をむかずにそのまま齧るかの如く、野趣あふれる曲に思えた

念のためだが、貶しているのではない。無駄な親切心や忖度などなく
ありのままの「いいね」が転がる荒野こそ、本来の同人界だと思うし
ウーバーイーツのような楽しみすらある。変に小慣れずともよいのだ
この未完成っぽさ自体が、おぜう達にも合っているように思えるし

余談。本作においてボーカルを担当なさっている「藤宮ゆき」さんは
ぼくの中では「藍さまの声」の人である。ちぇえええええええええん