>>151
確か流行ってたんで興味あったし、このスレでお薦められたので買ったはず

陰謀のセオリー 上巻、中巻を購入した

・お空の能力を成長させて核融合実験を次の段階に進めたい
という守矢一味の目論見と

・ペットの動物たちに地上でのびのび遊べる環境を用意したい
という古明地さとりの目論見が一致した結果

秋穣子の誘拐に始まる一連の出来レース(茶番劇)が幕を開けたが
そうした事情を知らされていない茶番劇の端役(ヤマメ。本作の主人公)が予想外に活躍したり
八咫烏が自由に目覚めたり想定外の出来事が幾重にも発生したために収集がつかなくなり、
落としどころの見えないままに事態が混迷化していく話

予定通りにいけば
お燐が穣子を誘拐

諏訪子が報復として諏訪子がお燐を誘拐、空に憑いた八咫烏も回収

誘拐されたお燐を助けに空が地上に侵攻して来る

空を適当な相手と戦わせて強くする

空と八咫烏と再融合させる。これによって空が以前よりも格の力の制御力が上昇する

事件の発端となった穣子の誘拐その他諸々の悪事を全てヤマメの仕業だったことにする

悪いのは全てヤマメ。地霊殿と守矢のいさかいは"勘違いによるものだった"として丸く収める

という話になる予定だった

しかし、後々全ての罪を擦り付ける予定のヤマメの身柄を地霊殿にとどめておくべく
守矢一味サイドよりおよそ達成不可能な「穣子奪還」の任を託して地霊殿に送り出したところ
ヤマメは任務に失敗して(生贄にされる時まで)地霊殿に捕縛されるだろうという目論見に反し、
穣子の奪還に本当に成功してしまう。ここから、ドミノ倒しのように計画が崩れてゆく

例えば革命だとか世界大戦だとか世界史上で巨大な破壊や転換が発生する理由について、
歴史的に明るい暗いの区別なく相当数の人が

「争いに至る整然とした理由があったのだ」「一部の支配者の狂気が争いを生んだのだ」

と考えがちである

だが実際にはそうではない、ともすれば誰一人本気で破滅を望んでるような権力者は無く、
しかしそれでも僅かな歯車の狂いやボタンのかけ違いによって誰も予期しない未来へと
突き進んでいくんだよ、という、一種のバタフライ効果をテーマとした物語とも言える
話の筋としてはやや強引なところも見受けられるものの、非常に力強い展開運びが面白かった

絵柄としては体に対して頭のサイズがワンサイズでかい丸型で、
どこかコミカルな反面、パワフルな顔力も兼ね備えているのが非常に個性的
この効果によってゲス顔はよりゲスく、その他の感情も上手く誇張されていたと思う
特に早苗さんのゲスさと幼さを兼ねたマジキチ風味のアイデンティティは他作品に輪をかけて強烈で
逆にヤマメが食われているくらいの勢いだった。ヤマメが主人公ってレアなのに