>>135

読了した

メリーが夢魔に悪夢を見せられる小説

悪夢の内容は、「理想とかけ離れた10年後の世界を生きる」というもの

マエリベリーさん(フリーター・独身)は古典日本文学の講師を務めるオモシロ外人
未だに大学に籍を置き、食うに困らない程度社会と接点を持ちつつ境界探しを続けている

かたや坂下蓮子さん(旧姓宇佐見蓮子さん)は小市民的な兎小屋に棲む専業主婦
知的探求心はすっかり失い、凡庸な旦那と結婚し、こまっしゃくれたお子さんを設け、
秘封倶楽部の冒険もメリーと育んだ愛の記憶もわりと黒歴史扱いしている

色々と、サイコレズメリーには耐えがたい世界である

・ある時、主人公が自分の全く望まない世界を生きていることに気付く
 (昨日まで小学生だったはずなのに、目が覚めたらいきなり大人になっていた等)

・主人公は最初「これは夢だ」「これは何かの陰謀だ」等と、世界の現実性を疑う

・しかし周囲の言質や物的証拠、あるいは自分自身に残された"身に覚えのない記憶"から、
 世界は紛れもなく現実であり、おかしいのは主人公自身の方だと思い知らされる

・あるいは再転回しやはり世界は夢だった、非現実だった等と判明。ハッピーエンドを迎える

という4つの特徴を持つ話は、邯鄲の夢枕から映画「マトリックス」、地獄先生ぬーべーに至るまで
古今東西非常によく見られる様式(ジャンル)であり、本作もその類型の一つと言えるだろう