芸能人のスキャンダルやゴシップは?

芸能人とは、芸能を職業とする人のことで、注目度が高いとはいえ民間人です。そのため、公人である政治家の場合とは事情が異なります。芸能人の情報を暴くことに、名誉毀損罪の特例の要件である「公益を図る目的」が該当するとは考えにくいです。このことから、芸能人の場合は、スキャンダルにしろゴシップにしろ名誉毀損罪が成立する可能性は高いといえます。

芸能人のスキャンダルやゴシップのニュースを見ると、芸能人のSNSアカウントを探し当てて過激なコメントをする人がいます。こういう人は、自分が悪いことをしているという認識が薄いことも多いでしょう。それは「先に悪いことをしたのはあいつ(芸能人)だ」と考えているからです。

しかし、罪を裁くのは裁判所の役割です。直接関係のない人間が、事実関係を詳しく知らないまま、メディアの情報だけで判断して過激なコメントをすることは、立派な犯罪にあたります。「芸能人にプライバシーはない」といった考えを持つ人もいますが、法律上は、当然芸能人にもプライバシーの権利はあります。スキャンダルやゴシップを知ったからといって、個人的な攻撃に出るような行動は慎んだほうがいいでしょう。

https://yell-lpi.co.jp/column/defamation/art0017/