このように、まず戦争の善悪は曖昧である。
ただ善悪論にもいろいろある。

例えば、普通に生活する指針での善悪の基準のモラル/モラルハザートもある。

これを子供に教える一つの方法として、おとぎ話がある。
童話には、悪者の行う行為やそれに対する報いや制裁がかなり残酷な話も少なからずある。
元々の『白雪姫』では、姫を苦しめ続けた継母(グリム初版では実母)は真っ赤に焼けた鉄の靴を履かせられ、
死ぬまで踊りつづけさせるといった結末のもの、
『かちかち山』の狸は、おばあさんを殺して汁にし、それを「狸汁」と称しておじいさんに食べさせるなどがある。

ところが語り継がれるにつれ、子どもが見るということから考慮して、残虐性の描写を変えるのが通例である。

Ep4はこの童話のひな型を応用している。
SWの敵を悪にして残虐性を無くすために、人としての特徴を消した。
人としての形でなく、面を被った悪役と、鎧兜をつけた軍隊にした。
そうすることで、人を殺す残虐性を観客に感じさせないようにした。

ところがEp8は、その童話の構造にするための、仮面を剝がしたんだ。

レンは、ベイダーの仮面を脱いで、人になった。
フィンは、鎧兜を脱いで、人になった。
人でないスノークは、居なくした。
このようにして、悪のつけていた仮面を剥いで、人の弱い面が見えるようになった。

つまり作為的な善悪の仮面を剥いだ。