最後に行き着いたのは、この人はたぶん、ものすごく我慢強い人なんや、ということやった
それは幾らかは当たっていた
イブは昔から大抵の苦痛は耐えられたし、わしらの特訓のお陰で、よりその傾向が強まり、痛くてもうんともすんとも言わずにじっと辛抱することもよくあった
しかし、今回奇跡的に歯が痛くないのは、本当はわしの気の術のお陰なんや…
だからイブは、先生がいくら首をひねっても、ぴんと来んのやな、
彼女は大方、自分の歯は中程度か軽程度の虫歯ばかりだろうと思い込み、しかもほとんど痛くないので、安心し始めていた
(治療の際にかぶせものをとった時に削られると、少々は痛さが響くこともあったが、それは麻酔も効いてるしな、大したことはない、)
それで、見たとこは礼儀正しく落ち着いた女性で、内心はわしらの術で行くたびに童心に返り、好奇心いっぱいのルンルン気分でいた
そんな患者、普通おらんわな