すなわち、「日本」はなぜ「ジャパン」(Japan)なのかである。
朝鮮語で「日本」を「イルボン」(il-bon)と読む。
この「イル」は朝鮮語の数「一」の「音読み」(前稿『数詞からニッポン人を考える』参照)と同じ音(il)で、
「日」(ニチ)の音が「一」(イチ)と聞こえたのではないかとまず考えられる。
しかしそれより、「二」の「音読み」が、朝鮮語で「イ」(i)であり
日本語では「ニ」(ni)であることに注目したい。
すなわち、日本語の「ニ」は朝鮮人の耳には「n」が落ち、「イ」と聞こえるということだ。
もしそうなら、「ni−n=i」という式が成り立ち、「nichifon−n=ichifon」「nippon−n=ippon」となり
「ilbon」に大変近い音となる。「i」は「y」そして「j」の音に通じる。
現代中国語では「日本」を「ジーペン」(riben)と読む。
この「r」音はそれまでの「n」音が唐代の漢音によって非鼻音化したものである。
すなわち、「ni」が「ri」に変わったのだ。
この「r」は巻き舌の音で、外国人には「ジ」とも聞こえるものである。
日本人は「r」音を受容できず、これが「日」の漢音である「ジツ」なのだが、
ヨーロッパ人にも「ジーフォン」や「ジッポン」と聞こえて、
やがてユーラシア大陸「極西」の英語では「ジャパン」になったと筆者は思うのであるが、果たしてどうであろうか。

「日本」という国名の読み方について 01年4月28日 萬 遜樹
http://www.relnet.co.jp/relnet/brief/r18-88.htm