いい例を挙げよう。湾岸戦争を覚えている人もいるだろう。
イラクがクエートに侵攻してクエートを占領して、自らの領土としようとした。
当然各国は、この侵略行為に反対し、9割以上の国々の賛同を得て、連合国軍が
イラクを駆逐した。が、そもそも、イラクが侵攻した理由は何だったのか?
それはクエートの石油利権に基づいた有り余る富だったはず。
では、クエートは周辺国に対して、慈悲の心を起こし、富を分かち合ってきただろうか?
という疑問が発生するはずだ。
当時の一人当たりの国民総生産を見てもわかる通り、クエートは偶然地の利がよく石油生産に邁進して
世界でも有数な資源国、豊かな国であったのである。
そもそも石油は誰のものでもなく、地球のものであり、一国が富を独占する権利などあろうはずもない。
この戦争の正当性について疑問に持つものはいないだろうが、突き詰めて考えていくと、この戦争は資本
主義思想の欠陥を炙り出したものと言えるのである。