罪の子。

俺はお前を憎みはしないよ。
俺はお前に怒ってはいないんだよ。

溺れた人間は必死で、自分が何を
しているかなんてわからない。
そんなの当たり前じゃないか。

そして差し伸べた手はめちゃくちゃに掻き毟られ
君は救い上げるはずの腕は血まみれになって、
千切れて落ちて消えてしまう。

君は相変わらず溺れていて、俺はどうすることもできずに
その君をずっと上から眺めている。

だけど、たった一瞬でさえ
君を憎んだことなんてなかったんだ。