今年は何者かになってみようか。

その気になればどんな人にだってなれる。

だって、もともと何者でもないんだから。


本当は誰一人何者でもなくて、ただいまこうして呼吸して存在しているだけ。

頭の中にはいろんな考えが湧くけれど、ただそういう考えや感情が次々と起きているだけなんだ。

自分はこういう人間だと思ったのであれば、それがプラスイメージでもマイナスイメージでも、ただそういうイメージが湧いただけで、あなたは何者でもない。


と、ここまでの文章を読んで、

「そんなことはない、私はこういう人間だし、あの人とは違う」

と思ったのなら、いまそういう思考が湧いたってこと。


思考は刹那的なものだけど、それを繋ぎ合わせて一つのストーリーにして、まるでそのストーリーが実体であるかのように生きているのが、人生というものだよ。

本当に起きているのは、刹那刹那、いろんな思考が湧き、感情が湧き、刺激に反応し、行動するってことが繰り返されているだけなんだ。

人生なんていう連続したものは存在していないし、それを歩んでいるつもりになっている自分も固定された実体じゃない。


くどいようだけど、いま何を考え、何を感じ、何をしているかが、ただ起きては消えているだけなんだ。


起きている「いま」に無意識になれば、思いこみで作りだした世界が実体に見えるし、それを生きている自分も実体に見える。

その状態を

夢を見ているって言うんだよ。

夢は欲求不満になるのが定めで、気苦労やストレスを抱え込むけれど、それを解決しようとして、夢をよりよくするためにまた四苦八苦する。

そんなものは一瞬で消えてしまうのにね。

ただ「いま」に目覚めればそれで終わり。

思考や感情や動機を全部、いま湧き起きただけの刹那的な現象だと見極めれば、それであらゆる問題は消えてなくなる。