岐阜県美濃加茂市議会の永田徳男副議長(71)が姉妹都市の豪州・ダボ市の市長の娘にセクハラ行為をした問題を受け、市議会は9日、全員協議会を開き対応を話し合った。議員辞職勧告を求める声が多く上がったが、永田氏は副議長を辞任するものの、議員は続ける考えを示した。

 協議会は全16人が出席し、非公開で行われた。冒頭、永田氏は「不適切な行為で迷惑をかけて申し訳ない」と謝罪。ダボ市のマシュー・ディカーソン市長を招いた歓迎会の2次会で撮影された動画を全員で確認し、永田氏の行為については全市議が「不適切」と判断したという。

 森弓子議長と永田氏を除く14人中10人から「今後の進退を問うてほしい」などと、議員辞職を求める声が上がった。一方で、「調査をして判断をすべきだ」などといった慎重な意見もあり、議員辞職勧告決議案の提出は見送られたという。

 全員協議会の後、永田氏は報道陣の取材に応じた。議員辞職を求める声が上がったことについて「厳しい意見をもらい、大変重く受け止めている」とした上で、「お騒がせしたことは申し訳ないが、進めなければならない事案が残っており、これからも責務を果たしたい」と議員を続ける考えを示した。一方で、副議長は辞任し、会派も離脱するという。

 藤井浩人市長は「政治家の進退は自分で決めるもの。あとは市民がどう受け止めるかだ」と話した。

 永田氏は4月3日、ダボ市の市長を招いた歓迎会後の2次会で踊りながら歌った際、ソファに座っていた市長の娘の下腹部にマイクを近づけた。【稲垣洋介】

毎日新聞
2024/5/9 20:04
https://mainichi.jp/articles/20240509/k00/00m/010/249000c