「ウィシュマさんの悲劇、忘れない」 収容死3年に合わせ学生団体が法務省前で抗議 真相究明を求める:東京新聞
https://www.tokyo-np.co.jp/article/313510

2024年3月6日 21時04分

ウィシュマさん死亡の真相究明を訴える人たち=6日、東京・霞が関で

 ウィシュマ・サンダマリさんが亡くなって3年となった6日、外国人を支援する学生団体「BOND(バンド)」のメンバーら約20人が東京・霞が関の法務省前で、真相究明などを求めて抗議活動を展開した。

 ウィシュマさんの弁護団が公開した死亡直前の監視カメラ映像には、ベッドから落ちたウィシュマさんを床に残して女性看守が去る場面などが写っていた。抗議活動に参加した大学3年の真栄田(まえだ)早希さん(21)は「入管職員は苦しむ彼女をあざ笑い、差別的で侮辱的な態度をとり続けた。体調不良を訴えても詐病と決めつけて点滴もせず、見殺しにした」と批判した。

 私大3年の広瀬裕己(ゆうき)さん(20)も「ウィシュマさんの悲劇は、入管と法務省が運用する悪質な制度や体質から起きた。これらを変えるには、声を上げていくしかない」と語った。(望月衣塑子)

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  スリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさんは2021年3月、名古屋出入国在留管理局に収容中に33歳で亡くなった。収容中は体調不良を訴えていたにも関わらず、入管側は「誇張」と受け止めて十分な医療を受けさせなかったことや、苦しむウィシュマさんをあざけり笑ったことなどが出入国在留管理庁の調査で明らかになっている。2017年、留学の在留資格で来日。その後不法残留となり、20年8月に入管に収容されていた。