アイヌやマイノリティに対する「決めつけ」をしてませんか?北原モコットゥナㇱさんが著書『アイヌもやもや』に込めた思い(LEE) - Yahoo!ニュース
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2/23(金) 19:50配信
武田由紀子 2024.02.16

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みなさんは「アイヌ」という言葉に、どんな印象を持っていますか。アイヌとは、日本列島の北部、主に北海道の先住民族のことをさします。最近では、漫画『ゴールデンカムイ』に登場したり、北海道の白老町にある民族共生象徴空間『ウポポイ』のニュースを目にするなど、アイヌの認識は広まっているように感じます。とはいえ「自分のまわりにはアイヌの人はいない」「会ったことがない」という人もいるかもしれません。しかし、それは本当でしょうか。

アイヌをはじめとするマイノリティに対する「決めつけ」、固執した考えを改めて考えたくなる本『アイヌもやもや』(303BOOKS)が発売されました。著者である北原モコットゥナㇱ先生に取材をして、ふだん感じている“聞きづらい”こと“モヤモヤ”していること、社会にあるマイノリティとアイヌとの共通点について話を聞きました。ちなみに北原さん自身も東京都杉並区生まれのアイヌで、亡くなったお祖母さんは樺太出身のアイヌです。

無関心であることの暴力性、残る“もやもや”の正体

本を拝読して、うっかり自分も「思い込み」「決めつけ」による発言をしてしまっているのでは…と不安になりました。質問についても、思い込み前提の質問になってしまうのでは、と心配ではあります。

北原:私は説明するのが仕事なので、なんでも聞いてもらって大丈夫です。分からないのは当然ですから、ゼロから知りたいですと言ってくださる方が楽ですね。想像で作り上げたアイヌの姿を前提に話をなさる方だと、私も答えにくくてギクシャクすることがあります。

ありがとうございます。最近では『ゴールデンカムイ』も映画化されたりと、アイヌへの認識が少しずつ定着しているように感じます。北原先生は今北海道大学(北大)で教鞭を取られていますが、生徒たち、また世の中の様子からどのように受け取っていますか。

北原:『ゴールデンカムイ』でアイヌを知り、私の授業を取りにきたという生徒は増えました。それと並行して、JR北海道の車内放送でアイヌ語での挨拶を流したりもしていて、大学に来る前から自然と触れていたという人もいました。アイヌの認知度の底上げは大分されてきたのかなと感じています。『ゴールデンカムイ』の影響で一番大きいのは、アイヌに対して、まずは好意的に見るという人が多くなったことですね。

『ゴールデンカムイ』の監修にも携わっていたそうですね。

北原:もとは私の指導教官である中川裕先生がアイヌ語監修を担当していたのですが、中川先生が札幌で講演をされる時に、『ゴールデンカムイ』を連載していた『週刊ヤングジャンプ』の編集長と担当編集の方が北大にいらっしゃったんです。その時に、漫画を読んで気になったところを伝えてみたところ、「もっと詳しく教えてほしい」「コミックス化の時にできるところは修正しよう」となり、気付いたところがあれば情報を提供するということで続いています。また、私は樺太のアイヌ文化が専門なので、樺太編の箇所は事前に確認をしています。

アイヌなどマイノリティの認識について考える時、“無関心であることも、相手に傷を負わせる”ということにも気付かされました。「アイヌはまわりにいない」「アイヌの会ったことがない」という思い込み、こういった無意識に発言したことが相手を軽視したり敵意を示すことが“マイクロアグレッション”に繋がるということにも気付かされました。本の中では、北原さんの体験談、まわりの人たちの声も書かれていました。

マイクロアグレッション

・無意識に発せられる言葉や冗談で、相手への軽視や軽視を伝える態度のこと
・ごく短い間に表情や声色、表情、仕草、短い言葉などで伝えられることが多いのが特徴

北原:本を作るにあたり実際に50人くらいの方に話を聞いたのですが、近い間柄でもこういう機会でないと深い話はそうそう聞けないんですよね。20年以上前から知っていた人でも「そんなふうに感じていたんだ」「そんな経験があったんだ」と初めて聞かされて。

イラストは、北原先生がフェミニズムやジェンダーについて調べていた時に出会った田房永子さんが担当。「とても分かりやすく面白く描いていただきました」

(略)

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