自民党は、派閥による裏金事件をめぐって来週にも開かれる衆院政治倫理審査会について、非公開とする方向で調整に入った。政倫審は非公開が原則だが、疑惑を弁明する当事者の意向次第では公開は可能だ。政治不信が高まるなかで非公開となれば、世論の批判はさらに強まる可能性がある。

 衆院政倫審には、組織的に裏金を作った安倍派の形式上のトップである塩谷立座長のほか、同派事務総長経験者の松野博一前官房長官や高木毅前国会対策委員長、西村康稔前経済産業相が出席する意向を示している。政治資金収支報告書への大規模な不記載が判明している二階派では事務総長の武田良太元総務相が出席する予定だ。

 立憲民主、日本維新の会、共産、国民民主の野党4党は公開を要求。一方、自民側は公開では、出席予定の派閥幹部が翻意しかねないなどとして非公開の方針だ。与野党は22日以降も協議を続け、公開の有無や日程を決める。

 過去に開かれた8人の衆院政倫審では公開された事例が複数ある。直近では国土交通省への口利き疑惑があった伊藤公介・元国土庁長官が出席した2006年にはテレビが中継した。

朝日新聞
2024/2/22 11:10
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