’23年11月6日、大阪府の吉村洋文知事による定例会見が府庁で行われた。しかし、いつもとは何かが違う。就任以来付いていなかった大阪府警の警護員が警護に当たっていたのである。

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会見の終盤、記者から「警護がめっちゃ厳しなりましたけど何かあったんですか」との質問に対し、知事は「あのー、今日から警護の対象となりました。ただ、その詳細については控えさせてください」と答えた。

11月9日の定例記者会見でも同じ質問が記者からあったが、吉村知事は「府警からは、府警に確認してくださいと言ってくれと言われていますので、府警に確認してください」と回答があった。

今回の警護、筆者が確認した限り通常の警護とは少し勝手が異なるようである。通常、警護の対象となるには「内閣総理大臣や国賓など、身辺に危害が及ぶことが国の公安に係ることとなるおそれがある者として警察庁長官が定める者」と警護要則に定められている。

これを元に警護員は基本的に警護に当たる際、警護員であることを示す「警護員バッジ」をスーツの襟元に付けて警護に当たるのが一般的だ(警視庁SPの場合はSPバッジを着用)。

ところが吉村知事の警護に当たる警護員らはそのようなバッジを付けず、警察手帳を腰に付けて警護に当たっているパターンや、識別のため、府警独自のバッジを付けて警護に当たる場面も見られた。現在、吉村知事には常時複数人の警護員が警護に当たっているが、そのようなバッジを着用していないことから、今回、警察庁長官の指定を受けずに府警が独自に警護を行っている可能性も存在する。本件を大阪府警察本部に問い合わせたが「府知事の警護に関することはノーコメント」との回答だった。

知事が会見を行うときなどは警護員が防弾仕様のブリーフケースを携行しており、万が一襲撃が発生した際はそのブリーフケースを展開し、警護対象者の四方を固めて安全な場所へ退避させる。また、知事が車両で移動する際も覆面パトカーが随行するなど、万全の態勢で警護が実施されている。

地方自治体の首長が警護対象者となるケースはその時の情勢などに応じてそのような措置が取られており、現在も他県で警護対象者となっている首長は複数存在する。

大阪府知事の警護としては、’08年2月より就任した当時の橋下徹元大阪府知事が就任当初より警護の対象となっており、その後橋下知事が大阪市長に鞍替え当選した際も引き続き警護が実施された。だが、当時の警護員らは「警護員バッジ」を常時付けて任務に当たっていた。一方、その後就任した松井一郎大阪府知事には警護が付かず任期を終えた。

突然の警護対象者となった吉村知事。安倍元総理や岸田総理の襲撃事件以降、我が国の要人への警護は以前よりも厳しい体制が取られており、前述したように地方の一首長である大阪府知事も例外ではない。警護はまだまだ続きそうである。

撮影・取材・文:有村拓真

FRIDAY
2/8(木) 15:00配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/1669ee18cc1572c7c255ad87abce64cf32707aa8